最弱種族の最強戦記

平山

文字の大きさ
1 / 5

最悪の始まり 1

しおりを挟む
王都メガルキアの郊外に広がっている森にて、

「……くるぞ!作戦通りに行こう」

スズムは木の上から仲間に向かって言いつつ、ライフル猟銃のスコープを覗きいつでも撃てるようにした。

「了解……!」と隣の木からチトセから返事が帰ってきた、チトセは矢をつがえている。
チトセは女性ながらもかなり度胸が座っている。

地上ではユウキが無言で大剣を両手持ちで構えている。

ユウキの隣でミオがサップの着け心地を確かめつつ構えている。


十メートルほど先から「ブォォォオ……!」と鳴き声が聞こえてくる。今回標的にしている猪の声だ、猪と言っても体長6mのフォウボと言う、巨大猪だ。

鳴き声がもう一度聞こえると共に四人に緊張が走る。

5m、4m、3mとフォウボが作戦開始距離まで近ずいてくる。

2m、1m、作戦開始、と言っても作戦っぽいものだ。

まずスズムが銃弾をチトセが矢を放ち、それが両目に当たった。
フォウボの突進のスピードが少し下がったところに、
震打ショック!」、ミオの強烈なパンチで怯ませ、とどめはユウキの縦切りで相手の脳天を切り裂く。

フォウボは倒れてもがいた後、動かなくなった。

その後、フォウボから皮などを剥ぎ取り、帰ることにした時、「ぉお……!」と言うユウキの驚く声と共に、剣と剣がぶつかり合う音がして後ろをむくと、二刀流の武士のような装備を着た男とユウキがバインド状態になっている。

スズムは急いで猟銃を鞄に直し、ダガーをケースから取り出し、ユウキと交替スイッチしようとしたが武士の用な男の仲間に阻まれた。ミオもスズムと同じ状態になっている。チトセは木の上で矢をつがえている。

スズムは相手の剣を受け流し、後ろに回って足払いを仕掛けた、相手は転倒し、頭を強く打ち気絶した。
ユウキにスズムが「交替スイッチ!」と言うとユウキは武士のような男の剣を跳ね返すと後ろに下がった。それと同時にスズムが武士の用な男に斬りかかる。武士のような男がスズムが振りかかったダガーを刀で受け止めた、二人とも後ろに下がった。

「久しぶりだなぁ」と武士の男が喋りかけてきた、その声にスズムは息が詰まった。

「ヨシズミさん?!王都軍じゃ!?」

「国共軍に寝返っただけの事だ」

そこには元メガルキア王都軍最強の兵士、ヨシズミが国共軍としてスズムの目の前に立っている。

ここからだ。時間が加速しだした様に思えるようになったのは。

                                 †

「そろそろ,やるか?」

「今回は俺たちも参加しようぜ?」

「そろそろ下の奴らを見るのも飽きて来たしいい加減あいつら上に還そうぜ?」

「じゃあ僕らの下界の者オモチャはこれから天獄の物になっちゃうよ?」

「いいだろそれぐらいどうせ全部僕らの物になります」

そう言って少し考えた後、

「僕に考えがある、今回はこいつらを好きなだけ動かさしてやろうよ」

「でもそいつらが動きまくったら他の連中が潰しにかかるだろ?」

「まぁいいんじゃ無い?僕らが負けるわけじゃ無いし」

「お前がそう言うんだったら構わねーよ」

「ありがとう、28.5CodeD29.36戦争,加速のオプション付きで」

神様は神の特権を使って発動させた……

「種族大戦の幕開けだよ、がんばってね殺戮の天獄さん」

神様は空から森で武士と睨み合っている子供を見つめていた。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

魅了の対価

しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。 彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。 ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。 アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。 淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。

他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!

七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

傍観している方が面白いのになぁ。

志位斗 茂家波
ファンタジー
「エデワール・ミッシャ令嬢!貴方にはさまざな罪があり、この場での婚約破棄と国外追放を言い渡す!」 とある夜会の中で引き起こされた婚約破棄。 その彼らの様子はまるで…… 「茶番というか、喜劇ですね兄さま」 「うん、周囲が皆呆れたような目で見ているからな」  思わず漏らしたその感想は、周囲も一致しているようであった。 これは、そんな馬鹿馬鹿しい婚約破棄現場での、傍観者的な立場で見ていた者たちの語りである。 「帰らずの森のある騒動記」という連載作品に乗っている兄妹でもあります。

その国が滅びたのは

志位斗 茂家波
ファンタジー
3年前、ある事件が起こるその時まで、その国は栄えていた。 だがしかし、その事件以降あっという間に落ちぶれたが、一体どういうことなのだろうか? それは、考え無しの婚約破棄によるものであったそうだ。 息抜き用婚約破棄物。全6話+オマケの予定。 作者の「帰らずの森のある騒動記」という連載作品に乗っている兄妹が登場。というか、これをそっちの乗せたほうが良いんじゃないかと思い中。 誤字脱字があるかもしれません。ないように頑張ってますが、御指摘や改良点があれば受け付けます。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

義妹がピンク色の髪をしています

ゆーぞー
ファンタジー
彼女を見て思い出した。私には前世の記憶がある。そしてピンク色の髪の少女が妹としてやって来た。ヤバい、うちは男爵。でも貧乏だから王族も通うような学校には行けないよね。

処理中です...