1 / 7
1.最強の盗賊、新しい命に転生します!
しおりを挟む
白髪の男が駆ける。
「追えー!!絶対にあの大罪人を逃すな!!」
「この俺が大罪人か。ほとんどがお前らがきせた濡れ衣だろ。そもそも毎回つっかかってくるのはそっちだろうが」
白髪の男の後方に鬼の形相をした数多の賢者や聖剣士、魔導士が差し迫っている。
時折その背に放たれる魔法はどれも一撃必殺の威力が秘められており、放たれる度に大地が震え、空気が割れる。
しかしどの魔法も男を捉えること叶わず、男の口の端に笑みを浮かべさせるだけであった。
「アレはこの国の、いや世界の宝だ!!例え相手が『職の限界を超えた者』だとしても王家の秘宝を盗まれたとあっては我々神聖騎士団の名が泣くぞ!!己の命に代えてもアイツを捕まろぉぉお!!!」
その言葉に世界の頂点に位置すると言っても過言でない者たちが獣のような咆哮を上げた。
そして一斉に渾身の魔法を放つ為の魔力を練り始める。
「チッ、流石にアレは無理だ。本当だったらもっと静かな場所でやりたかったんだけどな」
そこで白髪の男はその足を止め、振り返り右手を眼前に突き出した。その手には煌々と燃えるような輝きを放つ宝石が握り締められている。
「こちらを向いたなこの大罪人がッ!その【聖炎の瞳】は我らが王が次なる身体へと生まれ変わるためのモノだ。お前のような奴が手を触れていいような代物ではない。そもそも宝玉の解放の真言は王家にのみ言い伝えられている。お前のような者がそれを持っていたところで宝の持ち腐れだ!!」
「全く人のことを大罪人だのなんだのと。その大罪人にまんまとしてやられたのはどこの騎士団の奴なんだ?罪人以下の騎士団なんて騎士を名乗る資格するなんてないとは思わないか?なあ、騎士の名を語るお遊戯団の皆さんよ?」
白髪の男が鋭く伸びた犬歯が見える程にニイッと口元を歪ませながら笑い声をあげた。
「貴様ぁぁッ!!お前ら放てぇぇぇぇッツ!!」
その掛け声と共に空に稲妻が走り、地に獄炎が広がり、大気は逆巻き無数の刃を形成した。
眼前に神話が如き光景が広がる中、白髪の男は言葉を零す。
「王家のみに伝わる真言か。それはもしかしてこんな言葉か?」
そこで先ほどとは比べ物にならない位に口の端を吊り上げ、異形と呼ぶに躊躇なき程に両目を見開き、唇を震わせた。
「アブドゥ・カトゥブラ・ミ・リ・バース(世界の扉よ開け。我は転生を望みし者なり)」
その瞬間、宝玉から深紅の炎が溢れだし男の身体を包み込んだ。
「バカな!?何故貴様の様な者が真言を知っている!?」
「なんで知ってるかだって。そんなの決まってんだろ。俺は盗賊だぞ。盗んだんだよ。王家に伝わる真言ってやつをな」
その言葉に神聖騎士団が驚愕に顔を歪める。
しかしすぐさまその顔は、本来であれば己が王のみが使用することが許された宝玉を汚されたことに対する嫌悪と憎悪へと塗り替えられる。
そしてその中でも全身を白色の鎧に包むリーダー格の男がその身体を怒りに戦慄かせ咆哮する。
「この大罪人がァッ!!!神の裁きのもとこの世から消え失せろぉ!!【雷神の裁き】!!」
炎の中に消えゆく男に数多の魔法が辿りつくよりも速く、そして桁外れの威力で一条の巨大な雷が解き放たれた。
「いわれなくても消えてやるよ。ただ、一つ気に食わねぇな。一体いつまで俺のことを大罪人なんて名前で呼ぶ気だ?」
そこで消えゆく男は己の脳天に降り注ごうとする神の雷に手を伸ばし、神聖騎士団に向かって吠える。
「いいかよく聞けぇ!俺の名はギルハート・G・ギルガメッシュ!!世界最強の大盗賊ギルハート・G・ギルガメッシュだ!!!覚えておけ三下共が!!!」
そこで男の身体は雷と共に紅蓮に包まれこの世から消えた。
「これでようやく戦いの日々が終わる。さあ、次の命の始まりだ。Are You Ready? 来世の俺」
――――この時ギルハートは知らなかった。次の人生が今世以上に謎と冒険に満ちたものになるなどと。そしてこの世界の真理に自分が辿りつくことになろうとは
「追えー!!絶対にあの大罪人を逃すな!!」
「この俺が大罪人か。ほとんどがお前らがきせた濡れ衣だろ。そもそも毎回つっかかってくるのはそっちだろうが」
白髪の男の後方に鬼の形相をした数多の賢者や聖剣士、魔導士が差し迫っている。
時折その背に放たれる魔法はどれも一撃必殺の威力が秘められており、放たれる度に大地が震え、空気が割れる。
しかしどの魔法も男を捉えること叶わず、男の口の端に笑みを浮かべさせるだけであった。
「アレはこの国の、いや世界の宝だ!!例え相手が『職の限界を超えた者』だとしても王家の秘宝を盗まれたとあっては我々神聖騎士団の名が泣くぞ!!己の命に代えてもアイツを捕まろぉぉお!!!」
その言葉に世界の頂点に位置すると言っても過言でない者たちが獣のような咆哮を上げた。
そして一斉に渾身の魔法を放つ為の魔力を練り始める。
「チッ、流石にアレは無理だ。本当だったらもっと静かな場所でやりたかったんだけどな」
そこで白髪の男はその足を止め、振り返り右手を眼前に突き出した。その手には煌々と燃えるような輝きを放つ宝石が握り締められている。
「こちらを向いたなこの大罪人がッ!その【聖炎の瞳】は我らが王が次なる身体へと生まれ変わるためのモノだ。お前のような奴が手を触れていいような代物ではない。そもそも宝玉の解放の真言は王家にのみ言い伝えられている。お前のような者がそれを持っていたところで宝の持ち腐れだ!!」
「全く人のことを大罪人だのなんだのと。その大罪人にまんまとしてやられたのはどこの騎士団の奴なんだ?罪人以下の騎士団なんて騎士を名乗る資格するなんてないとは思わないか?なあ、騎士の名を語るお遊戯団の皆さんよ?」
白髪の男が鋭く伸びた犬歯が見える程にニイッと口元を歪ませながら笑い声をあげた。
「貴様ぁぁッ!!お前ら放てぇぇぇぇッツ!!」
その掛け声と共に空に稲妻が走り、地に獄炎が広がり、大気は逆巻き無数の刃を形成した。
眼前に神話が如き光景が広がる中、白髪の男は言葉を零す。
「王家のみに伝わる真言か。それはもしかしてこんな言葉か?」
そこで先ほどとは比べ物にならない位に口の端を吊り上げ、異形と呼ぶに躊躇なき程に両目を見開き、唇を震わせた。
「アブドゥ・カトゥブラ・ミ・リ・バース(世界の扉よ開け。我は転生を望みし者なり)」
その瞬間、宝玉から深紅の炎が溢れだし男の身体を包み込んだ。
「バカな!?何故貴様の様な者が真言を知っている!?」
「なんで知ってるかだって。そんなの決まってんだろ。俺は盗賊だぞ。盗んだんだよ。王家に伝わる真言ってやつをな」
その言葉に神聖騎士団が驚愕に顔を歪める。
しかしすぐさまその顔は、本来であれば己が王のみが使用することが許された宝玉を汚されたことに対する嫌悪と憎悪へと塗り替えられる。
そしてその中でも全身を白色の鎧に包むリーダー格の男がその身体を怒りに戦慄かせ咆哮する。
「この大罪人がァッ!!!神の裁きのもとこの世から消え失せろぉ!!【雷神の裁き】!!」
炎の中に消えゆく男に数多の魔法が辿りつくよりも速く、そして桁外れの威力で一条の巨大な雷が解き放たれた。
「いわれなくても消えてやるよ。ただ、一つ気に食わねぇな。一体いつまで俺のことを大罪人なんて名前で呼ぶ気だ?」
そこで消えゆく男は己の脳天に降り注ごうとする神の雷に手を伸ばし、神聖騎士団に向かって吠える。
「いいかよく聞けぇ!俺の名はギルハート・G・ギルガメッシュ!!世界最強の大盗賊ギルハート・G・ギルガメッシュだ!!!覚えておけ三下共が!!!」
そこで男の身体は雷と共に紅蓮に包まれこの世から消えた。
「これでようやく戦いの日々が終わる。さあ、次の命の始まりだ。Are You Ready? 来世の俺」
――――この時ギルハートは知らなかった。次の人生が今世以上に謎と冒険に満ちたものになるなどと。そしてこの世界の真理に自分が辿りつくことになろうとは
0
あなたにおすすめの小説
聖女を追放した国は、私が祈らなくなった理由を最後まで知りませんでした
藤原遊
ファンタジー
この国では、人の悪意や欲望、嘘が積み重なると
土地を蝕む邪気となって現れる。
それを祈りによって浄化してきたのが、聖女である私だった。
派手な奇跡は起こらない。
けれど、私が祈るたびに国は荒廃を免れてきた。
――その役目を、誰一人として理解しないまま。
奇跡が少なくなった。
役に立たない聖女はいらない。
そう言われ、私は静かに国を追放された。
もう、祈る理由はない。
邪気を生み出す原因に目を向けず、
後始末だけを押し付ける国を守る理由も。
聖女がいなくなった国で、
少しずつ異変が起こり始める。
けれど彼らは、最後まで気づかなかった。
私がなぜ祈らなくなったのかを。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
異世界転生してしまった。どうせ死ぬのに。
あんど もあ
ファンタジー
好きな人と結婚して初めてのクリスマスに事故で亡くなった私。異世界に転生したけど、どうせ死ぬなら幸せになんてなりたくない。そう思って生きてきたのだけど……。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる