これはひとつの愛の形

アクア連合国編 ＊見守り？＊

裏話のような真実

～神々の素朴な疑問～

　人の伝承に、イヴという存在があった。神々からの寵愛を受け、神々の癒しとなる人間の話だ。
　ちょっと待って欲しい。
　寵愛？癒し？
　そもそもイヴって誰？？
　もしかして、ホントもしかしてだけどさぁ。
　ｉｆのことじゃないよね？
　え？違うよね？冗談だよね？
　だとしたらマジ勘弁して下さい。
　何でそんな話に変質してんの？
　あれ、変態だから。ただの変態だから！


＊～＊～＊～＊～＊


～ｉｆという存在～

　ソレは、いつからかそこにいた。
　ソレ自身、いつからそこにいたのかわからない。この世界のあらゆる偶然から、ソレは生まれた。神々の理から外れた存在。
　ソレは何にでもなれた。
　すべての可能性を秘めた存在だった。
　もしかしたら、この時代、この時間、女性として生きていたかも知れない。もしかしたら、魔物として生まれていたかも知れない。もしかしたら、風だったのかも知れない。もしかしたら。あらゆる時代のあらゆる時間軸で、あらゆる存在であった可能性。
　それがｉｆという存在だった。
　ただひとつ、神にはなれなかった。
　そして神は、ｉｆに干渉が出来なかった。
　お互いが不可侵の存在。
　ｉｆは時々人間に肩入れすることがあった。世界情勢が一変するようなことになっても、神々はｉｆのすることに干渉出来ない。だが神々は、それさえも楽しんでいた。予定調和の世界など面白くないからだ。ｉｆ自身が世界を壊そうとする存在ではないので、放置していて問題がなかったことも大きい。
　互いに利益が一致すれば交流も持つし、何でもなくても時々お茶をすることもあった。ｉｆのやることにドン引きすることもあったというか、だいたいドン引きするし、気に入る人間の趣味もよくわからない。それでも神々は、ｉｆが動くと退屈をしないことを知っていたので、高みの見物をしているのだ。
　変態だけど。