2 / 6
いい()この夜
しおりを挟む
2月末。閏年。楽しくぼんやり生きている今日この頃。
外で飲んだけど飲み足りなくて、物足りなさと共に家に着いた。
妙に冷めた頭で、そういえばいいたこがあったなといそいそと水割りを作る。特別さはないけど、25度のいいたこは美味しい。さすが本町のナポレオン!つまみは鯖缶で1人酒盛りをはじめた。
思い返しても、安いやつだなと笑ってしまうがまぁそれで来ちゃったんだから仕方がない。
ひさびさの家飲み。水割りを2杯。やっぱり家で飲むとまわるのがはやい!
少し出来上がった頭で同じ名前で度数の違う焼酎を眺める。前の飲み会で誰かが持ってきた20度のいいたこ。飲んでいるのは25度のいいたこ。
これはやるしかない!飲み比べようとグラス2つに濃いめの水割りを用意する。
さぁさぁ飲みましょう!とことん飲みましょう!
1人しかいない部屋、明日が休みで浮かれながら声に出した。結構酔ってる。
多分楽しげな祭りごとのように聞こえたのだろう。飲むのは好きだが酔うのは早い。自覚はある。
言い終わるや否や、ぐっと空気に重さが生まれてゆらめきが止まったように感じた。え?!そんなに酔ってるのか?!なんだ?目眩…?
少ししかグラスに入れていない氷がクルンと動いた。それからはもう。。みるみるグラスの酒が減っちゃってしかも25度の方。
よくわからないながらも負けじとこちらは20度を煽る。
多分そこで引かないのは町生まれだからだろう。だんだん楽しくなって無くなれば注ぎを繰り返す。最初はどちらのいいたこも自分が注いでいたが、遅いと判断されたのか、わりとすぐ勝手に瓶の酒が減ってグラスの酒が増えていった。なんの術だ笑 笑うしかない。
もう薄々わかってるけど、多分素面なら言わなかったかな。よく考えずに口が動いた。
「なぁ天狗さん、突然なんでこの部屋に?」完全に酔った勢いで話しかけた。
ゆらめきが大きくなり、時間が過ぎる。
聞いちゃダメだったのか?酔うと言わなくてもいいことたまにゆっちゃうよな…と不安になったぐらいにやっと答えがきた。
ハスキーな声だ。酒焼けかもしれないが。
「突然ではない。小さい頃からお前のことは時々見ていた。良い子どもだったが、良い大人になったな。。さて、まだ飲むぞ!」
良い大人にとは酒飲みのことか?なんだかよくわからんが、天狗さんはバレればもうなんでも良いのか、うっすら形も表し始めた。
どうやらうちの天狗さんは、成人サイズのオーソドックスなタイプみたいだ。
外で飲んだけど飲み足りなくて、物足りなさと共に家に着いた。
妙に冷めた頭で、そういえばいいたこがあったなといそいそと水割りを作る。特別さはないけど、25度のいいたこは美味しい。さすが本町のナポレオン!つまみは鯖缶で1人酒盛りをはじめた。
思い返しても、安いやつだなと笑ってしまうがまぁそれで来ちゃったんだから仕方がない。
ひさびさの家飲み。水割りを2杯。やっぱり家で飲むとまわるのがはやい!
少し出来上がった頭で同じ名前で度数の違う焼酎を眺める。前の飲み会で誰かが持ってきた20度のいいたこ。飲んでいるのは25度のいいたこ。
これはやるしかない!飲み比べようとグラス2つに濃いめの水割りを用意する。
さぁさぁ飲みましょう!とことん飲みましょう!
1人しかいない部屋、明日が休みで浮かれながら声に出した。結構酔ってる。
多分楽しげな祭りごとのように聞こえたのだろう。飲むのは好きだが酔うのは早い。自覚はある。
言い終わるや否や、ぐっと空気に重さが生まれてゆらめきが止まったように感じた。え?!そんなに酔ってるのか?!なんだ?目眩…?
少ししかグラスに入れていない氷がクルンと動いた。それからはもう。。みるみるグラスの酒が減っちゃってしかも25度の方。
よくわからないながらも負けじとこちらは20度を煽る。
多分そこで引かないのは町生まれだからだろう。だんだん楽しくなって無くなれば注ぎを繰り返す。最初はどちらのいいたこも自分が注いでいたが、遅いと判断されたのか、わりとすぐ勝手に瓶の酒が減ってグラスの酒が増えていった。なんの術だ笑 笑うしかない。
もう薄々わかってるけど、多分素面なら言わなかったかな。よく考えずに口が動いた。
「なぁ天狗さん、突然なんでこの部屋に?」完全に酔った勢いで話しかけた。
ゆらめきが大きくなり、時間が過ぎる。
聞いちゃダメだったのか?酔うと言わなくてもいいことたまにゆっちゃうよな…と不安になったぐらいにやっと答えがきた。
ハスキーな声だ。酒焼けかもしれないが。
「突然ではない。小さい頃からお前のことは時々見ていた。良い子どもだったが、良い大人になったな。。さて、まだ飲むぞ!」
良い大人にとは酒飲みのことか?なんだかよくわからんが、天狗さんはバレればもうなんでも良いのか、うっすら形も表し始めた。
どうやらうちの天狗さんは、成人サイズのオーソドックスなタイプみたいだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる