27 / 59
お嬢様 愚痴を聞く 4 イーゼスside
しおりを挟む
最後は執務室に乗り込んできた。
監督生の人達は執務室で日々書類等の作業に取り組んでいる。
俺も執務室で作業をしているのだが、みんな静かに作業をしているので、ちょっとした癒しになっている。
言っておくが基本、一般の生徒は入室禁止。
用がある場合は名前と用件を言えば入れる。
「ちょっ・・・まっ・・・さい」
「どいて・・・この・・・・の」
(外が騒がしいな・・・。)
今さっき生徒からの申請書を終わらせて休憩をいれようと思ったのに。
他のメンバーも外の騒ぎに気付いたのか、チラチラと顔を向けている。
「すまないが、誰か確認をしてくれないか?」
「そうですね・・・ちょっと確認をして・・・」
バンッーーー
「イーゼス様!どうしてですか!」
(((また、このクレーマーか・・・。)))
執務室にいる監督生全員がそう思った。
実は、マリアが執務室に来るのは初めてではない。
ほぼ毎日と言っていいほど執務室にやって来ては文句を言ってくる。
アメリアに相談をしたら「凄いクレーマーね。」と呟いていたので、監督生の中では隠語としてクレーマー=マリアで使っている。
「マリアさん。何度も言っていますが、この部屋に入室する場合、先ず名前と用件を言って下さい。」
「何故、この申請が通らないのですか!理由を教えて下さい!」
そういいながら、バンッと目の前で出されたのは、俺が却下をした申請書だ。
「理由も教えて下さいと言っても申請書を返したときに伝えましたよね。」
「必要がないと一言、言われただけです。納得がいきません!」
「本当に必要がないからです。」
マリアが申請してくる物は、必要がないというよりも簡単に言ってしまえば、余計なことをしていると行った方が正しい。
以前、『王都に住む貧しい人達の為に、学園で炊き出しをするべきだ』との理由で彼女からの申請書を確認したら、金額がとんでもないことになっていた。
食材は高級な店に出てきそうな食材と料理人は店のシェフ。
それは金額が高くなるはずだ。
予算が無理という理由で却下をした。
他にも、『教会にいる子供達にお菓子や玩具を配りませんか?』とか、言っていることは素晴らしいことであるが、内容があまりにも酷い為、申請が通ったことがない。
しかも毎回、必ず俺に抗議をしてくるのだ。
「いいですか?何度も言いますが、慈善活動のパーティーなんて必要がありません。」
「慈善活動ですよ。決して私利私欲ではないのに、人の為になることではありませんか?」
「人脈の多い方でしたら分かりますが、貴女は入学したばかりの学生ですよね?もし、パーティーをやっても不利益になるだけです。」
「ひ・・ひどぃです・・イーゼス様。」
「すみませんが、まだ作業がありますので退室をお願いします。」
俺がそう言うと、マリアは無言のまま執務室を退室した。
対応するだけなのに、一気に疲れが来たような気持ちになってしまった。
監督生の人達は執務室で日々書類等の作業に取り組んでいる。
俺も執務室で作業をしているのだが、みんな静かに作業をしているので、ちょっとした癒しになっている。
言っておくが基本、一般の生徒は入室禁止。
用がある場合は名前と用件を言えば入れる。
「ちょっ・・・まっ・・・さい」
「どいて・・・この・・・・の」
(外が騒がしいな・・・。)
今さっき生徒からの申請書を終わらせて休憩をいれようと思ったのに。
他のメンバーも外の騒ぎに気付いたのか、チラチラと顔を向けている。
「すまないが、誰か確認をしてくれないか?」
「そうですね・・・ちょっと確認をして・・・」
バンッーーー
「イーゼス様!どうしてですか!」
(((また、このクレーマーか・・・。)))
執務室にいる監督生全員がそう思った。
実は、マリアが執務室に来るのは初めてではない。
ほぼ毎日と言っていいほど執務室にやって来ては文句を言ってくる。
アメリアに相談をしたら「凄いクレーマーね。」と呟いていたので、監督生の中では隠語としてクレーマー=マリアで使っている。
「マリアさん。何度も言っていますが、この部屋に入室する場合、先ず名前と用件を言って下さい。」
「何故、この申請が通らないのですか!理由を教えて下さい!」
そういいながら、バンッと目の前で出されたのは、俺が却下をした申請書だ。
「理由も教えて下さいと言っても申請書を返したときに伝えましたよね。」
「必要がないと一言、言われただけです。納得がいきません!」
「本当に必要がないからです。」
マリアが申請してくる物は、必要がないというよりも簡単に言ってしまえば、余計なことをしていると行った方が正しい。
以前、『王都に住む貧しい人達の為に、学園で炊き出しをするべきだ』との理由で彼女からの申請書を確認したら、金額がとんでもないことになっていた。
食材は高級な店に出てきそうな食材と料理人は店のシェフ。
それは金額が高くなるはずだ。
予算が無理という理由で却下をした。
他にも、『教会にいる子供達にお菓子や玩具を配りませんか?』とか、言っていることは素晴らしいことであるが、内容があまりにも酷い為、申請が通ったことがない。
しかも毎回、必ず俺に抗議をしてくるのだ。
「いいですか?何度も言いますが、慈善活動のパーティーなんて必要がありません。」
「慈善活動ですよ。決して私利私欲ではないのに、人の為になることではありませんか?」
「人脈の多い方でしたら分かりますが、貴女は入学したばかりの学生ですよね?もし、パーティーをやっても不利益になるだけです。」
「ひ・・ひどぃです・・イーゼス様。」
「すみませんが、まだ作業がありますので退室をお願いします。」
俺がそう言うと、マリアは無言のまま執務室を退室した。
対応するだけなのに、一気に疲れが来たような気持ちになってしまった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる