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街にて
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結論から言えばアルフレッドの許可はすんなり下りた。それどころか幼い少女が持つには危なすぎる程のお小遣いを渡してきた。
「兄弟仲がいいようで私は実に嬉しい」
この人本当に何言わせても嘘くさいなと呆れてしまった。だがこれで金銭面は悩まなくて済む、正直高価なものを買う気なんてなかったけれどアルフレッドの金だと思えば躊躇いなく使えそうだ。
街には町娘風な格好をし、あくまで庶民として赴くことになった。横に立つのは同じく軽装で揃えたルイ。格好は変われど鬱陶しい前髪と野暮ったい眼鏡は健在だ。
「.......ルイの服もついでに仕立てて帰りますか?」
「無用です。自分はあの普段着気に入っているので」
ルイはいつも執事服を見に纏い私の傍に使えている、もう片方がきっちり着こなしたサラだからこそ余計目立つんだよな。
街に出たからといって少し前までは平民だった私は特別浮き足立つことも気になる点もない。むしろルイの方が何やらキョロキョロ辺りを見回している。
「何か珍しいものでもありましたか?」
「すみません、あまりに人が多いので」
人混みが苦手なのだろうか?
「何処に隠れればよいのかと」
「隠れないで下さい」
隠密はもはや彼にとっての性だろうか。
手頃な店に入り見物を始める。
「もう買うものは決めているのですか?」
「一応は」
訪れた店は生活用品からオシャレな小物まで一通り揃えてある雑貨屋だ。庶民派すぎるかもしれないが自分で稼いだ金でもないのに高価なものをプレゼントしてもあまり意味が無い気がしてしまう、要は選んだ過程が大事なのだろう特にアイザックのような人には。
私は目に付いた物を手に取った。
「ローブですか」
「えぇ。これからの季節冷えてきますからね」
アイザックは就寝前によくリリアンの目を盗んで私の部屋を訪れることがある。兄として今日も一日妹が健やかに過ごせたか気になるらしいが優しいにも程があるだろ、アイザックがおやすみと微笑む度私は目頭が熱くなるぐらいだ。これからも会いに来てくれるなら風邪を引かないようこれを羽織って来て欲しい、人目につかないよう気を配るのにも便利だろう。
「アイザック様とお嬢様は本当に仲がよろしいんですね」
ルイが相変わらずの無表情で呟いた。私はそれにドヤ顔で頷く。
「ルイには兄弟いないんですか?」
「兄弟どころか親の顔すら知りません」
私は何も言えず俯いた。
「.......ですが、一度だって寂しいと思ったことはございません。幸い自分には才能もありましたし」
才能とは暗殺業のことだろうか。そんな才能に望んで恵まれたとは思えない。
「金に困らないだけ自分はマシですよ」
ルイ、物怖じしないただの天然じゃなかったんだな。
「そんな顔をなさらないで下さい。せっかく祝いの品を選んでいるんですから」
ね? と覗き込むルイに私は曖昧な言葉を返すしか出来なかった。前世の私ならそれでも健康に動かせる身体を持ったルイを羨んだかもしれないのだ。でも今の私にはクラリスと過ごした生活がある、寂しいと思える感情もそれすら持てない虚しさも知っているのだ。
「ルイ、もう少し私の買い物に付き合って下さい」
だからこの無表情な男の内に微かに見えてしまった侘しさを見過ごせなかった。
会計を済ませた私たちは店を出てすっかり夕焼けに染った空を見上げた。
「帰りますか」
「では馬車の手配を」
そう言った瞬間、男が私とルイとの間を割り込むように歩いていく。ルイの動きは素早かった。男の腕を掴み上げ背中まで捻ると身動きの出来なくなった男の背を思いっきり蹴り飛ばした。
「えっ!?」
「グバッ」
思わず痛みから声が漏れる男の手を容赦なくルイが踏みつける。握られた拳から離れたのはナイフだった。唖然と目の前で繰り広げられる事をただ見つめているだけの私に、無表情のままルイが肩へ手を置いた。
「大丈夫ですかお嬢様」
「何が、起きたんですか」
「あの男はおそらくお嬢様の荷物を狙ったひったくりでしょうね」
手にあったナイフは私の手から袋に入った荷物を切り離す為の物。通りすがりのひったくりだとルイは断言した。命を狙われたわけでもなく怪我だってしていないのに心臓の鼓動がうるさいくらい激しい。
怖かったのだ、ただ純粋に恐怖で身体が震えていた。
いくら町娘の格好をしていたとしても見る人が見れば金目の物を持っているかなんて一発で分かってしまう。
公爵の娘になるということがどういうことか頭では理解しているつもりだったのに。リリアンの時とは違う、理由もなく危険に晒されるという感覚が私には無かったのだろう。
「お嬢様?」
ルイの声にはっと気を取り戻す。
「その人をどうするつもりですか?」
「この地域の自警団に連れていくつもりですが」
自警団、警察みたいなものか。
「ではそうしてください.......あと、助かりましたありがとうございます」
「いえ。それが自分の仕事ですから」
ルイの仕事は私を守ることではなく見張ることだ。咄嗟に動いた彼の助けがなかったら少なくとも怪我は負っていただろうし、アイザック用に買ったプレゼントだって無事で済まなかったかもしれない。でもそれ以上お礼を言ったところでルイが聞きはしないことぐらい予想できた。何度繰り返そうが無表情で仕事だからと返すだろう。
「ルイ」
私は滑り落ちそうな程弱い力で彼の裾を掴んだ。
「早く帰りましょう」
夕焼けに照らされて青ざめた自分の顔が見られずに済みそうなことだけがせめてもの救いだった。
「本当に何もなかったんですね!?」
「えぇ。サラは心配しすぎです」
「ですがお嬢様、顔色が優れませんよ?」
「久々の外出で疲れが出たんですよ」
自分の部屋に戻ればサラが出迎えた途端私の熱を測りだした。胸の内が急激に冷えていったあの感覚が抜けないままサラに顔を見られたのがまずかったらしい。今にもベッドに横たわらせようとするサラを制しながら私は買ったプレゼントの手分けを始めた。
「はい、これサラにお土産です」
「私にですか?」
ついでではあるが買っておいたのだ。サラには白い蝶型のバレッタだ。彼女はいつも髪を纏めているから使い勝手もいいだろう。
「お嬢様.......グスッ」
そこまで喜ばれるとは思わなかったけれど。
「これはルイにです」
「自分ですか?」
目を丸くするルイの顔なんて貴重だ。こっそり買った甲斐があった。ルイには可愛らしいうさぎのピン留め、女性物を選んだのはわざとだ。
「もう前髪をどうにかしろとはいいませんよ、多分無駄でしょうし。それでも邪魔なことには変わりないと思いますので人目がない所で使ってください」
こういった可愛らしいアイテムを身につけることで取っ付きにくさをカバーしようというナイスなアイディアだ。ルイは「ありがたき幸せ」と感動してから胸ポケットに閉まった。使わないのかよ。
さあ、残るはアイザックのプレゼントだけだ。何が起きるか分からないが何も起きないで欲しいという望みがいつも簡単に崩れ落ちることを私は知っている、どんなことがあろうと今度こそアイリーン・ベーカーとして乗り越えてやろうじゃないか。
私は人目をはばからず裾をまくりガッツポーズをし、サラに行儀が悪いと怒られるのだった。
「兄弟仲がいいようで私は実に嬉しい」
この人本当に何言わせても嘘くさいなと呆れてしまった。だがこれで金銭面は悩まなくて済む、正直高価なものを買う気なんてなかったけれどアルフレッドの金だと思えば躊躇いなく使えそうだ。
街には町娘風な格好をし、あくまで庶民として赴くことになった。横に立つのは同じく軽装で揃えたルイ。格好は変われど鬱陶しい前髪と野暮ったい眼鏡は健在だ。
「.......ルイの服もついでに仕立てて帰りますか?」
「無用です。自分はあの普段着気に入っているので」
ルイはいつも執事服を見に纏い私の傍に使えている、もう片方がきっちり着こなしたサラだからこそ余計目立つんだよな。
街に出たからといって少し前までは平民だった私は特別浮き足立つことも気になる点もない。むしろルイの方が何やらキョロキョロ辺りを見回している。
「何か珍しいものでもありましたか?」
「すみません、あまりに人が多いので」
人混みが苦手なのだろうか?
「何処に隠れればよいのかと」
「隠れないで下さい」
隠密はもはや彼にとっての性だろうか。
手頃な店に入り見物を始める。
「もう買うものは決めているのですか?」
「一応は」
訪れた店は生活用品からオシャレな小物まで一通り揃えてある雑貨屋だ。庶民派すぎるかもしれないが自分で稼いだ金でもないのに高価なものをプレゼントしてもあまり意味が無い気がしてしまう、要は選んだ過程が大事なのだろう特にアイザックのような人には。
私は目に付いた物を手に取った。
「ローブですか」
「えぇ。これからの季節冷えてきますからね」
アイザックは就寝前によくリリアンの目を盗んで私の部屋を訪れることがある。兄として今日も一日妹が健やかに過ごせたか気になるらしいが優しいにも程があるだろ、アイザックがおやすみと微笑む度私は目頭が熱くなるぐらいだ。これからも会いに来てくれるなら風邪を引かないようこれを羽織って来て欲しい、人目につかないよう気を配るのにも便利だろう。
「アイザック様とお嬢様は本当に仲がよろしいんですね」
ルイが相変わらずの無表情で呟いた。私はそれにドヤ顔で頷く。
「ルイには兄弟いないんですか?」
「兄弟どころか親の顔すら知りません」
私は何も言えず俯いた。
「.......ですが、一度だって寂しいと思ったことはございません。幸い自分には才能もありましたし」
才能とは暗殺業のことだろうか。そんな才能に望んで恵まれたとは思えない。
「金に困らないだけ自分はマシですよ」
ルイ、物怖じしないただの天然じゃなかったんだな。
「そんな顔をなさらないで下さい。せっかく祝いの品を選んでいるんですから」
ね? と覗き込むルイに私は曖昧な言葉を返すしか出来なかった。前世の私ならそれでも健康に動かせる身体を持ったルイを羨んだかもしれないのだ。でも今の私にはクラリスと過ごした生活がある、寂しいと思える感情もそれすら持てない虚しさも知っているのだ。
「ルイ、もう少し私の買い物に付き合って下さい」
だからこの無表情な男の内に微かに見えてしまった侘しさを見過ごせなかった。
会計を済ませた私たちは店を出てすっかり夕焼けに染った空を見上げた。
「帰りますか」
「では馬車の手配を」
そう言った瞬間、男が私とルイとの間を割り込むように歩いていく。ルイの動きは素早かった。男の腕を掴み上げ背中まで捻ると身動きの出来なくなった男の背を思いっきり蹴り飛ばした。
「えっ!?」
「グバッ」
思わず痛みから声が漏れる男の手を容赦なくルイが踏みつける。握られた拳から離れたのはナイフだった。唖然と目の前で繰り広げられる事をただ見つめているだけの私に、無表情のままルイが肩へ手を置いた。
「大丈夫ですかお嬢様」
「何が、起きたんですか」
「あの男はおそらくお嬢様の荷物を狙ったひったくりでしょうね」
手にあったナイフは私の手から袋に入った荷物を切り離す為の物。通りすがりのひったくりだとルイは断言した。命を狙われたわけでもなく怪我だってしていないのに心臓の鼓動がうるさいくらい激しい。
怖かったのだ、ただ純粋に恐怖で身体が震えていた。
いくら町娘の格好をしていたとしても見る人が見れば金目の物を持っているかなんて一発で分かってしまう。
公爵の娘になるということがどういうことか頭では理解しているつもりだったのに。リリアンの時とは違う、理由もなく危険に晒されるという感覚が私には無かったのだろう。
「お嬢様?」
ルイの声にはっと気を取り戻す。
「その人をどうするつもりですか?」
「この地域の自警団に連れていくつもりですが」
自警団、警察みたいなものか。
「ではそうしてください.......あと、助かりましたありがとうございます」
「いえ。それが自分の仕事ですから」
ルイの仕事は私を守ることではなく見張ることだ。咄嗟に動いた彼の助けがなかったら少なくとも怪我は負っていただろうし、アイザック用に買ったプレゼントだって無事で済まなかったかもしれない。でもそれ以上お礼を言ったところでルイが聞きはしないことぐらい予想できた。何度繰り返そうが無表情で仕事だからと返すだろう。
「ルイ」
私は滑り落ちそうな程弱い力で彼の裾を掴んだ。
「早く帰りましょう」
夕焼けに照らされて青ざめた自分の顔が見られずに済みそうなことだけがせめてもの救いだった。
「本当に何もなかったんですね!?」
「えぇ。サラは心配しすぎです」
「ですがお嬢様、顔色が優れませんよ?」
「久々の外出で疲れが出たんですよ」
自分の部屋に戻ればサラが出迎えた途端私の熱を測りだした。胸の内が急激に冷えていったあの感覚が抜けないままサラに顔を見られたのがまずかったらしい。今にもベッドに横たわらせようとするサラを制しながら私は買ったプレゼントの手分けを始めた。
「はい、これサラにお土産です」
「私にですか?」
ついでではあるが買っておいたのだ。サラには白い蝶型のバレッタだ。彼女はいつも髪を纏めているから使い勝手もいいだろう。
「お嬢様.......グスッ」
そこまで喜ばれるとは思わなかったけれど。
「これはルイにです」
「自分ですか?」
目を丸くするルイの顔なんて貴重だ。こっそり買った甲斐があった。ルイには可愛らしいうさぎのピン留め、女性物を選んだのはわざとだ。
「もう前髪をどうにかしろとはいいませんよ、多分無駄でしょうし。それでも邪魔なことには変わりないと思いますので人目がない所で使ってください」
こういった可愛らしいアイテムを身につけることで取っ付きにくさをカバーしようというナイスなアイディアだ。ルイは「ありがたき幸せ」と感動してから胸ポケットに閉まった。使わないのかよ。
さあ、残るはアイザックのプレゼントだけだ。何が起きるか分からないが何も起きないで欲しいという望みがいつも簡単に崩れ落ちることを私は知っている、どんなことがあろうと今度こそアイリーン・ベーカーとして乗り越えてやろうじゃないか。
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