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あれから週に一度は王宮に連れ込まれたり、アイザックが侯爵邸に来たりしている。
しかも、アイザックが侯爵邸に来る日は毎回泊まって帰る、私の、部屋に。両親公認でよ?
学園でもヒロインはクラスの友人達と楽しそうにしていて、やっぱりアイザック達攻略対象者と絡んでいる様子が全くない。
もう私も、ゲームに拘るのはやめた方がいいのかな。私が意志を持って生きてるように、皆キャラじゃないんだよね。キャラだと思って人を見るなんて失礼だよね。
うん、もうゲームと比較するのは止めよう。
でも、それを置いてもこの世界、というかこの国、緩過ぎるのよ!
「なあ、寮に入ろうか」
ベッドに入っていたアイザックが唐突に言い出した。
「はあ?寮に入る程の距離じゃないでしょう」
「一々王宮と侯爵邸行き来するの面倒だろ」
「別に面倒でもないし、それと寮に入る事と、何の関係もないじゃないですか」
アイザックが私の顔を驚愕の目で見ている
「お前·····知らないのか?」
「何をですか。寮があるのは知ってますわよ?遠方の学生が皆入ってますものね?」
そうじゃない、と教えられた内容に、今度は私の方が驚愕の表情を浮かべる。
学園から近くの生徒達も寮に入っている者は多く、それだけなら別に驚く事でもないが、驚くのは、婚約者や恋人、他にも異性の生徒同士が出入りしているという事だ。
学園の敷地内にあって、高位貴族、下位貴族、平民と、男女も別れているが、出入りは自由にしているのだという。
ゲームとの比較は止めると言ったが、まさか、ゲームの中でヒロインと王子様や側近候補達と致していたのも寮だったのだろうか。
じゃなくて!
「セキュリティはどうなっているんですか!」
「セキュリティは万全だが。厳重に警備されている。貴族の子息子女も沢山いるからな」
「それで出入り自由?」
「学園の生徒だから身元はしっかりしているからな」
「そんな問題じゃなくありません!?王族が入っていて出入り自由とかありませんよね?」
「兄上も入っていたし、普通に出入り出来るが?」
頭を抱えそうになる。王太子殿下の部屋に、異性が入り放題だったっていう事!?
「出入り自由じゃなきゃ、俺も入らねえよ」
「···············ご自由にどうぞ」
「お前もじゃねぇと意味ないだろうが」
「私は·····ほら、お父様とお母様が反対するでしょうし、学園と屋敷も近いですしね。では、この話は終わりです。寝ます」
「お前」
「寝ます!」
強制的に話を打ち切って目を閉じる。
アイザックも仕方なさそうに私を抱きしめて寝始めた。
別に毎回、寝る時に抱きしめなくてもいいんですよ?
翌朝、着替えをして朝食に行くと、先に降りていたアイザックが私の家族と和やかに談笑していた。
「おはようございます。お父様お母様お兄様お義姉様」
「おはよう、ジュリエッタ。アイザック殿下から聞いたよ」
一番初めに口を開いたお父様から不穏な言葉が飛び出した。
「な··········何を聞いたのでしょうか」
「アイザック殿下とジュリエッタが寮に入ると言う話しよ」
お母様がニコニコしている。
私はあんぐりと口を開きそうになってアイザックの方にグリンと顔を向けた。
「お父様とお母様は、反対ですよね?反対しますよねぇ!?」
「いや、良いと思うぞ。空きはあるようだから早速学園に申請しておくよ」
そう言って両親は、私達も入っていたねぇ。懐かしいわねぇ、などと楽しそうに話始めた。
「··········お兄様は」
「私も寮に入っていただろう?」
そう言えばお兄様も学園の頃は家を出て寮に入っていましたわ。
お義姉様も一緒に思い出話を懐かしんでいますわね··········
クールな顔をしてお兄様もあんな事やこんな事をしていましたのね··········
「家族の許可も出た事だし、来週には寮に入る準備をしようか、ジュリエッタ」
アイザックがニヤリと私に笑みを向けた。
アイザックの手回しの良さに頭がくらくらしてきた。
私の貞操が···············いや、それはもう遅いか·····
寮には専属侍女のターナだけを連れて行く事になり、張り切った執事や使用人達によって早速荷物が纏められていた。
しかも、アイザックが侯爵邸に来る日は毎回泊まって帰る、私の、部屋に。両親公認でよ?
学園でもヒロインはクラスの友人達と楽しそうにしていて、やっぱりアイザック達攻略対象者と絡んでいる様子が全くない。
もう私も、ゲームに拘るのはやめた方がいいのかな。私が意志を持って生きてるように、皆キャラじゃないんだよね。キャラだと思って人を見るなんて失礼だよね。
うん、もうゲームと比較するのは止めよう。
でも、それを置いてもこの世界、というかこの国、緩過ぎるのよ!
「なあ、寮に入ろうか」
ベッドに入っていたアイザックが唐突に言い出した。
「はあ?寮に入る程の距離じゃないでしょう」
「一々王宮と侯爵邸行き来するの面倒だろ」
「別に面倒でもないし、それと寮に入る事と、何の関係もないじゃないですか」
アイザックが私の顔を驚愕の目で見ている
「お前·····知らないのか?」
「何をですか。寮があるのは知ってますわよ?遠方の学生が皆入ってますものね?」
そうじゃない、と教えられた内容に、今度は私の方が驚愕の表情を浮かべる。
学園から近くの生徒達も寮に入っている者は多く、それだけなら別に驚く事でもないが、驚くのは、婚約者や恋人、他にも異性の生徒同士が出入りしているという事だ。
学園の敷地内にあって、高位貴族、下位貴族、平民と、男女も別れているが、出入りは自由にしているのだという。
ゲームとの比較は止めると言ったが、まさか、ゲームの中でヒロインと王子様や側近候補達と致していたのも寮だったのだろうか。
じゃなくて!
「セキュリティはどうなっているんですか!」
「セキュリティは万全だが。厳重に警備されている。貴族の子息子女も沢山いるからな」
「それで出入り自由?」
「学園の生徒だから身元はしっかりしているからな」
「そんな問題じゃなくありません!?王族が入っていて出入り自由とかありませんよね?」
「兄上も入っていたし、普通に出入り出来るが?」
頭を抱えそうになる。王太子殿下の部屋に、異性が入り放題だったっていう事!?
「出入り自由じゃなきゃ、俺も入らねえよ」
「···············ご自由にどうぞ」
「お前もじゃねぇと意味ないだろうが」
「私は·····ほら、お父様とお母様が反対するでしょうし、学園と屋敷も近いですしね。では、この話は終わりです。寝ます」
「お前」
「寝ます!」
強制的に話を打ち切って目を閉じる。
アイザックも仕方なさそうに私を抱きしめて寝始めた。
別に毎回、寝る時に抱きしめなくてもいいんですよ?
翌朝、着替えをして朝食に行くと、先に降りていたアイザックが私の家族と和やかに談笑していた。
「おはようございます。お父様お母様お兄様お義姉様」
「おはよう、ジュリエッタ。アイザック殿下から聞いたよ」
一番初めに口を開いたお父様から不穏な言葉が飛び出した。
「な··········何を聞いたのでしょうか」
「アイザック殿下とジュリエッタが寮に入ると言う話しよ」
お母様がニコニコしている。
私はあんぐりと口を開きそうになってアイザックの方にグリンと顔を向けた。
「お父様とお母様は、反対ですよね?反対しますよねぇ!?」
「いや、良いと思うぞ。空きはあるようだから早速学園に申請しておくよ」
そう言って両親は、私達も入っていたねぇ。懐かしいわねぇ、などと楽しそうに話始めた。
「··········お兄様は」
「私も寮に入っていただろう?」
そう言えばお兄様も学園の頃は家を出て寮に入っていましたわ。
お義姉様も一緒に思い出話を懐かしんでいますわね··········
クールな顔をしてお兄様もあんな事やこんな事をしていましたのね··········
「家族の許可も出た事だし、来週には寮に入る準備をしようか、ジュリエッタ」
アイザックがニヤリと私に笑みを向けた。
アイザックの手回しの良さに頭がくらくらしてきた。
私の貞操が···············いや、それはもう遅いか·····
寮には専属侍女のターナだけを連れて行く事になり、張り切った執事や使用人達によって早速荷物が纏められていた。
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