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第四章 Love And Hate
第111話 サマー・アンセム(1)
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「あんま考えてなかったけど、カップルが多いねー」
友紀ちゃんが完全にしらけた目をして周りを見渡している。
カップルだらけであろうことはある程度わたしは予想していたけどなぁ。
友紀ちゃんはやっぱりカップルが羨ましかったりするんだろうか? そういえばわたしのことはよく弄られるけど、友紀ちゃんや楓ちゃんは好きな子とかいないのかなぁ……。
二人ともかわいいからモテそうなもんだけど浮いた話は聞かないなぁ。
「そういえば友紀は好きな子とかいないの?」
考えてたら秋菜がズバッと質問していた。
相変わらずストレート。
「えぇ? わたしぃ? わたしはぁ……」
と何やら歯切れ悪くモジモジしている。
「ほぉほぉ?」
秋菜が前のめりだ。
え、もしや友紀ちゃんってそういう人いるの!?
「今はぁ……夏葉ちゃんのおっぱいで満足かな……えへへ」
って、えへへじゃないよっ!!
そこはにかむところじゃないからっ!!
わたしのおっぱいは人じゃないからね!?
おっぱいは人格持ってないから!
「うぅむ。確かに夏葉ちゃんのおっぱいは具合がいいよね。ってことはわたしもおんなじか。テヘッ」
秋菜は便乗するな! まったく。
テヘッじゃないよ。
「んで? 楓ちゃんはどうなのよ?」
秋菜が楓ちゃんに話を振ると、楓ちゃんはモジモジしながらチラッチラッと秋菜に視線を投げながら頬を染めている。
あれ……もしかしてこれって、楓ちゃん、新しい世界への扉を開いてしまったのでは……?
秋菜……あんたとんでもないことをしでかしたんじゃないかな……。
「あは。楓にはまたマッサージしてあげるねー」
「っ!?」
バカ秋菜がまたそういうこと言うから、楓ちゃんがみるみる真っ赤になって両手で顔を覆ってしまった。
あ~ぁ。どうすんのこれ……。
楓ちゃんがホントにそっちに目覚めちゃったら責任取れるのか? 楓ちゃんってただでさえ男子に免疫なくて心配してたんだけど、もしやそっちに行っちゃうのかな……。
さっきの友紀ちゃんのセクハラ発言と言いなんだかこの空間がやけに百合百合しい気がする……。
——まあ友紀ちゃんはともかくとして、どっちが恋愛対象でもそれは本人の自由か……。
このところの自分の性自認の変化のこととかも重ね考えれば、それが悪いこととも思えない自分がいる。
でも正直秋菜が相手というのは絶対難儀するから個人的にはお勧めしないけどね。
「ねぇねぇ。そろそろあれ行ってみない? ウォータースライダー!」
「いいねぇっ」
秋菜の提案にみんなも乗る。
ウォータースライダーか。ここのやつはかなり高い位置からトンネル状の滑り台をグネグネと滑降するのだけど、浮き輪みたいなのに二人ずつ乗るスタイルだ。
もちろん一人でもOKなのだけど、わたしたちはちょうど四人で来ているので二人ずつ乗ろうということになった。
ジャンケンで秋菜と楓ちゃん、わたしと友紀ちゃんという組み合わせになったのだがどうも危険な組み合わせのような気がしてならないんだけど……。
秋菜と楓ちゃんが先に行くことになった。
秋菜が前で後ろが楓ちゃんになったようで、何故だかホッとした。
問題はわたしたちだ。
どう考えても危険なので友紀ちゃんに背後を取らせまいと考え後ろのポジションを主張したのだが、受け入れてもらえず結局またジャンケンをしてわたしが前になってしまった。不覚。
以前十一夜君からジャンケンの秘訣を教えてもらったことを思い出した時にはもう遅きに失していた。
楓ちゃんはかなりびびりまくっていたが、秋菜は無邪気にはしゃいでいる。
じゃじゃ馬な秋菜とお淑やかな楓ちゃん。じつに対照的な二人だ。
「じゃ、行ってきまーす!」
と、ビビる楓ちゃんのことなどお構いなしに自分のペースでスタートする秋菜の声に遅れて、楓ちゃんの悲鳴がこだました。
「じゃ、わたしたちもイキますか」
ん? 友紀ちゃんの言葉に何か不穏な響きを感じ取ったがすでに滑降が始まっていた。
友紀ちゃんに後ろから抱きつかれた状態で耳許に熱い息がかかる。
耳はちょっと弱いがもちろんこの状況ではそれどころじゃない。
ウォータースライダーのパイプの中は大蛇のように右へ左へ上に下にとうねりまくっている。
お陰で横向きにブランコに乗って激しく揺られているような感じだ。
ウヒョォー、テンション上がるっ!
とか思っていたらお腹の辺りをもそもそさわさわと這いつくばる友紀ちゃんの手が。
妙にえろい手付きだ。
この状況でよくもそんな余裕が……と呆れるが前にいるわたしは浮き輪についている持ち手から手を離すわけにもいかず、悔しいことにされるがままいるよりない。
友紀ちゃんの両手は胴回りを行ったり来たりくまなくさわさわしながら少しずつ上へと進行している。
あー、もうコヤツはこんな時までセクハラに徹するのかい。
ついに水着の上からさわさわし始めるが、頂点に触れられそうなところで強いGに阻まれまたやり直しを繰り返している。
そのせいで焦らされているようでなんだか段々妙な気分に……。
ってなるかーいっ!!
誰がウォータースライダーの最中に乳さわさわされて発情するんじゃっ! エロ漫画ですら見たことないわっ!
しかし懲りない友紀ちゃんの両手は、パイプの中を右に左にと激しく揺れながら降下する中、大胆にもタンキニトップの中にまで滑り込んできた。
そ、そこまでやるぅ!?
友紀ちゃんからのセクハラは今までにも散々受けてきたが直に生乳を愛でられるのは初めてだ。
水飛沫のせいで濡れた素肌を滑らせるように優しくさわさわされている。
だからなんでこの状況でそれができるのよっ?
一体どこでどんな修行積んだっ!?
「ちょっ、やめっ……」
ついに頂点の果実を指でピンッてされた。
…………いや、だからこの状況でされてもそれどころじゃないですけどね!?
ってだから器用に指で挟んでグリグリすなってっ!
もぉっ! 意外に優しくグリグリしてるけどぉっ!
次の瞬間、ドーンという衝撃があって着水。
水着の下に入れられていた友紀ちゃんの手のせいで着水時の衝撃に水着が捲れ上がってしまうという痴態を演じてしまったが、幸いにして人目に晒されることなく済んだようだ。
あれ、浮かんできた時目の前でぷかーってしてる朧さんと目が合ったけど、見られてないよね?!
しかし後でしっかりと友紀ちゃんにはお仕置きが必要だな。
友紀ちゃんが完全にしらけた目をして周りを見渡している。
カップルだらけであろうことはある程度わたしは予想していたけどなぁ。
友紀ちゃんはやっぱりカップルが羨ましかったりするんだろうか? そういえばわたしのことはよく弄られるけど、友紀ちゃんや楓ちゃんは好きな子とかいないのかなぁ……。
二人ともかわいいからモテそうなもんだけど浮いた話は聞かないなぁ。
「そういえば友紀は好きな子とかいないの?」
考えてたら秋菜がズバッと質問していた。
相変わらずストレート。
「えぇ? わたしぃ? わたしはぁ……」
と何やら歯切れ悪くモジモジしている。
「ほぉほぉ?」
秋菜が前のめりだ。
え、もしや友紀ちゃんってそういう人いるの!?
「今はぁ……夏葉ちゃんのおっぱいで満足かな……えへへ」
って、えへへじゃないよっ!!
そこはにかむところじゃないからっ!!
わたしのおっぱいは人じゃないからね!?
おっぱいは人格持ってないから!
「うぅむ。確かに夏葉ちゃんのおっぱいは具合がいいよね。ってことはわたしもおんなじか。テヘッ」
秋菜は便乗するな! まったく。
テヘッじゃないよ。
「んで? 楓ちゃんはどうなのよ?」
秋菜が楓ちゃんに話を振ると、楓ちゃんはモジモジしながらチラッチラッと秋菜に視線を投げながら頬を染めている。
あれ……もしかしてこれって、楓ちゃん、新しい世界への扉を開いてしまったのでは……?
秋菜……あんたとんでもないことをしでかしたんじゃないかな……。
「あは。楓にはまたマッサージしてあげるねー」
「っ!?」
バカ秋菜がまたそういうこと言うから、楓ちゃんがみるみる真っ赤になって両手で顔を覆ってしまった。
あ~ぁ。どうすんのこれ……。
楓ちゃんがホントにそっちに目覚めちゃったら責任取れるのか? 楓ちゃんってただでさえ男子に免疫なくて心配してたんだけど、もしやそっちに行っちゃうのかな……。
さっきの友紀ちゃんのセクハラ発言と言いなんだかこの空間がやけに百合百合しい気がする……。
——まあ友紀ちゃんはともかくとして、どっちが恋愛対象でもそれは本人の自由か……。
このところの自分の性自認の変化のこととかも重ね考えれば、それが悪いこととも思えない自分がいる。
でも正直秋菜が相手というのは絶対難儀するから個人的にはお勧めしないけどね。
「ねぇねぇ。そろそろあれ行ってみない? ウォータースライダー!」
「いいねぇっ」
秋菜の提案にみんなも乗る。
ウォータースライダーか。ここのやつはかなり高い位置からトンネル状の滑り台をグネグネと滑降するのだけど、浮き輪みたいなのに二人ずつ乗るスタイルだ。
もちろん一人でもOKなのだけど、わたしたちはちょうど四人で来ているので二人ずつ乗ろうということになった。
ジャンケンで秋菜と楓ちゃん、わたしと友紀ちゃんという組み合わせになったのだがどうも危険な組み合わせのような気がしてならないんだけど……。
秋菜と楓ちゃんが先に行くことになった。
秋菜が前で後ろが楓ちゃんになったようで、何故だかホッとした。
問題はわたしたちだ。
どう考えても危険なので友紀ちゃんに背後を取らせまいと考え後ろのポジションを主張したのだが、受け入れてもらえず結局またジャンケンをしてわたしが前になってしまった。不覚。
以前十一夜君からジャンケンの秘訣を教えてもらったことを思い出した時にはもう遅きに失していた。
楓ちゃんはかなりびびりまくっていたが、秋菜は無邪気にはしゃいでいる。
じゃじゃ馬な秋菜とお淑やかな楓ちゃん。じつに対照的な二人だ。
「じゃ、行ってきまーす!」
と、ビビる楓ちゃんのことなどお構いなしに自分のペースでスタートする秋菜の声に遅れて、楓ちゃんの悲鳴がこだました。
「じゃ、わたしたちもイキますか」
ん? 友紀ちゃんの言葉に何か不穏な響きを感じ取ったがすでに滑降が始まっていた。
友紀ちゃんに後ろから抱きつかれた状態で耳許に熱い息がかかる。
耳はちょっと弱いがもちろんこの状況ではそれどころじゃない。
ウォータースライダーのパイプの中は大蛇のように右へ左へ上に下にとうねりまくっている。
お陰で横向きにブランコに乗って激しく揺られているような感じだ。
ウヒョォー、テンション上がるっ!
とか思っていたらお腹の辺りをもそもそさわさわと這いつくばる友紀ちゃんの手が。
妙にえろい手付きだ。
この状況でよくもそんな余裕が……と呆れるが前にいるわたしは浮き輪についている持ち手から手を離すわけにもいかず、悔しいことにされるがままいるよりない。
友紀ちゃんの両手は胴回りを行ったり来たりくまなくさわさわしながら少しずつ上へと進行している。
あー、もうコヤツはこんな時までセクハラに徹するのかい。
ついに水着の上からさわさわし始めるが、頂点に触れられそうなところで強いGに阻まれまたやり直しを繰り返している。
そのせいで焦らされているようでなんだか段々妙な気分に……。
ってなるかーいっ!!
誰がウォータースライダーの最中に乳さわさわされて発情するんじゃっ! エロ漫画ですら見たことないわっ!
しかし懲りない友紀ちゃんの両手は、パイプの中を右に左にと激しく揺れながら降下する中、大胆にもタンキニトップの中にまで滑り込んできた。
そ、そこまでやるぅ!?
友紀ちゃんからのセクハラは今までにも散々受けてきたが直に生乳を愛でられるのは初めてだ。
水飛沫のせいで濡れた素肌を滑らせるように優しくさわさわされている。
だからなんでこの状況でそれができるのよっ?
一体どこでどんな修行積んだっ!?
「ちょっ、やめっ……」
ついに頂点の果実を指でピンッてされた。
…………いや、だからこの状況でされてもそれどころじゃないですけどね!?
ってだから器用に指で挟んでグリグリすなってっ!
もぉっ! 意外に優しくグリグリしてるけどぉっ!
次の瞬間、ドーンという衝撃があって着水。
水着の下に入れられていた友紀ちゃんの手のせいで着水時の衝撃に水着が捲れ上がってしまうという痴態を演じてしまったが、幸いにして人目に晒されることなく済んだようだ。
あれ、浮かんできた時目の前でぷかーってしてる朧さんと目が合ったけど、見られてないよね?!
しかし後でしっかりと友紀ちゃんにはお仕置きが必要だな。
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