【 異世界転生】✝アントゥプルネゥア✝ 〜神々の鎮魂花〜

杏忍 東風

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賢者の勾玉①

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「姫様、何か島の端に近づいてくる模様です」

執事がそう言うので、目を凝らしてみると、鳥のような生物ひとつと人間が一匹、瓦礫の山の奥から近づいてくるのが、わたしには見えた。

「執事、何あれ?」

わたしが振り返り執事にそう聞くと、

「それはわかりません」

そう答えた。

そっかぁ・・・って、わからないって答えになってないじゃない!

わたしの心の声が聞こえたのか、聞こえていないのかわからならかったが、執事は無表情に双眼鏡を眺めたままだった。

「わからないんじゃ仕方がないわね。それにしても、わたくしの言葉が通じてるのかしら?」

そうわたしがつぶやくと執事は、

「それはわかりません」

と、答えた。

いや、だから、わからないって答えになってない!って言っているでしょ!

思わず、心の声が口から出そうになったが、必死に心の声を押し殺した。

「姫様、もう少しで島の岸に到着します。もう少し速度を抑えていたいたほうがいいかと」

そう言われたので、前を向くと、もう島の渡船場は目の前だった。

島の海岸沿いには船が泊まりやすいように、橋桁が島の先の渡船所から伸びていて、その停泊用の橋桁が、振り返ったわたしの目のすぐ前に存在していた。

ズッゴーン!!

煙を立てて渡船場に突っ込んだ船は、そのままの勢いでひっくり返り、わたしたちは大空へと羽ばたいた。

わたしもその時が、空を飛ぶのは初めてだった。

どうしようかしら・・・落ちたら痛そう。

そんなことを考えていると、先に着地した執事がわたしをお姫様抱っこで受け止めたのだ。

その時ばかりは・・・一瞬、執事に惚れるかとおもったわ!

そう心の声が聞こえたのか、聞こえていないのかわからないが、執事は無表情なまま、ゆっくりとわたしを島の砂浜の砂の上に脚先から降ろしてくれた。

えぇ、もう少し抱っこしてくれててもいいのに。

執事に、わたしの心の声が聞こえているか、聞こえていないのかは今でも不明なままだ。

その時、わたくし特製巫術式制御の魔法艇は船尾部分を地面に叩きつけながら、砂浜の上をピチピチと元気よく跳ね回っていた。





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