余命六年の幼妻の願い~旦那様は私に興味が無い様なので自由気ままに過ごさせて頂きます。~

流雲青人

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2章

余命まであと3年 ※改稿

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 アンジェがグレジス公爵家に嫁いで早くも三年の時が過ぎた。
 アンジェは十五歳となり、亜麻色の髪は腰よりも長く、そして背丈も伸び、元々整っていた容姿は更に磨きがかかり、幼さを残しつつも大人の女性として近付いていた。

 桜色の唇を小さく開け、ボーッと空を見詰めるアンジェにリディスは言う。


 「体調悪い? 」


 「うんうん……ただ三年があっという間だったなーって思ってたの。それに…色々あったしねぇ」


 そう言ってアンジェはリディスの方へと視線を向ける。

 この三年で大きく変わったことは大きく二つ。

 まず一つ目は、マモンの記憶を取り戻させる為にとアンジェは宮廷専属図書館司書の資格を取得した。
 十五歳からでは無いと宮廷専属図書館司書の資格は取得出来ない為、つい一ヶ月前に試験が行われた試験にアンジェは受験し、見事に合格したのだ。

 早速来週から仕事に向かわなければならないのだが、アンジェは楽しみで仕方なかった。なにせ王城の図書館の大きさは国一。ルーンによると天まで伸びる大きな本棚が山のようにあるんだとか……。


 そして二つ目は、ルーンと話す機会が以前に比べて格段に増えた事だ。
 二人は週に二回は必ず小さなお茶会を開催して、世間話に花を咲かせている。
 ルーンとの話はどれも興味深くてアンジェはいつも興味津々で聞いているのだが、一緒に過ごすことが多くなってきたからか、アンジェはルーンの新たな一面を知った。
 それは、ルーンが面倒見がいいお兄ちゃん気質であると言うことだ。元々妹がいたルーン。どうやら度々アンジェが妹と面影が重なるのか、ついつい世話を焼いてくれたりする。
 因みについ昨日も……


 『アンジェ。髪型が崩れてる』


 『あ、ほんとですね…。えっとイリスは……そっか、今は居ないんでしたっけ』


 『……ちょっと待ってろ』


 そう断りを入れてルーンはアンジェの髪に触れた。
 そしてあっという間に綺麗な編み込みヘアーにしてくれたのだ。その綺麗さはイリスにも引けを取らない程で、アンジェは驚いた。
 その時、ルーンが言ったのだ。


 『よくその……い、妹にしてたからっ!!』


 そう言ってルーンは顔を赤くした。

 その反応を見た時、アンジェは思ったのだ…。


 「リディス、私ね…旦那様に妹として見られてるのもかしれない」


 ルーンとアンジェの距離は以前より格段に近くなった。
 


 「突然だな…。けど、公爵には妹さんが居たんだっけ。歳はアンジェと近いのか?」


 「お姉ちゃんと同い年だよ」


 「リアさんと同い年なのか…。けど、絶対に無いと思うけどなぁ…。あ、リアさんと言えばさ。もう留学から帰ってくるはずだよな? 就職先聞いてるか?」


 このままではルーンがアンジェを妹として見ていると本格的に勘違いしそうな雰囲気に、慌ててリディスは話題を変えた。


 「実は教えてくれなかったんだよね。お楽しみにって。まぁ、お姉ちゃんの事だからきっと良い所に就いたんだろうなぁ。あちこちから声が掛かったって話してた」


 成績優秀のリアは学院首席で魔法学院を卒業した。
 首席合格し、首席で卒業。
 そんな秀才なリアには、宮廷魔導師団や有名魔道具店。魔導師達で行うスポーツ、魔法リレーの有名なチーム選手にスカウトされるなど…様々な所から声が掛かっていた。

 就職先に苦労しないだろうとは思っていたが、まさかスポーツ選手としてまで声が掛かるとは……。
 姉の魔導師としての腕前を再度アンジェは称えた。


 「リアさんの就職先も気になるけど…まさかアンジェが仕事に就くとは思ってなかった。よくグレジス公爵から許しを貰えたな」


 「十八まで好きな様に過ごしていいって言われてたし、何より社会勉強になるから行っておいでって。リディスは私の護衛としてお供をよろしくね。何かあったら大変だし」


 「まぁ、グレジス公爵からも一緒に行けって言われてるから一緒に行くよ。ほんと、何かあったら大変だしな…」


 そうリディスが言って机に今日の分の薬を置いた時、扉をノックする音がした。


 「失礼します。お茶のご用意が出来ました。良ければリディス様も一緒にいかかですか?」


 「いや、俺は仕事中ですし……」


 「リディスも飲んでいきなよ。イリスの入れるお茶凄く美味しいし、最近働いてばかりでしょ? 休憩も必要よ」


 アンジェはリディスを無理矢理ソファーへと座らせると、向かい側のソファーへとアンジェは腰を下ろす。
 リディスが公爵邸で働き出して、すっかり忙しくなった。こうしてお茶をしながら話すのも久々なので、アンジェは上機嫌になる。

 アップルティーのほんのりと甘いりんごの香りが広がる部屋で一時のお茶会を三人で楽しんだ。


 
 
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