幻想機動輝星

sabuo

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序章 ある研究員の記録『ZERO』IS SLEEPING

第8話 ウィザードシステム(後)

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クラッキング開始、戦術ネットワークへ侵入、該当機の検索を開始・・・確認。
C‐MOSへ侵入・・・成功。制御系の切り替え終了。機体各部のチェック終了。
ジェネレーター及びF・C・S(火器管制装置)起動。武装確認、右腕、残弾150、肩部残弾12、ミサイルコントロールをダイレクトモードに切り替え、軌道計算、座標入力・・・終了。
発射。
着弾を確認、隔壁崩壊を確認。メインシステムオールクリア、
発進。

             
轟音と共にアリーナの隔壁が吹っ飛んだ。
煙の中、突っ込んできたそれに魔獣は体当たりを食らい、吹っ飛んだ。それは、
「・・・三式!?」
アリーナに現れたWG、三式(ワーカーマン)に気をとられるメルト。それが狙いだ。
地面を蹴る。
生の足では出せなかったスピードで俺は走る。
メルトとの距離は約百メートル。それを三秒で抜ける。
メルトがそれを確認したときにはすでに俺はサブマシンガンを撃っていた。
狙いは右手の端末、メルトの右手から端末が飛んだ。
そのまますかさず懐に飛び込み、銃を突きつけた。そこまではよかった。しかし、一つだけ誤算があった。
魔獣が突っ込んできた。
(思考爆発(シンキングバースト)!!)
とっさに思考を加速させ、ゆっくりと時間が流れる中、落ち着いて回避、回避しきったと同時に時間が元の早さに戻った。
(今のでいけると思ったんだが・・・意外と硬いな)
(しかし先の攻撃で運動能力の低下を確認、効果がないわけではないようです)
三式が俺の背後に停止し、ライフルを構えた。
(残弾は)
(右腕、残弾150。左腕、残弾11。後両腕に内蔵されたブレードが)
(魔獣の撃破、頼めるか?)
(やってみます)
三式がブースターを吹かし魔獣に攻撃を始めた。
メルトはどこから出したのか一振りの剣を構えていた
「ザンクス・ギルド特製のロングソード、『トナスバ』 魔龍石の塊を使って作製されたこの剣に当たったら・・・腕一本は覚悟してもらいますわ」
「当たらなければいいんですね分かります」
サブマシンガンを乱射しながら突撃する。
狙いを定めず、ただ弾をばら撒く。
「この程度、防げないと思って?」
メルトが『トナスバ』を振った。それだけですべての弾が防がれた。
(剣のほうにも魔法がかかっているようだな)
俺はメルトに向かってサブマシンガンを投げつけた。
予測通りメルトは剣をふってサブマシンガンを切った。
サブマシンガンが真っ二つに切れる。その影から飛び蹴りを入れる。
蹴りが入りメルトは吹っ飛ばされた。しかし空中で体勢を立て直し、着地と同時に剣を突き出し突っ込んできた。
「隙あり!!」
(それはお前だ)
突き出された腕をつかみ、投げる。
「背負い投げえ!!」
メルトの体が地面に叩き付け、その手から剣を奪い、地面深くに突き立てた。
決まった。
瞬殺である。
俺はあたりを見回して、メルトの端末を見つけた。
形状はスマートフォンに似ている。電源は入っていない。
(端末は確保したし剣も地面に突き刺してそう簡単には抜けないようにしたし)
武器となるものは全て無力化した。
メルトが格闘術を習得しているならば話は別だが、しかし彼女の動きにはそんな気配は感じられなかった。
素人だろう。よく思い返してみれば、剣の構え方もなっていなかった。
あとはこいつにどうやって負けを認めさせるかだ。もっとも、こいつの言動からして話を聞いてくれそうも無いが、
しかし、会話しなければ始まらない。
とりあえずなにか話しかけてみよう。
「茶番は終わりだ。さあさっさと」
そういいながら俺はメルトを見て、
あ、ヤバイ。
白目のメルトが口から白い泡を出していた。叩いても返事がない。完全に気絶している。
まあ命に別状は無いようだしこのまま医務室へ運ぼう。
「・・・?」
気がつけば、観客の声援が止んでいた。みんなこっちをむいて固まっていた。
「あー、えーとその」
まずい。これは駄目なやつだ。誤解されている。どんな誤解をしているかは分からないが誤解しているのだけは分かる。
「えーとみなさん。大丈夫です。メルトさんは生きています・・・当て身です!!」
どこの花京院だよと心の中で突っ込んだが、しかし様子がおかしい。
よくよく観察してみれば、観客の目線はどうも俺とメルトの後ろに向いているようだ。
振り返った瞬間、
魔獣が空から降ってきた。





魔獣のことをすっかり忘れていた
後一秒遅れていたらおれはまた死んでいただろう。
メルトを左手で放り投げ安全を確保し後方に跳躍、魔獣がアリーナの地面に激突する。
地面を走り落ちてきたメルトの体をキャッチ。その前に三式が停止した。
(どうなっている?)
(魔獣の体内に高魔力反応を確認、激昂しているもよう)
確かに、さっきより稲妻の量や大きさが違う。目も赤くなっている。
(マスターが行動不能になったことで不安定になっているのか? アレサ、三式の制御をこっちに回してくれ)
(大丈夫ですか?)
(やってみるまでだ)
このままにしたら後々面倒なことになりそうだし、そもそもアリーナからも出られないだろうし。
後始末はしっかりとしなければ。
(C‐MOS、コンタクト開始(スタート))
頭の中に情報が流れ込んでくる。
(各部チェック・・・問題なし。さて)
ブースターを点火、突撃。







「おかしい・・・なぜ動いているんだ?」
C‐MOSを使わずWGを動かすことは普通できない。しかし、あのWGには人が乗っていない。
(三式のコックピットライトが点灯していない。人が乗っていれば点くはず・・・)
WGによる長時間の作戦行動は、機動砲台や航空駆逐艦が対フリークスの主力になった今でもよく行われる。
ただ、その間整備しなくてもいいというわけでは無い。一例をあげるなら、釧路第五基地恒例の冬の定期防衛戦だ。
毎年十二月の上旬。軍団規模のフリークスが釧路基地に攻撃を仕掛けてくる。これを殲滅することが冬の定期防衛戦なのだが、
フリークスがいつくるかが分からない。よって、十二月上旬の一定期間。二十四時間体勢で警戒に当たる。
その際、WGの整備は基地の格納庫(ハンガー)で行われず、野外で警戒態勢を維持したまま行われる。冬の釧路基地の気温は-100度にもなり、それはWGに装甲に悪影響を及ぼすため、一定時間ごとの整備が欠かせない。そういった野外整備における事故を防止するために採られた策の一つがコックピットライトだ。コックピット内にパイロットがいる場合自動的に点灯する。
しかし、今戦っている三式のコックピットライトは点いていない。
「もしかして光男君が遠隔操作しているのか? いったいどうやって・・・」
「それであたりだと思うよ。あの動き、光男君らしい。魔獣の動きを逆手にとって回避しつつ攻撃しているから」
いつのまにか僕の右横に眼鏡を掛けた黒髪の女子生徒がいた。
「たしか・・・同じクラスの黒崎さん?」
「そういうあなたは?」
「ああごめん。オール・オートンです」
「ああ、光男君が話していた友達の・・・終わるみたい」
「へ?」






(雷撃来ます!!)
(押し通す!!)
電撃が三式を直撃する。
しかし、かまわずブースターを吹かして三式を魔獣に突っ込ませる。
「蹴り飛ばせッ!!」
最高速からの蹴りが魔獣の頭部に直撃する。
魔獣の体が吹っ飛ばされそのまま隔壁に激突し・・・動かなくなった。
その直後、魔獣の倒れた所に紫色の魔法陣が現れ、魔獣が消えた。
思っていたより早く決着がついた。
いや、早すぎる。
(魔獣の反応消失、召喚システムの自動安全プログラムが作動したようです)
(それは使用者が行動不能になった時点で作動すべきものなんじゃ・・・)
まあいい。後は、
「これにて、私、朽木光男とメルト・ランズデイの決闘は、朽木光男の勝利をもって終了とする!!」
観客がどっと歓声を挙げた。なぜこんなに観客がいるのかは知らんが、とりあえず勝利宣言だして終わらせよう。
(後はこいつを保健室あたりに連れて行って・・・三式どうしよう)
(普通に格納庫に戻すのもいいですが・・・じつはクラッキングする際、システム関連を色々といじってしまって)
(そのまま格納庫にもどしたら確実にばれるだろうから全部元通りにしておいてくれ、先生方へは色々いって誤魔化しておくから)
(助かります)
そう言って俺は三式を見る。
機体に目立った外傷は無いようだ。これなら先生への誤魔化しは効くと思う。多分。
でもさっき電撃を受けたからなあ。中のほうで一部壊れているかもしれない。
(だからといってWGの整備ができるわけでもないな・・・)
そう思って一歩踏み出して・・・頭が割れた。
「!!!」
体のバランスが取れない。
糸の切れた人形のように倒れる。
地面に倒れこんだ。
倒れて初めて、俺は痛みを感じた。
痛い。
頭が、痛い。
体中が、痛い。
俺の意識がとんだ。




暗い。
暗い。
暗い。
闇。
闇。
闇。
傷。
傷。
傷。
痛い。
痛い。
痛い。
つらい。
つらい。
つらい。
後悔。
後悔。
後悔。
涙。
涙。
涙。
いらない。
いらない。
いらない。
無駄。
無駄。
無駄。
無意味。
無意味。
無意味。

夢。
優しさ。
勇気。

忘れた。
忘れた。
忘れた。
壊れた。
壊れた。
壊れた。

「・・・助けて」

Must not
You must not forget
 
bokuwa kokoniiruyo






「・・・ん?」
見たことがある。
ここは僕がこの世界で最初に見た部屋だ。
ベットに医療器具、病室だ。
「気がついたか?」
見れば、白衣の男性が立っていた。
どこかで見たような、いや、
「・・・あなたは確か、僕が目覚めたとき」
「ガサイだ。医療局局長。お前の治療を担当していた」
「医療局・・・」
ってあれ、まてよ、
「ここって、山城基地ですか」
「ああ、お前が浜大津総合学校で倒れたとの一報を受けてな、緊急搬送させてもらった」
「倒れた?」
「ああ。原因は分からんがな、すくなくともお前の壊死した脳が原因ではない。別のものだ」
「別の原因・・・」
だいたい想像がつく。
「まあ、無事でなりよりだ。そのまま帰ってもらっていい。では、私は仕事があるのでな・・・一日、そこで寝てもらっても構わない」
そういってガサイ局長は出て行った。
(根はやさしそうな人だな・・・しかしもう大丈夫なのか)
そう思って帰ろうとしたとき、病室のドアが開いた。
「ああ、光男君。ちょっといいかな?」
レオス総司令だった。
「何の用ですか?」
そ知らぬ顔で質問する。
理由はなんとなく分かる。
「三式(ワーカーマン)の遠隔操作について」
ですよねえええええ!!
「ええ、いや、ちょっといきなり決闘を申し込まれてその・・・ラリってしまって」
「その割には冷静な戦い方をしているようだったけど」
しまった墓穴を掘った。
「ほんとに偶然だったんです、なんかちょっと調子にのってしまって・・・」
「光男君、一応言っとくけど・・・僕は三式を遠隔操作したこと自体はとがめるつもりは無い」
・・・へ?
「僕が聞きたいのは、どうやって三式を遠隔操作したのかについてだ」




「・・・魔力には、思考や情報の伝達作用があるのはご存知ですよね」
「ああ、謎が多いことも」
「友達から聞いたんです。端末には、C-MOSに似たようなものがあるらしいと」
「事実だ」
「魔法や術式の提供、魔力の再分配を行うウィザードシステムの原型は、戦略機動隊の情報ネットワークである戦略情報ネットワークであることも」
「その通りだ」
「そこで気づいたんです・・・戦略情報ネットワークは、魔力そのものを利用しているのではないかと」
ウィザードシステムは魔法や術式の提供、魔力の再分配を行う。だから、それに魔力を用いるということは当然と言えば当然だ。
その原型である戦略情報ネットワークも魔力を利用している可能性は高い。
そんなに原型からアレンジできるわけが無い。
「自身の魔力回路を戦略情報ネットワークに接続して、直接『入った』んだね、WGとコネクトするみたいに」
「はい。後はそれを辿ってWGのシステムに侵入すれば終わりです。WGも戦略情報ネットワークを使っていますから」
魔力回路は文字通り魔力を扱うものだ。そして魔力は思考や情報の伝達作用がある。要は自らの魔力回路を介して自らの脳を戦略情報ネットワークとつなげることは可能なのだ。
C‐MOSでWGと繋がる事と同じように。
ネットワークと脳をつなげるって、どこのサイボーグだよ全く。
あとはどこでも侵入できる。思考するだけで入っていくことができる。
1と0という数字で構成された電子ネットワーク上でハッキングを行うよりか遥かに楽だ。
知識が無くてもできる。
・・・実弾を装填している三式があるとは知らなかったがな!!
学校になんて物置いてるんだまったく・・・けど、
「あるものと協力してやったんです・・・妖精のようなものと」
俺とアレサがリンク、つまり互いの魂をつなぎ、俺の魔力回路を使用して戦略情報ネットワークに侵入、
後はアレサに三式を遠隔操作してもらった訳だ。
つまり、実際に三式の制御系を乗っ取ったのはアレサだ。
「そいつはどうも魔力回路無しで戦略情報ネットワークに侵入できていたようなので全部任せようと思ったんですが・・・ただWGの制御を奪うのは難しいなと思って」
「君の魔力回路を通して戦略情報ネットワークとのパイプを太くして対応しようとしたわけだ」
「そういうことです・・・実は戦略情報ネットワークへの侵入もその妖精のようなものにやってもらったんです」
「つまり、君は発案と魔力回路を貸しただけで、実際はその妖精のようなものがやったってことでいい?」
「ええ・・・そういえばそうなりますね」
どうやって俺の魔力回路と戦略情報ネットワークを繋げたのかは知らない。
「ちなみに、その子、いまどこに?」
「? 自分の部屋ですけど」
「そうか・・・さっきエルメスたちがすごい笑顔で君たちの部屋から女の子をさらっていったけど、そういうことか」
「・・・マジですか」
嫌な予感しかしない。
「まあ、これで質問は終わりだよ。ありがとう」
「いえ、こちらこそご迷惑をおかけして・・・」
「いいよいいよ・・・あっ忘れてた」
レオス総司令は何か思い出したらしく、病室の外から段ボール箱をもってきた。
「これは?」
「古着だよ。いや、君私服が無いだろう。合うかどうかは分からないけど。貰っといてくれ。じゃあ」
そういってレオス総司令は病室を出て行った。
しかし古着とはまた親切な、
「いったい何がはいっているんだろうな・・・ん?」
ダンボールの中には、青地に金色の格子模様が入ったはんてん、黄緑色のパーカー、赤いラインの入ったジャージが入っていた。
俺の私服とまったく同じだった。



「なんで・・・これが?」
いや、違うだろう。僕の私服は燃えた筈だ。これは俺の私服と同じ種類のものというだけで、同じものではないだろう。
とりあえず着てみよう。
「・・・うわあ」
同じ感触だ。俺の私服と全く同じだ。
鏡を見ても、右目の眼帯と眼鏡をのぞいて以前の俺と全く同じだった。
「こんな偶然ってあるもんだな」
にわかには信じがたいが、事実だ。
心無しか、落ち着く。
「・・・つーか俺、こんな服装で戦っていたんだな」
今から思い返してみれば、非常に危険な服装だ。
火がついたら一瞬で体中が燃える。
「どうせだし、このままの服装で部屋に戻るか」
俺は制服を畳み、茜がもってきたと思われる学生鞄に詰め込み、帰ろうとしたとき。
病室の扉が開いた。
「もう帰るのかい? もうちょっと寝てても問題ないんだけど」
年齢は二十代、男性、黒い服に、黒いズボン、サングラス。
どこからどうみても不審者である。
そいつが、病室の扉を開けて入ってきた。
「やあ、始めまして、光男君」
そいつは名乗った。
「僕の名は、ライターと言う」




  
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