私勇者です!がんばります!!

春夏秋彦

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世界観

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 『よいか勇、調子に乗るのがお前の悪いとこじゃ
 自信を持つ事と慢心する事は全く別じゃ!!
 いつでも自信を見つめ直してだな・・・』

 おじいちゃん・・・・

 『おじいちゃ・・・・・
 ん!!!』

勇はガバッと起き上がる

 『はぁ~夢??・・・・
 おじいちゃん・・・夢かぁ・・・
 こっちの異世界が夢じゃないのね・・・』

辺りをキョロキョロする勇
見慣れない部屋
大きなベッド、高い位置の窓から見える
どこまでも続く大自然

 『やっぱり違う世界に来ちゃったんだよね・・・』

勇は改めて昨日からの一連の出来事が
夢ではなかった事を理解する

夢うつつだったが少しずつ目を覚ます
昨日は魔人討伐後のお城で
ちょっとした打ち上げが始まった
姫様と仲良くなって名前呼びになったのと
いろいろご飯が美味しかったのと
ずっとパンツ見えてたのを思い出した

 『最後のはもう忘れよう///』

ベッドの上で体を起こし外を眺め
ボーッとしていると
 
 コンコン

 部屋をノックする音がし

 『勇~起きてる?』

姫様、マリエルことマリーの声だった

 『起きてるよ~ん』

と答えるとドアが開き
マリーが顔をヒョコッと出して

 『入ってもいい?』

と聞いてきた
勇は笑顔でうんうんと頷くと
マリーはベッドまで走ってきてダイブし
勇に抱きついて

 『おっはよ~
 よく眠れたかしら?』

かわいらしい顔で聞いてくる
昨晩改めて挨拶された時とは段違いだ
あの時は泣きながら
 
 『勇様、改めて我が国を救って頂き
 ありがとうございます
 感謝してもしきれないくらいです
 そして勇様・・・
 私達は勇者とは成人男性が来られると
 勝手に決めつけておりました
 まさかこんなにかわいい少女が来るとは
 思っておらず・・・・
 あなたを召喚するにあたって
 ご両親との生活を無理やり
 切り離してしまったのではと思うと
 危機とはいえ私どもの一方的な理由で
 勇様を1人この世界へ呼び寄せてしまった事を
 なんとお詫びしていいか・・・・』

とまぁこんな調子で泣きながら頭下げてたのに
勇もマリーもお互い年齢も近かった為
打ち解けてしまえば仲良くなるのも早かった
勇はそんな事を思い出しながらマリーを見てた

 『なぁに勇?なんかついてる?
 それよりも朝ごはんにしましょうよ』

マリーが手を叩くとメイドさん達が
朝食を2人分部屋に準備してくれた
それを食べつつ2人でいろんな話をした
マリーは今後の事を相談するにあたって
レイを交えてこの世界の情勢などを
聞いて欲しいと言ってきた
勇にとっても願ってもない話だった
この世界の事を知らないままでは
いろいろ不便だったからだ

朝ごはんを食べた2人は
レイが待つ執務室へ向かった
その道中、マリーがお城の案内もしてくれた
執務室に入るとレイトとガモンドが
立って話をしていた
勇とマリーは2人に挨拶をした後
机を挟んで勇とマリーは隣同士に
レイは反対側にすわる
ガモンドは護衛の任があるようで
扉近くにたったままである
レイが机に地図を広げて説明を開始する

 『勇様、それでは僭越ながら
 私が現在の情勢などを踏まえたお話を・・・
 まず我が国を中心とした地図でございます
 この中心にある国が
 我がセントガーベラルシアでございます
 そしてこの北に位置する大国が
 ライダンテオン帝国といいます
 現在この国との国境付近に
 騎士団が常駐しており
 帝国の騎兵団との交戦が続いております
 元々帝国とは友好関係で交易もあったのですが
 2年程前に魔人が帝国に取引を持ちかけたと
 いう噂が立ちました
 その内容が、攻め入られたくなければ
 国民を100名よこせ
 との事だという話です
 そして実際に100名の国民を魔人に生贄として
 捧げたという話が我が国に伝わりました
 帝国に話の真意を求めたのですが
 そんな事実はないの一点張りでした
 我が国の諜報員を潜入させた所
 おそらく魔人との取引に応じた事は
 間違いなかったのですが
 確たる証拠が掴めないままでした
 魔人との戦いに備えて
 世界を一つにという我が国の
 呼びかけに対して帝国の答えは
 宣戦布告でした
 こちらとしては寝耳に水でして
 いきなり攻め込まれた為
 騎士団長率いる騎士団の大半を
 帝国との国境付近に配備し対応していました
 しかし、そのいざこざの最中でした
 南の国境付近のレミス村が
 どこからともなく現れた
 アンデット軍の襲撃にあい
 壊滅状態に陥ってしまったのです
 レミス村からの救援要請が届き
 王都に残していた騎士団の半数と
 アンデットを浄化させる為の神官数十名を
 レミス村に向かわせて、レミス村で先に対応にあたっていた
 魔術師組合と合同でアンデット軍の殲滅にあたっています
 そんな時に手薄となった王都への襲撃が始まりました
 ヘルファングという大型の狼の群れが
 我が国を取り囲むように暴れ
 王都に行き来する人々に被害が出てしまいました
 王率いる近衛兵と騎士団の少数でこれを討伐
 しかし王様が深傷をおってしまわれました
 そして姫様が代理での対応になったのですが
 そこへオーガの襲来
 王も騎士団もさらに少数になり
 我が国が窮地に立たされました
 ガモンド様と姫様が兵をつのり
 国防騎士団を急遽結成したのですが
 訓練すらままならない状態
 寄せ集めの兵では戦力差が
 大きすぎてオーガには歯が立たず・・・
 そして姫様のご決断で
 200年前に一度行われたという
 勇者召喚儀を行う事となりました
 勇者召喚の儀は大量の魔力を必要とします
 我が国は勇者召喚にあたり70年前から
 魔力を少しずつ貯めてきたのですが
 実際にはまだ魔力は足りず
 そこで神官全員で魔力供給をし
 更に不足分は
 姫様の膨大な魔力の全てを
 勇者召喚に注ぎました
 姫様のおいてはさぞお辛かった事かと・・・
 しかしそのおかげと申しますか
 勇様に我が国を救って頂いた訳であります
 勇者召喚にあたっては反対派もいた為に
 勇様が召喚なされた時には
 心ない声をお耳にしたかもしれません
 変わってご無礼に対しお詫び申し上げます
 ここまでが勇様を召喚させて頂く事になった
 経緯でございます
 そして次に魔人について・・・ですが
 実際の所2年くらい前から魔族の動きが
 活発になりました
 それまでも脅威ではありましたが
 ここまで攻め入られたり、取引の持ちかけなど
 侵略を目的とするような行為はなかったのです
 そもそも魔族が今回のように
 何かしらの策を立てるなど・・・
 我が国への強襲などをとっても
 策略が講じられているのは明らか
 どこから現れて、今一体何を目的としているのか
 全く掴めていない状況です
 その他、現在調査中ですが
 港町モネフィラの周辺に現れる海獣が
 船舶を襲い多数被害がでております
 北西の山岳地帯にある
 アダリ村周辺の異常気象
 冬が長すぎているとの話があります
 気温低下がおさまらないとの話も・・・
 そもそも雪国なのですが
 そろそろ暖かくなってもという時期なのに
 いつまで立っても真冬以下の気温だとか
 現在魔族が関与している可能性があるのは
 これくらいかと・・・
 しかし、いつどこで何が起きても不思議ではない
 今、世界は未曾有の危機であると思っております
 以上でございますが、勇様何かご質問はありますか?』

レイからの問いかけに勇は

 『魔族や魔人って人と違う種族の事なのかな?』

レイは軽く咳払いをして勇の質問に答える

 『魔族というのはですね
 我々のこの世界とは別の魔界と
 呼ばれる場所に住む住人の事を指しています
 魔界がどこにあるか、と言うのは
 判明しておりません
 魔族にも我々人界と称しているこの世界の住人と
 同じように種族が存在すると考えられていますが
 我々には知る術がないのです
 今回のように人ではなく魔物の姿で
 人の言葉を話すタイプの魔人は
 分かりやすいですが
 彼らが人のそれを同じ見た目なら判別はつきません
 名乗られて初めてその存在がわかるという感じですね
 ちなみに人界の種族についてですが
 人族、獣人族、エルフ、ドワーフ、海人族
 と分かれていますが、同じ世界の住人として
 皆同じように接していますし、恋愛や結婚にも
 特に規制はありません
 また魔獣についてですが
 街の外などにいる魔物がそれにあたります
 魔獣は魔素が存在する限りいなくなる事はないと 
 されています
 魔素を元に生成されており数が減れば
 勝手に現れてきます
 もちろん魔獣同士の交配によっても生まれますが・・・
 魔素とは魔法を使う為の魔力の元素とされており
 この世界から魔法がなくならない限りは
 魔獣と共に生活する事になりますね
 その為、大きな街の周辺は小規模で
 比較的弱いとされる魔獣が多いです
 魔素が人によって消費され
 魔素の濃度が薄くなっている為とされています
 山奥で人を含め
 魔法を使う生物が少ない場所では
 魔素が濃くなり大型で強力な魔獣が
 多くなるとされています
 大まかではありますが以上で私の話と
 させて頂きます』

 プシュ~~~~

勇は煙を上げて白目を向いてる
マリーがクスクスと笑ってレイに
 
 『レイ、話が長すぎるのよ!
 勇、難しい話はこの辺にしておきましょ
 それより私と街に行きましょうよ
 勇の必要な物を買いに行くついでに
 私とデートしましょう』

マリーはとても嬉しそうだ
レイは心配で仕方ない様子で

 『それでは私もご一緒致します』

と言った瞬間にマリーの顔付きが変わる
そしてレイを睨みながら

 『なぜあなたも来るのかしら?』

と冷たくあしらうとレイは

 『いえ、しかしですねお金の事もありますし
 お二人だけでは何かあったら
 それこそ一大事になりますし・・・』

レイは慌ててマリーの説得にあたるが
マリーは

 『お金なら私が払えます
 2人でも勇がいれば安全でしょ
 ね、ガモンドのおじさま』

マリーはガモンドに笑顔で同意を求める
ガモンドは目を閉じ咳払いをして
レイには申し訳ないと思いつつも
大きく頷いた
それを見たマリーは

 『という訳なので
 あなたは来なくて結構です』

と言ってマリーはソッポを向く

 『いやでも、ですね・・・』

レイは何やらボソボソと諦めの悪い感じで
マリーを見ていると
それがイラっとしたのだろう
マリーはレイに

 『あなたは昨日なくした聖剣でも
 探してきなさい!!
 勝手に持ち出して無くしてくるなんて!!
 見つかるまで帰ってこなくて結構です!!!』

それを聞いたレイは

 『そ、そんな~~~』

分かりやすく落ち込んでしまった

続く
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