紫音の少女

柊 潤一

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メイチの望み

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 ハシバと紫音、ゼルダはメイチの部屋へやって来ると入り口の警備兵に声をかけた。

「どうだ、メイチ殿は起きているか?」

「はい、先ほど朝食をとられたところです」

 ハシバは、ドアをノックした。

 中からどうぞという声がして、三人はドアを開けて中へ入った。

「おお、これはハシバ様」

「いかがですかな?何か不便な事はありませんか?」

「いえ、もう、充分にして頂いております」

「そうですか。足りない物があれば、出来るだけの事
 はしますので言って下さい」

「いえ、本来ならば捕虜の身でありながら、過分の待
 遇をしていただき、感謝しております」

「ところでメイチ殿、今日はあなたの今後について話をしにまいった。何かご希望はございますか」

「希望ですか・・・」

 メイチは紫音をみて

「あなたは恐ろしい方だ。あなたなら、この大陸を一
つの国に統合してしまうでしょう。私も一度はそういう夢を抱いたが、血を流さないことなぞは不可能だ。あなたなら、血を流さずにそれをしてしまわれるに違いない」

 と言った。

「私には、もう望みはありませぬ。出来るならば、どこかでひっそりと暮らしたいものです」

「そうですか。もう一度、良い国を作るために、力を尽くしてみる気はありませんかな?」

「もう、疲れました。好きな女性を見つけて、二人で暮らします。」

「わかりました。では、あなたの好きな場所に、住まいを建てさせましょう。暮らし向きも援助します故、ご心配なさらないように。また気が変われば、このゼルダと紫音を助けてやって頂きたい」

「と、申されますと?・・」

「私は、第一線から退くつもりでおります。あとはこのゼルダと紫音夫婦が、好きなようにすればいい」

「ではお二人はご結婚なさるのか?」

「もうすぐ式を挙げて、その時に一緒に戴冠式もするつもりでおります」

「そうですか。それはめでたい。ゼルダ殿、紫音殿、おめでとうございます」

「ありがとうございます」

「ゼルダ殿、紫音殿に相応しい、夫になって下さい。」

「心得ています」

「ふむ、頼もしいな」

「では、良い場所が見付かれば言ってください。これで、私達は失礼しますす。」

 ハシバはそう言って立ち上がった。

 ハシバは自分の部屋に戻りモハドを呼んで、ゼルダと紫音の結婚式とゼルダの戴冠式の打ち合わせをした。

 紫音とゼルダは、国王と妃の間を見に行った後、引っ越し準備の為に、各々の部屋へ戻って行った。
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