異世界侍(A different world samurai )

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エピソード3

10話

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死の闘技場にて

「さぁ!運命のゴングが鳴ったぁぁぁ!!!さぁ!どっちか勝つかなんて神様だって分かりやしないぜぇ!」

「両者が刀を構えながら睨み合うぅぅぅ、シノブが先手に出る!翔太が受け止めるぅ!剣豪同士凄い斬り合いだぁ!観戦者が盛り上がってるぅぅぅ、まさに観戦者が追い求めた壮絶な戦いだぁぁぁぁ!!!
まだ両者はオープニングヒットは決まらないぃぃぃ!おおっとぉ!お互いの剣先が両者の頬を裂くぅ!実力は互角のようだぁ!」
「チッ!」
「フン!」
「両者がお互い距離取り、頬から流れる血をハンカチで拭き取るぅ!」
「さすがに相手が殺し屋になると、そう簡単にやらせてくれないか...、戦い方が合理的過ぎる」
翔太が初めて苦悶の表情を浮かべる、コイツは強敵だと、エドワード以来の強敵だとそう感じた
「翔太、悪いが死んでもらう、多くの『御前者様』が君の存在を恐れている、勿論、魔剣士ジェダと同様にだ」
「御前者様?!つまりお前は権力の犬か」
「俺は殺し屋に所属している、頼まれれば誰でも殺す」
「なら、お前を捕縛してその御前者様を殺しに行ってやるよ」
「悪いが俺も顔は知らない、だが、お前を恐れている何者かがいる事は確かだ、だが俺は戦士だ、お前と言う猛者と戦いたいだけさ」
「ふっ」
「おおっとぉ!翔太が更に殺気をあげるぅ!シノブが応えるように殺気をあげるぅ!観戦者がテンションが上がるぅぅ!両者が同時に駆け出したぁ!凄い斬撃だぁぁぁ!この戦い一瞬の隙を晒した方が命を落とすぜぇぇぇぇ!観戦者達がその光景を楽しんでいるぅぅぅ!」
翔太が決着を着けるためにわざと隙を作る、思った通りにシノブがそこに斬撃を繰り出した、翔太の計画通りにそこカウンターの斬撃を与える、だが、シノブが翔太の斬撃を避ける
「避けられた!?」
「フッ」
シノブの斬撃が翔太の胸を切り裂いた、翔太はなんとか致命傷を免れた
「翔太ぁ!胸を斬られたぁぁぁぁ!!!思わず胸の流血の切り傷に手を押さえるぅぅぅ!!!」
シノブが血のついた刀を払い除ける
「超反応で致命傷を免れたか」
「久しぶりだよ、命の危機が迫ってる戦いなんて、こんなクソみたいな闘技場で鬼を見せるんなて、癪に障るぜ」
「さあ!観戦者のために鬼を魅せてみろ、もっと盛り上がる、商売上がったり、俺の収入も上がったりだぜぇ!」
「ああ!魅せてやるよ!観戦者までも臆するような悪鬼をな」
翔太の眼が三白眼になった、観戦者達が突如鎮まりかえった
「おおっとぉ!?観戦者が静かになったぁ!?これは一体どういう事だぁ!?なんだ?この寒気はぁ」
「おい!せっかく盛り上がって来たのにどうして鎮まりかえるんだよ」
「殺し屋なら分かるだろう?戦いの酷さが」
翔太が一閃に近寄る、素早い斬撃、シノブが超反応と超人的な身体能力で避ける
「ほう」
シノブが服を脱ぎ出す、翔太と同じ切り傷を負わせた
「翔太は奴ぅ!シノブにやられた傷をやりかえしたぁぁぁぁ!!!どうしたぁ?!観戦者共!何故静まりかえってる?もっと盛り上げていこうぜぇぇぇぇぇ!!!」
「こ、こわい」
「これは?!本能?なのか、あの翔太って剣闘士見ると、原因不明な恐怖に襲われる」
幾人の観戦者が翔太に対してほ本能的な恐怖に飲まれていた、恐怖の感じない鈍感な奴も空気を読んで盛り上がる掛け声を止めた
シノブが胸傷を抑えている
「これが悪鬼の狂気...」
シノブが邪気の笑みを浮かべる

何処か遠い所でジェダが翔太の狂気を感じ取っている

シノブも負けぬまいと、翔太の狂気に恐れず挑む
「両者の繰り出すハイレベルはほぼ互角ぅ、お互い斬り合いながら傷を負うぅ、だがぁ!両者は怯まないぃ!何故ならぁ?この勝負は一瞬の隙を晒したら命を落とす高次元の戦いだからだぁぁぁぁ!
(クソがぁぁぁ!!!一流の殺し屋に二度目の戦略も戦術も効かないぃ!)
「翔太ぁ!グロッキー状態だぁぁぁ!!!」
翔太が渾身の横払いで距離を取る
「翔太!お前はもう息が切れておる、何処を切って欲しいか介錯してやろう」
(落ち着けぇ、あえて、疲れるように動いたんだ、悟られ勘づかれるはずはない)
翔太が逆転のチャンスを練る
「シノブがトドメと言わんばかり、刺突攻撃をするぅぅぅ!!!、翔太ぁ!!!絶対絶命だぁぁぁぁぁ!!!!」
翔太は考えた、『肉を切らせて骨を断つ』これしかないと思い、鞘に刀を納めた
シノブの刺突攻撃をわざと顔で受け止める、そして死なない程度に顔をずらし、鞘から思い切り抜刀術でシノブの左腕を切り落とした
「なんだとぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
シノブが悶絶しながら驚く翔太の戦略が上手くいった
「なんという逆転劇だぁぁぁ!!!翔太ぁ!シノブの左腕を切り落としたぁぁぁぁぁぁ!!!素晴らしい大番狂わせだぁぁぁぁ!!!」
シノブが素早く刀を鞘に納める、翔太が容赦無く斬り込んでくる、そして、いきなり煙幕が広がった
「おおっと!突如、煙幕が闘技場全体に広がったぞぉぉ!!」
「ゴホッ!ゴホッ!クゥっ!また、煙幕か」
「阿久津翔太、俺は殺し屋だ、人を殺す事があっても、人から殺されるわけないとはいかない」
「なんだそら」
「俺の左腕を切った事、賞賛に値しよう」
煙幕の霧が収まると、シノブの姿が居なくなってた、切った左腕も見当たらない
「逃げたか」
翔太は刀を鞘に納めた、辺り一体、モンスターの地で赤く染まっている
「ヘイヘイヘイィ!!!今宵のwinnerは阿久津ぅぅぅ翔ぉぉぉぉ太ぁぁぁぁぁ!!!」
「・・・・・・・」
「おっと!観戦者達が静まりかえってる、翔太は約束通りにこの開催者と同伴の人を殺めに行くのかぁぁぁぁぁ?!みんながみんな、反応が薄いから、実況者の俺も恥ずかしくなっちまうぜぇぇぇぇ!!!」
「開催者殺すってなんだよ、もうこの闘技場で観戦出来なくなるのか...」
「お金が無くなっちなったぜ」
「おっと!翔太がマイクを寄越せと合図を出している」
翔太がマイクを受け取り、喋る
「おい!馬鹿観戦者共よくけぇ!殺し合いは見せ物じゃない、金持ちの道楽じゃねぇぇぇだよぉ!!!俺は命を弄ぶ暇人が誰よりも嫌いだ、もし、そんな奴が別の闘技場を開催したら、観戦者諸共ぶち殺す!」
翔太はマイクを捨てた、そして、主催者が座っている座席に目を向けると既に居なかった
「逃げたか...だが、この怪我じゃぁ、追えない...」
翔太が少し悔しがる、両頬から血が流れ、体の至る部分に切り傷から血がしじみ出ている、観戦者は居なくなり、翔太は闘技場の休憩室らしき場所で寝るのであった

「あれが阿久津翔太の強さ...あの忍者の刺客ですら退けるエスタン最強の兵士...各国の『御前者達』が恐れる剣士」
「あの殺し屋忍者も世界レベル強い戦士のはずなのに」
「取り敢えず、早くここから逃げるのじゃ、万が一に翔太がここまで追ってきたらどうするんじゃ」
「安心して下さい、私だって一流の殺し屋ですから」
開催者、及び有権者御一行は一流の殺し屋を用心棒に護られてる、そして逃げるよう馬車に乗り込む、そして、馬車は走り出す
「ふー、これで安心だぁ」
「あのー前方に剣を持った人影がぁ!」
望遠鏡で前方を除く助車の人が言う
「何ぃ!?翔太の奴がもう来たのかぁ!」
「いや、違う、違うがどこぞなく翔太の雰囲気に似てる剣士かと」
「殺し屋よ、万が一の為じゃ、殺して来い!」
有権者の1人が言う
「了解しました、『ファルクス使いのバルサー』にお任せあれ」

「翔太の悪鬼を感じてやってきたが、なるほどな、金持ちの連中はあの闘技場で戦士を見せ物にしてたんだな」
ジェダが腰に鞘を備え、抜刀術で素早く斬り、真空切りで馬車の馬の脚を切った、馬の悲鳴が大きく鳴る、大きく馬車が転倒した
「何事じゃぁ!げほっ!」
「大丈夫ですか?!」
「いいから、早く翔太擬きを殺して来い!」
「承知」

「止まれ!貴様は何者だ?!っ?!きっ!貴様は!?」
「ほう俺を知ってるか、なら自分の運命がどうなるか察しがつくよな」
「そいつはジェダ!ジェダ・ロイエスだぁ!」
「ジェダだと!たった1人で亡国にしたあの魔剣士か!?」
有権者御一行はジェダの見参により、ビビり散らす
「貴様等暇な金持ちは俺にトラウマをフラッシュバックさせた、万死に値する」
「今すぐ、ここから消えろ!この方を誰だと思ってる?馬車を傷つけただけじゃなく、この方までも傷を負わせた事、貴様こそ万死に値する」
バルサーが圧を仕掛けるか、ジェダが涼しい顔で嘲笑う
「はっはっはぁ!いいねぇ~今すぐそれを飛べそうだと思ってそうだよね」
ジェダも翔太と似たような悪鬼を圧を出す
「っ!問題児が調子に乗りやがって」
バルサーが先手を繰り出す、ジェダが鞘を納めたまま、バルサーのファルクスの蓮撃を凌ぎ弾く
「貴様っ!私は一流の殺し屋だぞ!舐めているのか!?」
「プライドの高い貴様には何も感じない、その程度の技量でよく殺し屋の用心棒を勤める事が出来るなぁ!暗殺者の風上にも置けないなぁ!」
「私の誇りを愚弄するなぁぁぁぁ!!!」
「本当に殺し屋か?!」
感情的になったバルサーの斬撃を意図も簡単に退けるジェダ、いい加減に攻撃を凌ぐ事に飽きたジェダは
「死ねぇ!権力の下僕が」
ジェダは容赦なくバルサーを一刀両断した、
「まてぇ!金ならいくらでもやる!お前を権力者を一員にしてやるぞ!女も金も、なんならお前が望む国だって作ってあげるぞ!命だけは取らないでくれぇ!」
「フッ!ハッハッハッハァァァァ!!!!」
ジェダが大笑いする
「どいつもこいつもあいつもそいつはもあやつも、死に直面した人間の言い訳にレパートリーが少なくて笑えるぜ」
「だって誰だって権力の富裕層の選ばれた人間でありたいじゃん!!!下を見ながら安心して平和に生きたいじゃん!何が悪いぃ!!!」
1人の若い有権者が人間臭く主張する
「あん?!誰だよ貴様」
ジェダはなんかキレた、こう言う人間臭い台詞を言う奴は知っている、昔、国を苦しめて嘲笑ってたあの男に似てた、だから、俺に滅ぼされた、そして、「俺の国を汚しやがって、俺たちの祖先が作り上げた法律や常識を壊しやがって!」みたいな顔をしてた、ジェダは無表情になり、馬車に乗っていた、有権者御一行は皆殺しにした、逃げても無意味だった、近くに居ればジェダは人の居場所を感じる事が出来るので素早く追いかけて斬り殺した
「翔太、貴様がやりたかった事は俺がしておいた」

「この邪気、悪鬼は、あの魔剣士か」
翔太が睡眠から目を覚ます
「まさか、俺の代わりに殺したのか?」
翔太がジェダの悪鬼を感じとる、翔太はもう一度、眠りについて体を休めるのであった
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