白い猫と白い騎士

せんりお

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翌日、朝早くから軍服をきて部屋を出るシグさんに着いて私も部屋を出た。廊下を歩くシグさんの肩に飛び乗って揺られていると、ふわっとあくびが出た。
それを見てシグさんが呆れたような表情になる。

『お前も猫だからやっぱり夜行性だったりするのか?』

『へ?あーどうなんだろう』

言われてみれば、という感じだけど今までそんなに夜行性を意識させられるようなことはなかった。中身がほんとうの猫じゃないから習性は変わるものなのだろうか。

『夜行性ではないと思う』

そう答えるとシグさんは少し口角を上げた。

『なら今はただ眠いだけか』

『…まあそういうことになりますよね』
 
少し決まり悪くて尻尾をゆらりと揺らすとさらに口角が上がった。

『目を覚ましとけよ。今日からお前に魔法を教えるつもりだからな』

それを聞いて完全に目が覚めた。王都への道で教えてくれると言っていた魔法。それが今日から!

『やった!楽しみー』

急に元気になってパタパタと尻尾を揺らす私にまた呆れた表情が向けられた。

『現金なやつだな』

『だって魔法だよ!』

こっちの世界では当たり前の魔法。でも飛ばされてきた私としては魔法なんて夢のまた夢の世界だったはずなんだ。

『シグ先生お願いします!』

わくわくを隠せないでそう言う。

『おう。スパルタだから覚悟しとけよ』

『おす!』

気合い一杯にそう返すと今度こそシグさんの表情は分かりやすく笑みを浮かべて、すれ違う人がぎょっとした顔になるのがおもしろかった。

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