異世界侍(A different world samurai )

TN star

文字の大きさ

大中小

58 / 101

エピソード7

8話

しおりを挟む

突如現れた、大蛇に驚く達也
「マジかよ...」
達也は逃げる、ただそれだけ考えてた、大蛇が怒り狂うように達也を飲み込もう襲いかかる
「なんなんだ？あの大蛇！怒り狂ってる、まさか？！俺が倒したあの大蛇の仲間なのか！？」
大蛇が容赦なく達也に突進する、達也は大木の隙間を潜り抜ける、大蛇が大木を噛み砕く、そして達也は無意識に逃げている内に岩壁に追い込まれた、もう逃げ場はない、おまけに達也は空腹だ、そして腹を決めて大蛇と戦う決心をする、氷の魔術で刃に宿す
「クソがぁ！こんな所で死んでたまるかぁぁぁ！！！」
大蛇の尻尾が達也を叩きつけるよう襲いかかる、達也は身体を回転させながら尾鰭を切る、後ろから猛毒のブレスが来る、達也は全力で避けたが左肩に猛毒が少し当たる
「ちっ！」
達也の左肩が少し下がる、だが、怯んでいる場合出会ではない、容赦ない大蛇の攻撃が襲いかかる、達也は飲み込まれる前に牙を斬る、ついでに大蛇の舌を切る、そして距離を取ったが、着地に失敗し大きく隙を作る、達也は死を悟った
「すまん、翔太...俺は運が無かったようだ...」
突如！氷の矢が大蛇の頭部に当たる、そして大きく怯む
「この見慣れた魔術、レーナか！」
「話は後よ、私が大蛇を始末するわ、達也、これを使って」
「これは？！」
「霊薬よ、これで毒を治して」
大蛇がレーナを睨む、流れる血をチロチロしながら威嚇する、達也は狙われないよう巨木の後に隠れる、受け取った霊薬で毒の治療をする、大蛇が地面に潜る、達也が危険を察知して木の上に急いで登る
「猿みたいに早いわね」
レーナの足元から大蛇が現れる、必死でレーナを飲み込もうと口を大きく開けながら突進をする
(ふーん、下が切れてるわ、なら)
レーナは氷の糸を無数に張り巡らす、大蛇がその冷たさに怯み、隙を作る、その瞬間をレーナは見逃さない、氷の槍を造形し射出する、大蛇の切れ舌に直撃させる、そして氷の刃で大蛇首を切り落とす
「ふーん、少しは強くなったかしら」
達也が木から降りる
「レーナ、なんか見違えた？」
「気のせいじゃない？その剣に氷の魔術が宿っているね」
「俺は寒い地域で生まれた、その時に親から譲り受けたんだ」
「雪のような波紋が綺麗ね、私も雪国からヴァリスタンまでやってきた、いや、逃げていた...かな」
「そんな事より、早く祝福の花瓶を探さなきゃな」
「そうね、そういえば、ローザンはどうしたん？」
「ああ、なんとか倒したよ、なんとかね」
「そう、凄いね」
「おかげで腹に傷を負ったけど、ま！肉を切らせて骨を断つやり方で勝ったよ」
2人は早速、達也が駆け寄った村に戻る、そして、その夜、達也は情報屋を呼ぶ
「やあ、達也、久しぶり、打倒ローザンおめでとう」
「ああ、流石、情報屋、話は早い」
「君が次に追う相手は『女魔術師リエール』だよ」
「アンタが前に言っていたヤバい４人組か」
「もう、ヤバい...ね、あれは、あくまで一般的にヤバい４人組さ、本物の闇は底知れない」
「そうか」
「話は戻そう、ローザンは女魔術師リエールに使える完璧な瀟酒、もう説明はいいか、担当直入に言うね、リエールは亡くなった自分の大切な娘を蘇らせるために、ローザンを筆頭に新興宗教アルカディアを立ち上げ、娘に捧げるために人々を結晶化させ、君達が探してる祝福の花瓶は錬金術で何かを作るのに必要な素材なんだろう」
「その話、もっと詳しく聞きたいな」
「レーナ、起きていたのか」
「まあね、話が聞こえたから気になって起きたわ」
「達也、この地図を渡そう」
「この地図は？」
「リエールの館が印された地図だ、この情報を知るだけで命を何度も落としそうになったよ」
「すまんな、情報屋、これが多額の報酬だ」
「毎度あり」
情報屋は金を受け取ると去っていった
「レーナ、この物語の終焉は近いから入念に準備した方がいいかもしれない」
「そうね、所でゼオと翔太はどこに行ったのかしら」
「いや、エリーゼを救うためには俺達だけでやろう、俺達で試練を乗り越えなきゃいけない、俺は翔太に追いつくためにレーナに付き合う」
「...そうね、いつまでも猛者達に甘えていられない」
「人は簡単に強くなれない、だからモジモジしちゃって悩む」
「悩むだけ無駄だって分かりきっているけど、なかなか覚悟を決められずに時間だけが経過したりね」
「分かるわ」
2人は似たもの同士、お互い共感しあう愚痴や悩みを打ち解ける、それして夜を明かす

達也とレーナは朝早く起きる、そして、レーナは集めた素材の内、２つの素材を確認する『幸運の水』と『世界樹の聖土』そして、今回の目的である『祝福の花瓶』そして、ナシの花を育ててハーブティーを作る、そうすれば、どんな傷もいえると言う霊薬が出来るとレーナは信じている、エリーゼは悪漢達に性的被害になっている、心が壊れた女性が立ち直るのは難しい、キャロルがなんとか彼女の自殺を阻止しながら、面倒を見ている、達也は愛刀、白雪を研いでいる、氷のような波紋に磨きがかかる、研ぎ終わると、服装を買い替え、レーナと共に食事をする
「これが最後の晩食にならないといいけどな」
「物騒な事は言わないで欲しい」
「あはは」
「笑えない」
「...」
「ふふ」
「今笑ったな？」
「凍る場を温めただけよ」
「はぁ」

そして、2人は食事を済ます、レーナと共に地図へ印された場所に向かう

しおりを挟む