白い猫と白い騎士

せんりお

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30 王都

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そこからひたすら馬を駆って、1泊野宿した後、王都にたどり着いた。
王都の城門はとても大きく、豪華な装飾がほどこされていて圧倒される。それをくぐるとそこは城下町で、活気に溢れていた。ニルガの町よりもさらに店と人が多く、馬車も通っている。シグさんたちが馬で通るのにも人が多すぎて轢きそうだ。でも町の人たちは慣れているらしく馬を見るとさっと最小限に避ける。
シグさんたちは王都の中心に向かっていく。

『ねぇシグさん、私この町』

『まだダメだ』

なんでわかったの!この魅力的な町を探検してみたいと言おうと思ったのに言い終わらないうちに遮られた。

『絶対迷うだろお前。慣れるまで一人は絶対にダメだ』 

シグさんが渋い顔をして言い切った。前科がある私は反論できずにうーと唸る。

「隊長?なんかリツカが唸ってますけど…」

レオンさんは後方にいるため、代わりに隣にいた隊員の人が気になったのか声をかけてきた。

「放っておいても大丈夫だ」

シグさんがそう言ったので今度はしゃーっと軽く毛を立てると、隣の隊員さんは目を丸くしていた。

『…後で連れていってやるから待ってろ』

私から目をそらしてそうぼそっとシグさんが言った。
…やっぱり優しいのになー、もったいない。その仏頂面。



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