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36℃
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例えば、どんな音楽を聞くのかとか。
例えば、服の趣味だとか。
例えば、夏と冬どっちが好きだとか。
そんな些細な事でもいい。
彼と共通の何かが欲しいの。
「……で、今度は何だって?」
放課後の教室で、親友の加奈子が呆れた顔で私の話を聞く。
「そんな顔しないでよ」
「だってあんた、先週は靴下の色が違う、とかで落ち込んでたじゃん。いちいち聞かせられるこっちの身にもなって欲しいわ」
「なんでもいいから彼との共通点が欲しいの!」
「はいはい、入学した時からずっと聞いてますって。で、今回は何が彼と違ったわけ?」
「……彼、すごい早起きの朝型なんだって」
「あー、あんた壊滅的に寝起き悪いもんね」
嫌なら頑張って早起きすれば? そういってミルクティーを飲む親友。
それが出来れば苦労しないんだってば!
「そもそも、私は低血圧なの! 朝は弱いの! 平熱だって低いし……」
「お、お前らまだ残ってたの?」
「ひぇっ……?!」
突如開いた教室のドアから入ってきたのは、今まさに噂をしていた彼の姿で。
聞かれていただろうか、いや、でも……
「なんだよ変な声出して。何々? 人に聞かれちゃまずい話? 俺お邪魔かな?」
そう言って部活のバッグを肩にかける彼。
ああぁ、また今日もほとんど会話しないまま行ってしまう……
その時、加奈子が不意に私を指した。
「この子の体温って低いよねって話してたのよ」
「か、加奈子?!」
「へぇ、いいなぁ。俺、基本的に体温高いから余計暑くってさぁ」
そう言って彼は私の手に触れた。
「あ、ほんとだ。手すげー冷たい」
「う、わあああ?!」
突然の出来事に飛び上がってしまった私に、彼はとても驚いた表情でぱっと手を離した。
「わ、びっくりした。ごめん急に触っちゃまずかったかな。暑かったからつい」
「ま、まずくない! わ、私、平熱35℃台で! だから、暑い時はいつでも涼みに来て! なんちゃって……」
「ぷっ、なんだそれ」
吹き出す彼に、こんな笑顔が見れるなら、まぁ1つくらい違う事があってもいいか、なんて思った。
『36℃』
それは私と彼の境界線
例えば、服の趣味だとか。
例えば、夏と冬どっちが好きだとか。
そんな些細な事でもいい。
彼と共通の何かが欲しいの。
「……で、今度は何だって?」
放課後の教室で、親友の加奈子が呆れた顔で私の話を聞く。
「そんな顔しないでよ」
「だってあんた、先週は靴下の色が違う、とかで落ち込んでたじゃん。いちいち聞かせられるこっちの身にもなって欲しいわ」
「なんでもいいから彼との共通点が欲しいの!」
「はいはい、入学した時からずっと聞いてますって。で、今回は何が彼と違ったわけ?」
「……彼、すごい早起きの朝型なんだって」
「あー、あんた壊滅的に寝起き悪いもんね」
嫌なら頑張って早起きすれば? そういってミルクティーを飲む親友。
それが出来れば苦労しないんだってば!
「そもそも、私は低血圧なの! 朝は弱いの! 平熱だって低いし……」
「お、お前らまだ残ってたの?」
「ひぇっ……?!」
突如開いた教室のドアから入ってきたのは、今まさに噂をしていた彼の姿で。
聞かれていただろうか、いや、でも……
「なんだよ変な声出して。何々? 人に聞かれちゃまずい話? 俺お邪魔かな?」
そう言って部活のバッグを肩にかける彼。
ああぁ、また今日もほとんど会話しないまま行ってしまう……
その時、加奈子が不意に私を指した。
「この子の体温って低いよねって話してたのよ」
「か、加奈子?!」
「へぇ、いいなぁ。俺、基本的に体温高いから余計暑くってさぁ」
そう言って彼は私の手に触れた。
「あ、ほんとだ。手すげー冷たい」
「う、わあああ?!」
突然の出来事に飛び上がってしまった私に、彼はとても驚いた表情でぱっと手を離した。
「わ、びっくりした。ごめん急に触っちゃまずかったかな。暑かったからつい」
「ま、まずくない! わ、私、平熱35℃台で! だから、暑い時はいつでも涼みに来て! なんちゃって……」
「ぷっ、なんだそれ」
吹き出す彼に、こんな笑顔が見れるなら、まぁ1つくらい違う事があってもいいか、なんて思った。
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