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「そういえば、うちの坊ちゃんとはあれからなにかあったか聞いていい?」



「あ、えっと、特にないです。

あの日から会ってないですし、きっと私が勘違いだって言ったら自分でも腑に落ちたんじゃないでしょうか。

それに私と大惺じゃ不釣り合いです。

結婚相手は家が決めるんでしょうし、どの道大惺と私は上手くいくはずないんです。」






「賀子ちゃんはそれでいいの?」




「大惺を好きな時も正直ありました。

でもそれはもう過去の話です。


今は私、私も圭悟さんのこと、素敵だなって思ってますし」




「ほんと?」



隣あって歩いているから顔は見れないけど、斜め上から覗かれてる気がする。




「冗談でこんなこと言いません。」




「じゃあさ、デートの終わりにキスしよっか。」




「えっ?」




驚いて斜め上を見上げると、




「頬っぺでもいいからさ」



圭悟さんはとても優しい顔をしていた。





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