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お嬢様 討伐する 5
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ピイイィィーーー
甲高い音が鳴り響いた。
盗賊達はこの音にこの場には似つかわしくない音だと感じた。
(なんだこの音は・・・。)
風の音か・・・いや違う。
鳥の鳴き声か・・・それにしては、よく響く。
きっと、風が強いからよく響いたのだろう。
盗賊達は誰もがそう思った。
(来たな!!)
「盗賊達を捕縛せよ!」
イーゼスはアメリアからの合図を聞き、地面に刺してあった剣を振り上げ、盗賊達に向けて叫んだ。
そして、それと同時に森に潜んでいたロンの部隊が勢いよく出てくる。
「なっっなんだ!!こりゃあ!!」
盗賊達を取り囲んでいる左右から同時に大きな布のようなものを被せると一気に火が鎮火した。
「なんで、火が急に・・・。」
「おいっ!そんなことより・・・。」
「そこまでだ。おとなしくしろ。」
盗賊のリーダーの顔の前に槍の穂先がキラリと光る。
他の手下達をみたが全員、槍を突き付けられ何も出来ずにいた。
「こんな小僧にやられるとはな・・・俺も落ちたものだ。」
今まで捕らえる事が出来なかった盗賊達を、こうもあっさりと捕らえてしまった。
しかも、まだ学生であるイーゼスにだ
「嫌、違うな。」
「はぁ?」
イーゼスはハッキリと否定をした。
その顔は自信に満ちている顔をしている。
そんなイーゼスに盗賊は何故だという疑問の顔が出ていた。
「お前らは、ただ軍師の手の上で転がっていただけだ。」
「軍師だと・・・。」
軍師??策??
その様な言葉、今まで聞いた事がない。
もう、驚きを通り越して開き直りる事しか出来なかった。
「・・・・フフフッ・・・・ハーハッハッハッ!」
盗賊のリーダーはもう、笑うしかなかった。
手下達は自分達のリーダーが突然笑いだした為、驚いて目が点になっていた。
「ロン、後は頼む。」
「かしこまりました。」
「なぁ。小僧、最後に聞いていいか?」
「何だ。」
「俺らは、いつから手の上で転がっていたのだ・・・。」
次々と盗賊達が縄に縛られ、隠してある箱馬車へ移動をしようとしている時、盗賊のリーダーがすれ違い様にボソッとイーゼスに問いかける。
「最初からだ。」
「最初からだと?まさか、最初から俺達を狙って・・・。」
「別にお前達を狙って討伐をしたのではない。お前達が罠に嵌まっただけだ。」
それを聞いた盗賊のリーダーは、「そうか」と呟いた後、ひと言も話さずこの場から去った。
(もう、そろそろかな・・・。)
盗賊達を捕縛したが、イーゼスにはやらなければならないことがあった。
「なっ・・・なんだこれは・・・!!」
(やっと、気付いたか・・・。)
体を声がした教会へと向けると、教会内にいたハロルド達がぞろぞろと出てきた。
「焦げ臭い匂いがする。何か燃やしたのか?」
「何があったッスか??」
ハロルド達は黒焦げになった草原を見て驚いた。
それもそうだろう。
先程まで何もなかった普通の草原だったはずなのに、自分達が教会の中にいる間に変わってしまったのだから。
「殿下、アディジェ怪我はありませんか?」
「は・・・はい。」
「ヴィクトリア監督生がどうしてここに・・・。」
「監督生??アルト、学園のか・・・。」
「はい。ソラリア学園の監督生で・・・なんでここにいるのか・・・。」
しかも、騎士を連れて。
オーガスタはイーゼスと一緒にいる騎士に見覚えがある。
ハッキリとは覚えてはいないが何処かで見た気がした。
「初めてまして、私はロンと申します。先程まで起こった事の詳細をお伝えします。」
甲高い音が鳴り響いた。
盗賊達はこの音にこの場には似つかわしくない音だと感じた。
(なんだこの音は・・・。)
風の音か・・・いや違う。
鳥の鳴き声か・・・それにしては、よく響く。
きっと、風が強いからよく響いたのだろう。
盗賊達は誰もがそう思った。
(来たな!!)
「盗賊達を捕縛せよ!」
イーゼスはアメリアからの合図を聞き、地面に刺してあった剣を振り上げ、盗賊達に向けて叫んだ。
そして、それと同時に森に潜んでいたロンの部隊が勢いよく出てくる。
「なっっなんだ!!こりゃあ!!」
盗賊達を取り囲んでいる左右から同時に大きな布のようなものを被せると一気に火が鎮火した。
「なんで、火が急に・・・。」
「おいっ!そんなことより・・・。」
「そこまでだ。おとなしくしろ。」
盗賊のリーダーの顔の前に槍の穂先がキラリと光る。
他の手下達をみたが全員、槍を突き付けられ何も出来ずにいた。
「こんな小僧にやられるとはな・・・俺も落ちたものだ。」
今まで捕らえる事が出来なかった盗賊達を、こうもあっさりと捕らえてしまった。
しかも、まだ学生であるイーゼスにだ
「嫌、違うな。」
「はぁ?」
イーゼスはハッキリと否定をした。
その顔は自信に満ちている顔をしている。
そんなイーゼスに盗賊は何故だという疑問の顔が出ていた。
「お前らは、ただ軍師の手の上で転がっていただけだ。」
「軍師だと・・・。」
軍師??策??
その様な言葉、今まで聞いた事がない。
もう、驚きを通り越して開き直りる事しか出来なかった。
「・・・・フフフッ・・・・ハーハッハッハッ!」
盗賊のリーダーはもう、笑うしかなかった。
手下達は自分達のリーダーが突然笑いだした為、驚いて目が点になっていた。
「ロン、後は頼む。」
「かしこまりました。」
「なぁ。小僧、最後に聞いていいか?」
「何だ。」
「俺らは、いつから手の上で転がっていたのだ・・・。」
次々と盗賊達が縄に縛られ、隠してある箱馬車へ移動をしようとしている時、盗賊のリーダーがすれ違い様にボソッとイーゼスに問いかける。
「最初からだ。」
「最初からだと?まさか、最初から俺達を狙って・・・。」
「別にお前達を狙って討伐をしたのではない。お前達が罠に嵌まっただけだ。」
それを聞いた盗賊のリーダーは、「そうか」と呟いた後、ひと言も話さずこの場から去った。
(もう、そろそろかな・・・。)
盗賊達を捕縛したが、イーゼスにはやらなければならないことがあった。
「なっ・・・なんだこれは・・・!!」
(やっと、気付いたか・・・。)
体を声がした教会へと向けると、教会内にいたハロルド達がぞろぞろと出てきた。
「焦げ臭い匂いがする。何か燃やしたのか?」
「何があったッスか??」
ハロルド達は黒焦げになった草原を見て驚いた。
それもそうだろう。
先程まで何もなかった普通の草原だったはずなのに、自分達が教会の中にいる間に変わってしまったのだから。
「殿下、アディジェ怪我はありませんか?」
「は・・・はい。」
「ヴィクトリア監督生がどうしてここに・・・。」
「監督生??アルト、学園のか・・・。」
「はい。ソラリア学園の監督生で・・・なんでここにいるのか・・・。」
しかも、騎士を連れて。
オーガスタはイーゼスと一緒にいる騎士に見覚えがある。
ハッキリとは覚えてはいないが何処かで見た気がした。
「初めてまして、私はロンと申します。先程まで起こった事の詳細をお伝えします。」
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