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沈丁花禄郎でございます!
沈丁花禄郎でございます!
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episode9 「アツい!町内会対抗草野球大会」
ある晴れた夏の午後。
絵梨奈と真美は、駅前で沈丁花とライママに偶然バッタリ出会った。
絵梨奈「そう言えば、もうすぐ町内対抗の草野球大会がありますね?出るんですか?」
沈丁花「くだらんね」
ライママ「このクソ暑いのに実にくだらないわね」
絵梨奈・真美「そうですか」
試合当日が来た。
夏の日差しが眩しいとても暑い日だった。
がしかし、対戦相手が待っているにも関わらず朝日町チームの姿がなかった。
すると、外野の通用門からオープンカーに乗って、サングラスに赤いタオルを肩から下げた、南海ホークスの門田博光モデルのユニフォーム姿の沈丁花、ピンクレディーの「サウスポー」の格好をしたライママが真顔で、爆音のロック音楽に乗ってマウンドに向かってきた。
なぜかライママはずっと親指を口にくわえて、帽子を斜めに被っていた。
黒ずくめのバイカーが脇をしっかり固めていた。
絵梨奈「なんか、リリーフ登板と永ちゃんのコンサートがゴチャ混ぜになってない?」
真美「そもそもリリーフでもないし、アリーナでも無いもんねえ…」
絵梨奈「どこで調達したんだろうね?」
真美「通用門に隠れて待機してる時、あの人たち汗だくだったんじゃない?」笑
二人の中で、マウンドに近づいてくる真顔の沈丁花とライママを見て哀しい音楽が流れた。
ヘリコプターが飛んできて、空から始球式の球がマウンドに落ちた。
始球式を務めるのは、中尾明慶だった。
なんでも、ライママがテレビを見ていて中尾明慶のおしどり夫婦っぷりに感銘を受けたからだった。
先発投手はライママだった。キャッチャーに沈丁花、ファーストに掟カローラ、ショートに坂本ちゃん、サードには竜次さんがついた。
あとはパチスロをしていて声をかけられたおじさんたちが守った。
相手は白都町のちびっ子たちだった。4チームによるトーナメント戦である。
プレイボール!!
試合が始まった。
ライママの投じる初球。インハイの143キロのストレートだった。
ライママの 2球目はアウトサイド低めの135キロのカットボールが決まった。
ライママの3球目は低めに制球されたチェンジアップ。タイミングを外されたちびっ子は、ボテボテの内野ゴロ。それをライママが自ら全力で取りに行って、取ってからファーストにダイビングヘッドでアウトにした。
あとの打者も 2連続三振に斬って取った。
朝日町ポテトボーイズの攻撃はライママからだった。
なかなかバッターボックスに姿を現さないので、ちびっ子が探したところ酸素吸入機を使って休息を取るライママを見つけた。
ライママはおもむろにポケットから 2千円出して、ちびっ子に渡すと首を横に振った。
ちびっ子は何かを察して元に戻って行った。
先頭打者のライママはメジャーリーガーを模した構えから、一球目の高め一杯のストライク判定に、ライママは、手のひらを上にして腕を上げる『一杯?』のゼスチャーをしてみせた。
2球目に3塁側にバントヒットを決めて一塁にヘッドスライディング。セーフ。
一塁ベース上で肘のレガースと足のレガースと頬を覆い隠す仕様のヘルメットをおもむろに屈んで外すライママの動作に、ちびっ子たちは何かしらの哀愁を感じていた。
2番坂本ちゃんの1球目に盗塁を試みて 2塁にヘットスライディング。セーフ。
坂本ちゃんの 2球目に3盗を試みて3塁にヘッドスライディング。セーフ。
坂本ちゃんの3球目にホームスチールを決行し、ホームにヘッドスライディング。
間一髪セーフの判定だった。
応援は美爆音で有名な習志野高校の吹奏楽部と何故かVリーグの応援団を呼んでいた。
応援横断幕には『必勝!ポテト健児!』と言う文字が踊っていた。
それら一連のプレイでライママは腕を押さえてホームベース上に倒れて悶絶してしまった。
担架が用意されて係員によって、ライママは担架に担ぎ込まれた。
係員「大丈夫ですか?」
ライママ「ちょっと頼みが…」
係員「何ですか?」
ライママ「ゴニョゴニョゴニョ」
係員「わかりました」
係員、大声で、「君!君だよ!この人に2千円返すように!!」
真美「近所の人が言うにはライママさん、毎年この日に賭けてるんだって。あとあの二人、欽ちゃんの仮装大賞にも出て、『とんかつ かずゆき』ってタイトルで出て、出禁になって、裁判所に上告してるんだって」笑
絵梨奈「仲間を一切信じない野球って素敵だし、かずゆきも素敵ね」
「明日にときめけ、夢に煌めけ!目指せ甲子園よ」とだけ言い残し、担架で運ばるライママの姿が徐々に小さくなっていく様子を皆、見守るしかなかった。
絵梨奈と真美の中で非常に哀しい音楽が流れた。
終始、爆笑していたちびっ子たちの間から
「あのおばさんかっけー」などとちらほら拍手が起こった。
その拍手は、白都町の選手、父兄、応援する人たにの間に少しずつ広がり、球場は大きな拍手が沸き起こっていた。
試合は37対1で白都町が日没コールドゲームで勝利した。
その頃、沈丁花は隠れて、ホタルイカをつまみに一杯やっていた。
もちろん生物を持ち込んだため、食中毒を起こし、沈丁花も担架に乗って搬送されたのは言うまでもなかった。
試合前の意気揚々とした、沈丁花とライママの姿はなかった。
その様子がYouTubeにアップされ、『草野球だけに草』などとコメントが書かれていた。
つづく
ある晴れた夏の午後。
絵梨奈と真美は、駅前で沈丁花とライママに偶然バッタリ出会った。
絵梨奈「そう言えば、もうすぐ町内対抗の草野球大会がありますね?出るんですか?」
沈丁花「くだらんね」
ライママ「このクソ暑いのに実にくだらないわね」
絵梨奈・真美「そうですか」
試合当日が来た。
夏の日差しが眩しいとても暑い日だった。
がしかし、対戦相手が待っているにも関わらず朝日町チームの姿がなかった。
すると、外野の通用門からオープンカーに乗って、サングラスに赤いタオルを肩から下げた、南海ホークスの門田博光モデルのユニフォーム姿の沈丁花、ピンクレディーの「サウスポー」の格好をしたライママが真顔で、爆音のロック音楽に乗ってマウンドに向かってきた。
なぜかライママはずっと親指を口にくわえて、帽子を斜めに被っていた。
黒ずくめのバイカーが脇をしっかり固めていた。
絵梨奈「なんか、リリーフ登板と永ちゃんのコンサートがゴチャ混ぜになってない?」
真美「そもそもリリーフでもないし、アリーナでも無いもんねえ…」
絵梨奈「どこで調達したんだろうね?」
真美「通用門に隠れて待機してる時、あの人たち汗だくだったんじゃない?」笑
二人の中で、マウンドに近づいてくる真顔の沈丁花とライママを見て哀しい音楽が流れた。
ヘリコプターが飛んできて、空から始球式の球がマウンドに落ちた。
始球式を務めるのは、中尾明慶だった。
なんでも、ライママがテレビを見ていて中尾明慶のおしどり夫婦っぷりに感銘を受けたからだった。
先発投手はライママだった。キャッチャーに沈丁花、ファーストに掟カローラ、ショートに坂本ちゃん、サードには竜次さんがついた。
あとはパチスロをしていて声をかけられたおじさんたちが守った。
相手は白都町のちびっ子たちだった。4チームによるトーナメント戦である。
プレイボール!!
試合が始まった。
ライママの投じる初球。インハイの143キロのストレートだった。
ライママの 2球目はアウトサイド低めの135キロのカットボールが決まった。
ライママの3球目は低めに制球されたチェンジアップ。タイミングを外されたちびっ子は、ボテボテの内野ゴロ。それをライママが自ら全力で取りに行って、取ってからファーストにダイビングヘッドでアウトにした。
あとの打者も 2連続三振に斬って取った。
朝日町ポテトボーイズの攻撃はライママからだった。
なかなかバッターボックスに姿を現さないので、ちびっ子が探したところ酸素吸入機を使って休息を取るライママを見つけた。
ライママはおもむろにポケットから 2千円出して、ちびっ子に渡すと首を横に振った。
ちびっ子は何かを察して元に戻って行った。
先頭打者のライママはメジャーリーガーを模した構えから、一球目の高め一杯のストライク判定に、ライママは、手のひらを上にして腕を上げる『一杯?』のゼスチャーをしてみせた。
2球目に3塁側にバントヒットを決めて一塁にヘッドスライディング。セーフ。
一塁ベース上で肘のレガースと足のレガースと頬を覆い隠す仕様のヘルメットをおもむろに屈んで外すライママの動作に、ちびっ子たちは何かしらの哀愁を感じていた。
2番坂本ちゃんの1球目に盗塁を試みて 2塁にヘットスライディング。セーフ。
坂本ちゃんの 2球目に3盗を試みて3塁にヘッドスライディング。セーフ。
坂本ちゃんの3球目にホームスチールを決行し、ホームにヘッドスライディング。
間一髪セーフの判定だった。
応援は美爆音で有名な習志野高校の吹奏楽部と何故かVリーグの応援団を呼んでいた。
応援横断幕には『必勝!ポテト健児!』と言う文字が踊っていた。
それら一連のプレイでライママは腕を押さえてホームベース上に倒れて悶絶してしまった。
担架が用意されて係員によって、ライママは担架に担ぎ込まれた。
係員「大丈夫ですか?」
ライママ「ちょっと頼みが…」
係員「何ですか?」
ライママ「ゴニョゴニョゴニョ」
係員「わかりました」
係員、大声で、「君!君だよ!この人に2千円返すように!!」
真美「近所の人が言うにはライママさん、毎年この日に賭けてるんだって。あとあの二人、欽ちゃんの仮装大賞にも出て、『とんかつ かずゆき』ってタイトルで出て、出禁になって、裁判所に上告してるんだって」笑
絵梨奈「仲間を一切信じない野球って素敵だし、かずゆきも素敵ね」
「明日にときめけ、夢に煌めけ!目指せ甲子園よ」とだけ言い残し、担架で運ばるライママの姿が徐々に小さくなっていく様子を皆、見守るしかなかった。
絵梨奈と真美の中で非常に哀しい音楽が流れた。
終始、爆笑していたちびっ子たちの間から
「あのおばさんかっけー」などとちらほら拍手が起こった。
その拍手は、白都町の選手、父兄、応援する人たにの間に少しずつ広がり、球場は大きな拍手が沸き起こっていた。
試合は37対1で白都町が日没コールドゲームで勝利した。
その頃、沈丁花は隠れて、ホタルイカをつまみに一杯やっていた。
もちろん生物を持ち込んだため、食中毒を起こし、沈丁花も担架に乗って搬送されたのは言うまでもなかった。
試合前の意気揚々とした、沈丁花とライママの姿はなかった。
その様子がYouTubeにアップされ、『草野球だけに草』などとコメントが書かれていた。
つづく
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