2人台本

身喰らう白蛇

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両片想いの花占い

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A:好き...嫌い...好き...嫌い...

B:(遮って)何してんの?

A:ひゃっ!?...びっくりしたぁ

B:いやいやこっちの台詞なんだけど

A:なんだっていいでしょ、あっち行ってよ!

B:もしかして、『花占い』?Aが?

A:...秘密

B:花なんか持って、占いでもやってたんですかー?

A:...うるさい!うるさいうるさいうるさーい!

B:うっわ怖(笑)

A:私が何していようが、あなたには関係ないでしょ!?

B:まあね~。だけど気になるじゃん?

A:...なにが?

B:花占いの相手?

A:教えない!放っておいて!(走って逃げる)

B:あっ、ちょっと待てよ!...相変わらず逃げ足だけは速いんだよなぁ


(間)


A:(走って息切れしているので整える)

A:...ふう、ここまで来れば大丈夫でしょ

B:なにがー?

A:えっ

B:え?

A:なんであなたがここに居るのよ!

B:俺が何年一緒にいると思っているのさ。逃げた先の予測さえすれば、先回りなんて余裕ですよ

A:予測しなくていいから!これじゃ逃げた意味ないじゃん!なんで追ってくるのよ!

B:えー?だって知りたいじゃん?俺から逃げるほど秘密にしたい『花占いの相手』

A:...教えない

B:なんでー?

A:教えないったら教えない!

B:頑なだなぁ

A:かたくなで結構!

B:どうしても教えてくれないの?

A:どうしても!

B:絶対?

A:絶対!

B:...ふぅん。そっか、わかったよ

A:最初っから諦めてればいいのよ

B:じゃあさ、結果だけでも教えてよ

A:結果?

B:そう、花占いの結果

A:まあそれくらいなら...『好き』

B:へー?じゃあ相手は?

A:話戻ってる!聞かないんじゃなかったの!?

B:『わかった』って言っただけで『聞かない』とは言ってないもん

A:あ、いや、確かに...

B:で?誰なの?

A:しつこいなぁ!教えないってば!

B:(囁きで)どうしても、ダメ?

A:ちょっ...囁きはずるいって...!

B:(囁きで)ねえ、お、し、え、て、?

A:わかった!教えます!耳弱いの知ってるでしょ!?もうやめてー!

B:知っててやってるからね

A:くっ...!(小声で)...あなたよ

B:え、何?聞こえない

A:あ、な、た、って言ったの!

B:...へぇー?

A:...なによ

B:へぇぇええ?

A:だからその反応なによ!?

B:『あなた』ってだあれ?ちゃんと名前で教えてよ

A:はあ!?ちょっ...

B:俺『あなた』って人知らないなぁ

A:ばかっ!ばーかばーかばーか!...『Bさん』です!はい!これで満足ですか!?振るんだったらさっさとしてくれます!?

B:振る?

A:そうよ!いつも意地悪してくるんだから、私の事なんとも思ってないの丸わかりだもん。ほら、早くしてくれます?

B:好きだよ

A:はいはい、しばらくはギクシャクしちゃうかもしれないけど友だち続けてくれると嬉し...今なんて?

B:好きだよって言った

A:...は?...え?

B:俺も、Aの事好き。

A:...はぁぁぁああああ!?えっ!?なんで!?

B:好きだから遠目からでもAだって分かったし、花占いしているの見て相手が気になったし

A:だ、だっていつも意地悪ばっかするじゃんよ...

B:どう接すればいいのかわからなくてつい。あと可愛くて

A:かわっ!?

B:花占いの相手が他の誰かだったら俺の失恋になるわけだし、タイミング的に今がチャンスかなって

A:ばっかじゃないの...

B:こんな俺、嫌い?

A:っ!?わかってるくせに!

B:わからないからさ、教えて?

A:んもう!好きだってば!

B:俺も好き

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