4 / 13
4
しおりを挟む
翌朝も迎えにきたアイザックの馬車に乗っていると、思わず恨めしそうにジトリと睨みつけてしまう。
昨日あれから細かい所も思い出したのよ。
それで色々考えてしまったわ。
『最愛の恋人、未来の王妃に対して害をなそうとした。拷問をし市中引き回しの上で公開処刑と決めていたのだが、ミーフィアが可哀想だからと止めるんだ。こんな女にまで慈悲をかけるとは本当に優しい。感謝するんだな』
陵辱させる前の悪役令嬢に対して王子様が言ったのよ。
婚約者を奪ったヒロインに感謝出来るわけないよねぇ。
ヒロインは王子様達とあんな事やら致して純潔じゃなくなってるけど、一途に王子様だけ追いかけてた悪役令嬢は処女だったのよ。
それを目の前で複数の男に陵辱されたんだから、そりゃ心も壊れるよ。
処女じゃないから襲わせてもいいとかじゃないけどさ。悪役令嬢のした事やしようとした事は酷いよ。でもさ、だいたい、そこまでやらせたのって、王子様のせいじゃない?
プレイしてた時はヒロイン目線で考えてたから、悪役令嬢酷い最低、非道になってヒロイン守る王子様良い!、だったけど、別目線から見たらヒロインと王子様酷い最低、だわ。
仮にも婚約者だった令嬢を陵辱させて娼館に売り飛ばす、って、非常過ぎない?
ヒロインは未遂で終わるんだよ。
婚約者がいながら、別の女を『最愛の恋人』って呼んでキスして見せたり、不実な男じゃん、不実王子め。
そんな事を考えてムカついていたものだから、思わず睨んじゃったわ。
「なんだ。何か言いたい事でもあるのか?」
私の視線にアイザックが気づいてしまったらしい。
「いえ、何も」
「さっきからジッと睨んでるだろ、何か言いたかったら言え」
「··········少し寝不足なもので」
言いたい事はあるけど、それはプレイしてた中の王子様にであって、"まだ"何もしていないアイザックに言えるわけがない。
グイッと、何故か隣に移動してきたアイザックに引かれて肩に頭を乗せるような体勢になった。
「寝不足なら、着くまで寝てろ」
肩を抱かれて密着するようにアイザックの肩に頭を乗せた私は、パニックになりそうだった。
え?何?どういう事?まだヒロインとの絡みがないから? でも悪役令嬢は、王子様に一度も触れられた事がないっていう描写あったよねぇ。
王子様が悪役令嬢に触れるのは、ヒロインを庇って悪役令嬢を押し退ける時だけだったって。
どうしたらいいの?払い除けるのも違うような気もするし。
パニックになりながらも、確かに実際寝不足だったというのもあって、体温と馬車の揺れが心地よくていつの間にか眠ってしまったようだった。
「··········い、おい、ジュリエッタ、着いたぞ」
揺り起こされて微睡みから覚めると、手を引いて馬車から降ろされ、ふらつく私の腰を抱いたアイザックに連れられて学園に入っていった。
「アイザック殿下とジュリエッタ様、仲がよろしいのねぇ」
「素敵ですわねぇ」
「アイザック殿下お優しいのですわねぇ」
傍から見れば、仲良く寄り添っているように見えるらしく、令嬢達がきゃあきゃあとざわめく。
私は内心真っ青だ。婚約してから大した交流もしていないし、仲は別に悪くはないが良くもない。大体この人は、鬼畜不実王子のアイザックである。学園を卒業する前に私を地獄に突き落とすかもしれないのだ。
まあ、ヒロインを虐めたり破落戸に襲わせるような事をする予定はないけれども。
淑女の仮面を被り微笑みを貼り付けながら廊下を歩くと、教室の入り口のところでアイザックの腕から逃げる。逃げるように体を離した私に
「大人しく席まで連れて行かれろよ。大丈夫なのか?」
「え、ええ、もう大丈夫ですわ。ありがとうございます」
アイザックの態度にビクビクしてしまう。
そういえばさっき隣の教室の前を通りがかりにチラリと見れば、ヒロインが他の令嬢と楽しそうに笑っていたけれど、あのゲームでは確かヒロインは女友達が一人も出来ないとあったはずだけど·····やっぱりヒロインも生まれ変わりで、ゲームとは違う行動をしていると考えるべきかしら。
昨日あれから細かい所も思い出したのよ。
それで色々考えてしまったわ。
『最愛の恋人、未来の王妃に対して害をなそうとした。拷問をし市中引き回しの上で公開処刑と決めていたのだが、ミーフィアが可哀想だからと止めるんだ。こんな女にまで慈悲をかけるとは本当に優しい。感謝するんだな』
陵辱させる前の悪役令嬢に対して王子様が言ったのよ。
婚約者を奪ったヒロインに感謝出来るわけないよねぇ。
ヒロインは王子様達とあんな事やら致して純潔じゃなくなってるけど、一途に王子様だけ追いかけてた悪役令嬢は処女だったのよ。
それを目の前で複数の男に陵辱されたんだから、そりゃ心も壊れるよ。
処女じゃないから襲わせてもいいとかじゃないけどさ。悪役令嬢のした事やしようとした事は酷いよ。でもさ、だいたい、そこまでやらせたのって、王子様のせいじゃない?
プレイしてた時はヒロイン目線で考えてたから、悪役令嬢酷い最低、非道になってヒロイン守る王子様良い!、だったけど、別目線から見たらヒロインと王子様酷い最低、だわ。
仮にも婚約者だった令嬢を陵辱させて娼館に売り飛ばす、って、非常過ぎない?
ヒロインは未遂で終わるんだよ。
婚約者がいながら、別の女を『最愛の恋人』って呼んでキスして見せたり、不実な男じゃん、不実王子め。
そんな事を考えてムカついていたものだから、思わず睨んじゃったわ。
「なんだ。何か言いたい事でもあるのか?」
私の視線にアイザックが気づいてしまったらしい。
「いえ、何も」
「さっきからジッと睨んでるだろ、何か言いたかったら言え」
「··········少し寝不足なもので」
言いたい事はあるけど、それはプレイしてた中の王子様にであって、"まだ"何もしていないアイザックに言えるわけがない。
グイッと、何故か隣に移動してきたアイザックに引かれて肩に頭を乗せるような体勢になった。
「寝不足なら、着くまで寝てろ」
肩を抱かれて密着するようにアイザックの肩に頭を乗せた私は、パニックになりそうだった。
え?何?どういう事?まだヒロインとの絡みがないから? でも悪役令嬢は、王子様に一度も触れられた事がないっていう描写あったよねぇ。
王子様が悪役令嬢に触れるのは、ヒロインを庇って悪役令嬢を押し退ける時だけだったって。
どうしたらいいの?払い除けるのも違うような気もするし。
パニックになりながらも、確かに実際寝不足だったというのもあって、体温と馬車の揺れが心地よくていつの間にか眠ってしまったようだった。
「··········い、おい、ジュリエッタ、着いたぞ」
揺り起こされて微睡みから覚めると、手を引いて馬車から降ろされ、ふらつく私の腰を抱いたアイザックに連れられて学園に入っていった。
「アイザック殿下とジュリエッタ様、仲がよろしいのねぇ」
「素敵ですわねぇ」
「アイザック殿下お優しいのですわねぇ」
傍から見れば、仲良く寄り添っているように見えるらしく、令嬢達がきゃあきゃあとざわめく。
私は内心真っ青だ。婚約してから大した交流もしていないし、仲は別に悪くはないが良くもない。大体この人は、鬼畜不実王子のアイザックである。学園を卒業する前に私を地獄に突き落とすかもしれないのだ。
まあ、ヒロインを虐めたり破落戸に襲わせるような事をする予定はないけれども。
淑女の仮面を被り微笑みを貼り付けながら廊下を歩くと、教室の入り口のところでアイザックの腕から逃げる。逃げるように体を離した私に
「大人しく席まで連れて行かれろよ。大丈夫なのか?」
「え、ええ、もう大丈夫ですわ。ありがとうございます」
アイザックの態度にビクビクしてしまう。
そういえばさっき隣の教室の前を通りがかりにチラリと見れば、ヒロインが他の令嬢と楽しそうに笑っていたけれど、あのゲームでは確かヒロインは女友達が一人も出来ないとあったはずだけど·····やっぱりヒロインも生まれ変わりで、ゲームとは違う行動をしていると考えるべきかしら。
111
あなたにおすすめの小説
王子様への置き手紙
あおき華
恋愛
フィオナは王太子ジェラルドの婚約者。王宮で暮らしながら王太子妃教育を受けていた。そんなある日、ジェラルドと侯爵家令嬢のマデリーンがキスをする所を目撃してしまう。ショックを受けたフィオナは自ら修道院に行くことを決意し、護衛騎士のエルマーとともに王宮を逃げ出した。置き手紙を読んだ皇太子が追いかけてくるとは思いもせずに⋯⋯
小説家になろうにも掲載しています。
夫が運命の番と出会いました
重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。
だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。
しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?
大きくなったら結婚しようと誓った幼馴染が幸せな家庭を築いていた
黒うさぎ
恋愛
「おおきくなったら、ぼくとけっこんしよう!」
幼い頃にした彼との約束。私は彼に相応しい強く、優しい女性になるために己を鍛え磨きぬいた。そして十六年たったある日。私は約束を果たそうと彼の家を訪れた。だが家の中から姿を現したのは、幼女とその母親らしき女性、そして優しく微笑む彼だった。
小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しています。
(完結)婚約者の勇者に忘れられた王女様――行方不明になった勇者は妻と子供を伴い戻って来た
青空一夏
恋愛
私はジョージア王国の王女でレイラ・ジョージア。護衛騎士のアルフィーは私の憧れの男性だった。彼はローガンナ男爵家の三男で到底私とは結婚できる身分ではない。
それでも私は彼にお嫁さんにしてほしいと告白し勇者になってくれるようにお願いした。勇者は望めば王女とも婚姻できるからだ。
彼は私の為に勇者になり私と婚約。その後、魔物討伐に向かった。
ところが彼は行方不明となりおよそ2年後やっと戻って来た。しかし、彼の横には子供を抱いた見知らぬ女性が立っており・・・・・・
ハッピーエンドではない悲恋になるかもしれません。もやもやエンドの追記あり。ちょっとしたざまぁになっています。
私の旦那様はつまらない男
おきょう
恋愛
私の旦那様であるロバート伯爵は、無口で無愛想な仕事バカ。
家庭を返り見ず仕事に精を出すのみのつまらない男である。
それでも私は伯爵家の妻として今日も面倒な社交の場に出なければならないのだ。
伯爵家の名を落とさないために。あぁ面倒くさい。
※他サイトで投稿したものの改稿版になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる