転生したら王族だった

みみっく

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第三章 ‐ 戦争の影

161話 セリーナの決意と宣言

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 ダミエンは一瞬考え込むような表情を浮かべた後、小さく頷いた。「わかった。セリーナ様とのお話、慎重にお願いする。」その言葉には、レイニーへの信頼と同時に、複雑な思いが込められているようだった。

 一方、アリシアは少し不安げな顔を見せながらも、「……そうね、二人で話をした方がいいかもしれないわね。」と口を開いた。彼女の声には微かな戸惑いが含まれていたが、それでも納得した様子で立ち上がり、ダミエンと共に部屋を後にした。

 静寂が訪れ、客間にはレイニーとセリーナだけが残された。セリーナは隣に座るレイニーを見つめながら、不安そうな表情を浮かべていた。その黄金に輝く瞳がうるっと潤み、彼女の胸中の動揺が隠せない。

「……セリーナ。」レイニーは少しだけ息をつき、真剣な眼差しで彼女に向き合った。「どうしてあんなことを言ったんだ?君が本当に何を考えてるのか、ちゃんと教えてくれないか?」

 セリーナは目を伏せたまま、小さく震える声で呟いた。「……わたし、ただ……レイニー様が、わたしのことをもっと見てくれるようになればって……そう思っただけ……。」彼女の肩が小さく揺れ、その姿には普段の堂々たる態度は全くなかった。

「そうか。……構ってほしくて言ったのか。」レイニーはソファーに深く寄り掛かりながら、静かに呟いた。その声にはどこか優しさが滲んでいた。

「そんな感じ……だけど、ちょっと違う。さっきから言ってるっ! ……レイニー様と一緒にいたいの!」セリーナはぷくーっと頰を膨らませ、少し拗ねたような表情でレイニーを睨むように見つめた。その仕草は普段の堂々とした態度とは異なり、どこか愛らしさを感じさせた。

「また、そんな顔をして。」レイニーは軽く笑いながら、そっとセリーナの頬に指先を触れた。その瞬間、絹のような滑らかさが指先に伝わり、押せば静かに形を変え、弾けるような感触が広がった。その温かさは、ただの人のぬくもりを超え、心に優しい灯火をともすようだった。

 レイニーの手の温かさに、セリーナの表情が一瞬だけ柔らかくなった。ぽわぁ……とした表情を浮かべながら、頬が徐々に赤く染まっていく。「はじめて……触られた。……ちゃんと責任を取ってもらいますから!」セリーナは少しためらいながらも意を決したように、ぼふっとレイニーの胸に抱きついた。

「むぅ……わたし、決めました。レイニー様についていきます! 待っているだけなんて、わたしらしくありませんし。欲しいものは手に入れないと気が済まないんですっ!」セリーナはプニッとした頬をレイニーの胸に押し付け、安心したような優しい声でそう告げた。

「なぁ……俺の意思はぁ?」そう呟きながらも、抱きつかれて嫌な気分はしていない。むしろ、セリーナの柔らかな頬の感触と温もりが心地よく、彼女から漂う甘い香りが胸をくすぐる。キラキラと輝くプラチナ色のサラサラした髪が、微かに揺れるたびにその香りが広がり、思わず目を閉じてしまいそうになる。

「……まぁ、悪くないけどさ。」心の中でそう呟きながらも、彼女の存在が自分の中に静かに溶け込んでいく感覚に、戸惑いと安らぎが入り混じる。
 
「そんなの、知らないです。……イヤ、なのですか?」自信満々な顔で見上げて言ったかと思うと、急に不安そうな表情に変わり、問い返してきた。その瞳は怯えたように潤み、金色に輝くその可愛らしい瞳が、まるで訴えるようにこちらを見つめている。口元は小さく震え、今にも泣き出しそうにへの字を描いていた。

 その姿に、思わず胸が締め付けられるような感覚が広がる。どうしてこんなにも彼女の一挙一動が心を揺さぶるのだろうか、と自問せずにはいられなかった。

「俺に……何のメリットもないんだけどぉ……」照れ隠しで意地悪するように呟いた。けれど、その声にはどこか楽しげな響きが混じっている。

「……はぁ? 王女に好かれて、なんのメリットもない?? このわたしが……す、好きだって言ってるのにぃ……! ば、ばかぁ。」セリーナは再びぷくーっと頬を膨らませ、抗議の視線を向ける。その表情があまりにも可愛らしくて、思わず笑いをこらえきれない。

「おいおい、そんな顔しても説得力ないぞ。」セリーナの言葉をスルーしながら、両手で柔らかな頬をぷにっ、ぷにっと押してみる。その感触を楽しむように、何度も繰り返すと、セリーナは「むぅー!」とさらに頬を膨らませた。

「もうっ! レイニー様の意地悪!」と拗ねた声を上げながらも、セリーナはどこか嬉しそうな表情を浮かべていた。その愛らしい姿に、思わず心が温かくなるのを感じる。

「むぅ……。わたしの頰で……遊んで楽しんでます?」セリーナは少し動揺した様子で問いかけてきた。

「まーね。気持ちいい柔らかさだよなっ。」俺がいたずらっぽく笑いながら言うと、セリーナは一瞬驚いた後、にぱぁぁと満面の笑みを浮かべた。
 
 もちろん、セリーナの頬に触れることを許された者など、王である父親ですらいなかった。だが、レイニーに触れられた瞬間、セリーナの心は温かさに包まれ、幸せな気持ちが溢れ出した。彼女自身も、もっと触れてほしいと願うようになっていた。
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