インキュバス

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たべちゃったっ!

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「だったら……そうさせてもらうよ。」

「ふふっ、いいよ、お兄ちゃん……」

「………………」
 笑顔で答えるリルに比して、刀麻先輩は、きょとんとしている。


 刀麻先輩の愛液にぬれたままの指を、リルの秘所に触れさせる。

「きゃふっ!
 ふぁっ!」
 リルのそこはすでに、刀麻先輩よりも熱く潤っていた。


「あは、思ったより上手……」
 やわらかい感触と、全体的に刀麻先輩より一回りつくりの小さいそこに、指が沈んでいく。

「んく……いいよ、そのまま、ちょっと指、まげて……
 ふああんっ!
 そう、そうだよ……ん……」
 刀麻先輩のそれよりずっと直接的な反応に、こちらの動きもだんだん激しくなっていく。
 指を進めるほどに、熱くぬかるんだそこが僕の指を締め付けていく。


「い、痛くないのか?」

「うん……?
 ふふっ、大丈夫だよ、お兄ちゃん。
 そんなに怖がらなくても、女の子のソコはもっと大きい、お兄ちゃんのアレが入るようになってるんだから。」


「う……うん……」
 リルの直截的な言いように、こっちの方が照れてしまう。

「だから、もっと、激しくしても……
 あ、でも爪は立てちゃ駄目だよ、そう……」


「あ、あなたたちは兄妹……なの?」
 刀麻先輩

「ん?
 ……うん、そうだよ。悪魔の兄妹、ううん、それとも、アタシがお姉ちゃんかな……
 ふふっ……」


「そんな……そんなの間違ってるわ……」

「どうして?
 いいじゃない、気持ちよかったら。
 あなたもだって、ホントはわかってるんでしょ?」

「そんなわけ……」


「ね、お兄ちゃん、そろそろ……」


「う、うん……」
 最初っからすっかり準備がととのっていたソレをリルのアソコに押し付けようとする。


「あ……」
 その様子に刀麻先輩の方が声をあげる。


「い、いくぞ……」

「うふ……どうぞ、お兄ちゃん……」


「ん……く……っ……」

「くぅんっ……んっ、はぁぁぁぁ……」
 暖かい感触と一緒にリルの吐息が漏れる。

「あ……」
 初めて感じる女の子の中……
 熱く濡れた感触と、やわらかく自分を締め付けている感触だけで、すぐに出してしまいそうになる。

「ハァ……ん、どう、お兄ちゃん。
 リルの中、気持ちいい……?」

「ああ……リルの中……すごく気持ちいい……」

「あは、あたしも、お兄ちゃんが入ってきて、気持ちいいよぉ?」


「あ、う……」


「ふふ……ん……羨ましい?
 だったら、ちゃんと、言わないとダメなんだから。」


「そ……そんなわけ……」
 一瞬だけ、戸惑ったみたいな、刀麻先輩の表情。


「んんっ、あ、ねえ、動いて、おにいちゃん
 あたしの中、おにいちゃんでいっぱいにして?」


「……っ!」
 リルが腰を動かして、俺を責めたてていく。
 刀麻先輩の体の上で、リルの体が震えるように踊る。


「そんなに……気持ちよさそうに……」


「うらやましい?
 うらやましいよね?
 でも、ちょっと我慢してね。
 まずはアタシからだから。」


「あ……」
 刀麻先輩はとり憑かれたみたいに僕のモノを受け入れていくリルの姿を見つめていた。


 そして……

「んんっ!
 くぅんっ!
 はぁっ!
 あ、あんっ!」

 そのままゆするようにしてリルの中を往復していく。

 刀麻先輩がかすんだ目で俺とリルとが交わっているところを見ている。
 ざらざらしたリルの中の感触が絶え間なく俺を刺激して、どんどん快感を搾り出そうとしている。
 自分からも体をゆすって、リルがねだる。
 下になっている刀麻先輩の顔も少しづつ上気していっている。

 いやらしく、俺の生気を求めている感触と目の前の女の子の体躯がひどくアンバランスで、それが余計に興奮を呼んでしまう。


「ちょ、ちょっと、待った……っ!」

「んんっ! あ、ああっ!」
 こっちの静止の言葉を無視して、リルが体を動かしていく。
 嬉しそうな笑みは、でもその奥にぞくっとするようなエッチ……というより淫靡なものを感じてしまう。


 それに誘われるように……


「んはっ! ふあっ! あんっ! 久しぶり……
 あたま、変になっちゃいそうな感じ……
 あは、あはははは……」
 とろけた笑みを浮かべながらさらに激しく体をゆする。
 吐き出してしまいそうな快感がつまった先端が、リルの中にこすりつけられる。

 それは、割れそうな風船を爪で引っかくような感覚に似ていて……

「くっ……もう……出そうに……」

「んっ……もう、お兄ちゃん、イッちゃいそうなんだ?
 アタシの中に出しちゃうそうなんだ?」
 少しだけ揶揄するような、リルの声。


「あ……」
 それに、刀麻先輩のさびしそうな声が重なる。

「いいよ、お兄ちゃんの欲しい、あたしも……もう……」
 余裕なのか強がりなのか、それとも優越感なのか、リルが汗ばんだ顔でニッと笑う。
 それについて考える間もなく、僕の体は勝手に快感を求めて、リルの体の中で暴れ始める。

「あっ! ああんっ! はぁっ! いっぱいだよ、あたしの中、お兄ちゃんでいっばい……」

「くっ……もう、もう出る……っ……!」


「うん……うん、あたしも、あたしもぉっ!」

「……っ!」

「ふぁぁぁぁんっ!」
 リルの中に吐き出すと同時にリルの全身もびくびくと震えた。
 しゃっくりをあげるように、リルの中に出していくたびに、包み込んでいるリルもぴくんぴくんと震えて、絞り上げていく。

「あは……ん……どんどん……飲み込んじゃってるの、わかる……」
 うっとりといいながら、リルが刀麻先輩の体へと倒れ込んでいく。

「はあ……あ……こんな……すごい……」
 呆然と僕とリルを見上げながら、刀麻先輩がつぶやく。


「んっ……ふぅ……ハァ……」
 気だるそうにリルが体を起こして、そんな刀麻先輩を見つめて……


「ふふっ……お待たせ、次はあなたの番よ。」
 そう、つぶやいた。


「え……」
 さっと、おびえた表示になる刀麻先輩。

「さあ……お兄ちゃん……」

「あ、ああ……」
 リルに促されるまま、刀麻先輩の足の間に体を入れていき……

「あ、ああ……あ……っ!?」
 刀麻先輩のアソコに自分のモノを押し当てて、そのまま押し込んでいく。

「くっ……」
 きりきりと締め付けるような感触が、僕という異物を拒絶しているのを感じる。

「う……あぁ……はいって……きちゃう……っ!」

 十分ぬれているせいもあるんだろうが、予想よりもスムーズに、僕のモノが刀麻先輩の中へともぐりこんでいく。


「あ、あああああああああっ!」

 刀麻先輩の悲痛な声と同時に、一気にモノがもぐりこんでいく。


「ん……んんっ……」

 痛みに耐えているのか、刀麻先輩の体は紅潮したまま、小刻みに震えている。
こちらにも引き連れるような痛みがあって、それ以上の痛みを刀麻先輩が感じているのかと思うと、少しだけためらってしまう。


 ……ためらってる場合じゃないか。


 一瞬浮かんだ良心の呵責を振り捨てる。


「さあ、お兄ちゃん、動いてあげないと。」

 そんな僕の逡巡をあざけるように、リルが言う。
 だけど、僕だってそれに逆らうつもりはなかった。


「あ、ああ……」
 僕の動きにあわせて、刀麻先輩の中がうにうにと動く。



  ・・・・・・で

「え……?
 んくっ……!」

とうとう決壊した快感に、僕は……

「んあっ!
 きゃっ!
 あ……んんっ!!」
 きゅっ、刀麻先輩の膣に絡め取られたまま、積みあがった快感が爆発する。

「あ……はぁ……あ……
 こんな……」

はぁはぁと荒い息を吐く刀麻先輩の視線が、僕とリルとに向けられる。

「ふふ、あなた、筋がいいわ。
 お兄ちゃんがもうちょっと頑張ったら、イけたかも知れないのにね?」


「んっ……う……あ……」
 からかうように、リルが刀麻先輩へと、言葉を振り掛ける。

 そんな二人の様子に、罪悪感を感じながらも、これは、夢の中のことなんだからと納得させる。
 大体、やらなきゃ僕が死んでるところだったんだし。

 それも、リルの事を信じればなんだけどさ……


「それじゃ、そろそろ行きましょうか、お兄ちゃん?」


「え? あ、ああ……」
とりとめのないことを考えていたら、不意にリルが声をかけてきた。

「ふふっ、それじゃあね、縁があったら、また会いましょ?」
そう、リルが話しかけるのと同時に……

「あ、あれ……?」

「お疲れ様、お兄ちゃん。」

「リル……?」


「初めて夢の中に入ったにしては、上出来だったわよ。」

「夢の中……あれが……」

 分かってはいても、改めてこうして現実に戻ってくると、妙な感じがしてしまう。
 さっきまで感じていた、刀麻先輩のやわらかさ、体温、においまでが、まだ残っているような気がしてしまう。


「………………」


「ふふっ、これからも二人で、色々と楽しめそう。
 ね?
 お兄ちゃん。」


「それは……」

 無邪気に、でもどこか毒を感じさせる笑みを浮かべるリルに、言葉を返そうとした所で……

「あ、あれ……?」

不意にリルが戸惑った声をあげて……

「そんな……」

「く……っ……!?」

「ど、どうしたんだ……?」

「銀の鍵……完全じゃなかったの?」

「銀の鍵って……」

その言葉に刀麻先輩の家で見たあの変な鍵の事を思い出す。


「お兄ちゃんが、ここにあったっていう鍵……
 かけらのひとつだったみたいね……」


「え……?
 いや、変な形だったけど、別にどこかがかけてたりなんて……」


「そうじゃないの。」

億劫そうに、だけどきっぱりとリルが言う。


「お兄ちゃんがワタシをあの牢獄から出すのに使ってくれた、あの銀の鍵は、まだ影にすぎなかったって事……」


「影……?」


「そう。完全に扉を開けることのできる、銀の鍵の影。
 不完全にしか開かなかった鍵では、ワタシの力も不完全にしか戻らなかった。」


「不完全って……どこか体の具合でも……?」

 見たところ、さっきの姿から、今の普通の女の子らしい姿に戻ったとき以外、調子の悪そうな様子はない。

「そうね、しばらく夢に入る事はできないくらい。」


「しばらくって……その間、リルはその……
 生気が吸えないんじゃあ……」


「お兄ちゃんみたいな新米インキュバスじゃあるまいし、ワタシはあと何年間かは大丈夫。」


「そ、そっか……」

それだったら、まあ、とりあえずは安心か。

「なんとかして、鍵を集めないと……」

「鍵を集める?」


「そう、散らばっているはずの、銀の鍵のカケラを集めて、扉を完全に開けば、ワタシの力も元に戻るの。」

「リルの力って……また他人の夢に入れるようになるってこと?」


「それもあるけど。他にも色々とね?」


「ふうん……」

「なに人事みたいな声出してるの?
 お兄ちゃん。」



「……え?」

 だって、人事だし……

 とは思っても言わない程度の分別はある。
 それでなくても、僕とリルは、すでに共犯者程度の関係ではあるんだろうし。


 なんて考えていると……


「もちろん手伝ってくれるんでしょ?
 お・に・い・ちゃ・ん?」

 それこそ共犯者の笑みを浮かべながら、リルは言った。

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