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扉を開けた奥の部屋、大きなベッドが視界に入って我に返る。
「ちょ!まっ、待って、ここ、ここは寝室じゃありませんの?」
「そうだけど?」
「何故寝室に連れて来られてますの?」
何故?とアイザックは呟きながら首を傾げる。
「何故って、深い交流しようって言っただろ」
「だからっ、交流するのに何故寝室なの!」
「さっきの続き。まだ途中だって言っただろ?」
「···············は?」
私を抱きかかえたままスタスタと歩くアイザックにベッドに降ろされる。
「だから、交流·····」
そう言いながら覆い被さられると再びキスをされて
「さっきの目良かったなぁ。また見せて?」
長い指が制服のリボンを解き、釦を器用に外していく。
「なっ·····待って、ちょっと」
ここまでくれば、アイザックが何をしようとしているのか分かる。
肩に手を突っ張って離そうと藻掻くが、剣技で鍛えているアイザックの体はビクともしない。
釦が外され白いレースの下着が露わになると、手首を掴まれてベッドに縫い止められる。
強く掴まれているわけでもないのに、私の力では振り解けない。
「ここまできて、待てるわけないでしょ」
耳元で囁かれると、フルりと震える。
耳朶に触れたアイザックの唇がゆっくりとなぞるように首筋に下りてくる。
強引でありながら、触れる唇や指先にドキドキと心臓が跳ねる。
身体中にアイザックの指が触れ舌が触れる、優しく解きほぐすように愛撫されて、全身が溶けるように熱く熱を帯びた。
痛みに顔を歪める私を気遣いながらキスを落とし、アイザックに全身を揺さぶられて──────────
気付いた時には、私はアイザックの腕に抱きしめられたままベッドで目を覚ました。
「··········っ!!」
驚き過ぎて声にならない悲鳴をあげそうになる。
モゾモゾと腕の中でたじろぐ気配に気付いたらしいアイザックの目が開かれて見つめられていた。
「··········あ、アイザック様·····これは·····」
挙動不審になっている私
「おはよう、おはようとは違うか。ジュリエッタ、身体は大丈夫?」
下半身のズキズキとした痛みに意識が行く、ただ、痛みよりも恥ずかしさとかいたたまれなさが勝り、手で顔を覆う
「聞かないでくださいませ」
「まあ、今日は動くのは少し辛いだろうけど」
クスクスとアイザックが笑っている。
思わずがバリと飛び付いて
「誰のせいだとっ、──────────分かっているなら聞かないで」
思わず飛び付いてしまったものの、我に返ってクルリと背中を向ける。
今日は?今日? ハッとして辺りを見渡す、部屋が暗い、違う、暗いのは部屋だけじゃなくて外も··········
「ああ、ジュリエッタの侍女に、体調を崩したから今日は王宮に泊まる、と言付けたよ」
私の侍女とは、ターナの事だ。体調を崩したって、今日この部屋に引き摺り込まれた状況で
「ターナは、体調を崩したと、信じていると思いますか?」
恐る恐る聞いてみる。
「さあ?どうかな。何も言わなかったけどね」
そりゃそうでしょうよ。侯爵邸で厳しい侍女教育を受けてるんだから、余計な事は言わないくらい弁えている。
「·····アイザック様は、何故私にこんな事をなさったのでしょうか」
ここでゲームを引き合いに出すのは違うのかもしれないが、王子様は悪役令嬢には一切手を触れなかったし、こんな事をしようとも考えた事はなかっただろう。
「何故? 俺は健全な年頃の男で、近くに魅力的な婚約者がいる。抱きたくなるのは当然だろう?」
「正論だ、みたいに言わないでくれません?」
「正論だと思っているが?」
「婚姻前ですよ?」
「婚約をしている」
破棄するかもしれないのに。
拘ってしまうのはやはり、あの結末を恐れているからなのか。いくら拷問や処刑よりはマシだと思っても、婚約者だった人に陵辱される姿を見られ、その手で売り払われれば傷つくだろうとは思う。
「魅力的だと、思われているのですか?」
「ああ、思っている。それに最近のお前は、とても俺好みだ」
「最近までは、お好みではなかったのですね」
つい余計な部分をつついてしまった。
アイザックはしれっと
「いや、見た目は昔から好みだ。ただ、最近までは綺麗な人形かと思っていた。お前は余り喋らなかったし表情を変える事もしなかったからな」
確かに、婚約した頃には淑女教育が始まっていて、異性の前では余計なお喋りをしてはいけない、表情を見せてはいけないと言われて頑なに守っていたから。
「だからまあ、どうせ政略なんだし余り関わらないようにしようと思ってた。だが学園に入ってからのお前は面白い程表情を変えるし、反抗的ともいえる態度も好ましい。成長したその身体も最高に好みだ」
しまった、思わず素で話をしてしまっていた、でもそれが好みって·····変わった人だ。
それに、確かに私の身体は悪役令嬢に相応しいそれは完璧な身体になっている。手足はスラリと長く細く、胸はバーンと形よく大きくて腰は細い。
「身体目当てですか!?」
「お前、嫌な言い方するな。身体も、って言っただろうが」
そう言いながらもアイザック機嫌良さそうに私の髪を掬い取って弄っている。
腕を回して抱き寄せられるように向きを変えさせられると何度もアイザックは私にキスを落とし、思わず赤面してしまう。
その反応を見てまたクククッと声を出して笑うアイザック。
「こういう初心な反応も中々好みだな。魅力的で俺好みだよ、ジュリエッタ」
耳元で囁かれる。何か、物凄く甘い雰囲気になってるんですけど?
「ちょ!まっ、待って、ここ、ここは寝室じゃありませんの?」
「そうだけど?」
「何故寝室に連れて来られてますの?」
何故?とアイザックは呟きながら首を傾げる。
「何故って、深い交流しようって言っただろ」
「だからっ、交流するのに何故寝室なの!」
「さっきの続き。まだ途中だって言っただろ?」
「···············は?」
私を抱きかかえたままスタスタと歩くアイザックにベッドに降ろされる。
「だから、交流·····」
そう言いながら覆い被さられると再びキスをされて
「さっきの目良かったなぁ。また見せて?」
長い指が制服のリボンを解き、釦を器用に外していく。
「なっ·····待って、ちょっと」
ここまでくれば、アイザックが何をしようとしているのか分かる。
肩に手を突っ張って離そうと藻掻くが、剣技で鍛えているアイザックの体はビクともしない。
釦が外され白いレースの下着が露わになると、手首を掴まれてベッドに縫い止められる。
強く掴まれているわけでもないのに、私の力では振り解けない。
「ここまできて、待てるわけないでしょ」
耳元で囁かれると、フルりと震える。
耳朶に触れたアイザックの唇がゆっくりとなぞるように首筋に下りてくる。
強引でありながら、触れる唇や指先にドキドキと心臓が跳ねる。
身体中にアイザックの指が触れ舌が触れる、優しく解きほぐすように愛撫されて、全身が溶けるように熱く熱を帯びた。
痛みに顔を歪める私を気遣いながらキスを落とし、アイザックに全身を揺さぶられて──────────
気付いた時には、私はアイザックの腕に抱きしめられたままベッドで目を覚ました。
「··········っ!!」
驚き過ぎて声にならない悲鳴をあげそうになる。
モゾモゾと腕の中でたじろぐ気配に気付いたらしいアイザックの目が開かれて見つめられていた。
「··········あ、アイザック様·····これは·····」
挙動不審になっている私
「おはよう、おはようとは違うか。ジュリエッタ、身体は大丈夫?」
下半身のズキズキとした痛みに意識が行く、ただ、痛みよりも恥ずかしさとかいたたまれなさが勝り、手で顔を覆う
「聞かないでくださいませ」
「まあ、今日は動くのは少し辛いだろうけど」
クスクスとアイザックが笑っている。
思わずがバリと飛び付いて
「誰のせいだとっ、──────────分かっているなら聞かないで」
思わず飛び付いてしまったものの、我に返ってクルリと背中を向ける。
今日は?今日? ハッとして辺りを見渡す、部屋が暗い、違う、暗いのは部屋だけじゃなくて外も··········
「ああ、ジュリエッタの侍女に、体調を崩したから今日は王宮に泊まる、と言付けたよ」
私の侍女とは、ターナの事だ。体調を崩したって、今日この部屋に引き摺り込まれた状況で
「ターナは、体調を崩したと、信じていると思いますか?」
恐る恐る聞いてみる。
「さあ?どうかな。何も言わなかったけどね」
そりゃそうでしょうよ。侯爵邸で厳しい侍女教育を受けてるんだから、余計な事は言わないくらい弁えている。
「·····アイザック様は、何故私にこんな事をなさったのでしょうか」
ここでゲームを引き合いに出すのは違うのかもしれないが、王子様は悪役令嬢には一切手を触れなかったし、こんな事をしようとも考えた事はなかっただろう。
「何故? 俺は健全な年頃の男で、近くに魅力的な婚約者がいる。抱きたくなるのは当然だろう?」
「正論だ、みたいに言わないでくれません?」
「正論だと思っているが?」
「婚姻前ですよ?」
「婚約をしている」
破棄するかもしれないのに。
拘ってしまうのはやはり、あの結末を恐れているからなのか。いくら拷問や処刑よりはマシだと思っても、婚約者だった人に陵辱される姿を見られ、その手で売り払われれば傷つくだろうとは思う。
「魅力的だと、思われているのですか?」
「ああ、思っている。それに最近のお前は、とても俺好みだ」
「最近までは、お好みではなかったのですね」
つい余計な部分をつついてしまった。
アイザックはしれっと
「いや、見た目は昔から好みだ。ただ、最近までは綺麗な人形かと思っていた。お前は余り喋らなかったし表情を変える事もしなかったからな」
確かに、婚約した頃には淑女教育が始まっていて、異性の前では余計なお喋りをしてはいけない、表情を見せてはいけないと言われて頑なに守っていたから。
「だからまあ、どうせ政略なんだし余り関わらないようにしようと思ってた。だが学園に入ってからのお前は面白い程表情を変えるし、反抗的ともいえる態度も好ましい。成長したその身体も最高に好みだ」
しまった、思わず素で話をしてしまっていた、でもそれが好みって·····変わった人だ。
それに、確かに私の身体は悪役令嬢に相応しいそれは完璧な身体になっている。手足はスラリと長く細く、胸はバーンと形よく大きくて腰は細い。
「身体目当てですか!?」
「お前、嫌な言い方するな。身体も、って言っただろうが」
そう言いながらもアイザック機嫌良さそうに私の髪を掬い取って弄っている。
腕を回して抱き寄せられるように向きを変えさせられると何度もアイザックは私にキスを落とし、思わず赤面してしまう。
その反応を見てまたクククッと声を出して笑うアイザック。
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