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豚とレミス村
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マリーと城内を散歩していた時
レイが慌てて呼びに来た
『姫様、レミス村が・・・
レミス村が敵の手に落ちました
応援要請の手紙が隼にて届きました
内容は・・・』
アンデットの大群と一進一退でしたが
やつらの中にドラゴンゾンビが出現
全力を持ってこれを討伐したのですが
我が軍に多大なる被害が発生しました
こちらの戦力低下に伴い
レミス村がアンデットの手に落ちてしまいました
アンデット軍の後方で指揮を取っていたリッチが
動き始めたのですが
やつの魔力は想像以上に強大で
こちらの神官では止める事ができず
また腐敗の範囲魔法を破る事ができない為
やつに攻撃を当てる事すら不可能
多大なる被害を出した上に
泣き言を言うようで
大変申し上げにくいのですが
どうか姫様のお力をお借りできないでしょうか?
( 魔術師組合マスター ラシエル=リュフト)
『と言った内容です、姫様』
マリーへの支援要請だったが
顔つきが浮かない
『私・・・ですか・・・
今の私が行っても
お力になれるかどうか・・・』
マリーは魔力の全てを勇者召喚の儀に
使った為、未だ全開していない状態だった
マジックポーションで随分と回復はしたのだが
戦場でしかも前線に立ったとして
現状を打破する事ができるほどではなかった
『ラシエル殿ですら
手を焼く相手に
今の私では力不足かもしれませんが
私を頼ってくださったのです
微力だとしても期待に応えましょう』
マリーはレミス村へ行く決意をしたのだが
レイをはじめとする家臣達が
マリーの決断に反対した
『姫様そのような状態で
行かれてはいけません
まだお体が本調子ではないのに
戦場に行くなど・・・』
家臣達とマリーが言い争いを始めた
マリーの性格からすると
行くと絶対無理をしてしまう
皆にはそれが分かっていたのだ
戦えない事はない
だが相手はかなり危ない相手だ
戦場でもし倒れたら
取り返しのつかない事になる
それこそ国の一大事だ
家臣達の思いはマリーにも分かっている
しかしレミス村の人達はすでに犠牲者が出ている
となるとマリーとしてはほってはおけない
マリーと家臣達で意見が別れ
どちらも引かない為、言い争いになっている
勇はマリーと家臣達の言い争いに
割って入った
『あの~私行きましょうか?
それこそ役に立つかどうかですけど・・・』
魔人を撤退させた勇者なら、と
皆の期待が膨らむのは当然であった
レイと含め家臣達は大喜び
だがマリーが反対した
『勇には少し相手が悪いかもしれません
アンデットに対して素手というのは・・・
遠距離、もしくは魔法攻撃が有効手段と
されています
勇が強いのは分かっていますが
相性がよくありません
しかもリッチがいるうえに
魔術師組合のマスターですら
手を焼く高い魔力を持っているようですし・・・』
アンデットに対して素手、接近戦は
あまりお勧めではないらしい
勇の場合敵との相性は不利な状態になっている
という事が話の流れから推測される
勇は家臣達の勇者に対する期待と希望
そして姫様を行かせたくないという思いを
到底無視できなかった
というか空気読めば勇しかいなかった・・・
もちろん戦いなんて無い方がいいのだが
それでも
今この空気は私しかいないよな~
と思っていた
みんなの視線が痛い
『あの~リッチってお金に物言わすタイプの人ですか?』
全員が?となったが
勇の知識の中には
リッチ=お金持ち
だった
マリーとレイ、家臣達は質問の意味が
分からなかったが
レイは勇の質問に対してそのままの返答をする
『いや、どうでしょう・・・
お金、持ってるんですかね??
見た目はそんなお金持ってなさそうですが・・・』
それを聞いた勇は
『ふむ、なるほど・・・
自分に投資しないタイプの人か?
もしくは倹約家?いやそれはないか・・・
そういうのはリッチとは言わないもんな・・・』
話が噛み合ってそうでなさそうな会話が続いた
結局家臣達全員の説得により勇が行く事になった
マリーは自分も行くと言って暴れた
勇がなだめて渋々納得する
『ゆう~~~お願いだから気をつけてね、グスン
絶対無茶したらダメだからね・・・グスン』
勇は半泣き状態のマリーの頭をナデナデして
『大丈夫、無理はしないよ』
そう言って出発の準備にかかる
騎士団を数名
レミス村奪還後の教会復興に
神官と新兵を1名ずつ
そして勇を数台の馬車で移動する事になった
街門の外で物資を搬入している間
勇はレイの説明受ける
馬車でレミス村まで2日かかるそうだ
勇は2日もかかると暇だな~と思ったが
スマホや本があるわけでもないので
どうやって時間潰すかな・・・と悩んでいた
街門前でそんな事を考えて馬車の到着を待っていると
マリーが勇の馬車を特別使用の物にしてくれた
しかし、それは王族のしかも姫様仕様
『アハハ、マリーこれはちょっと・・・
これじゃあシンデレラだよ~
目立ちすぎてちょっと恥ずかしいかな、アハハ』
せっかくの好意だったが
土下座して普通の馬車に変えてもらった
レイがあちらに隼を飛ばしておきますと言って
1羽の鳥をカゴから出した
クルック~~~
『鳩じゃん・・・・』
どっからどうみても鳩だった
手紙つけて空に放った瞬間
高速でビューンと飛んで行った
『おおう、鳩、やるな
すごい出世した感じがする』
しかも認識阻害の魔法がかかっており
天敵などに見つかる事はないそうだ
日本でも伝書鳩っているもんな~
レースもあるっていうし
あの鳩なら優勝だな
とか思いながら鳩を見送り自身も出発をする
『それじゃ行ってきます』
泣いているマリーに手を振って
街を後にする
数時間後馬車の適度な揺れに
気持ちよくなって
よだれを垂らして寝ていた勇
外から大きな声が聞こえてきた
少し目を覚ましかける勇
そして馬車のドアが叩かれる
『勇様!勇様!!
大変失礼いたします!!
豚です!豚がでました!
ぜひお力をお借りしたいのですが!』
ここで完全に目が覚めた
『ひゃい!?はぃ起きてます!!!
え?え?
ぶ・・・豚???
野生の豚?
え?食べるの?
捕まえるの??』
勇は寝起きまぶたを擦りながら
馬車のドアを開けた
そこで見た光景に驚いたのだった
続く
レイが慌てて呼びに来た
『姫様、レミス村が・・・
レミス村が敵の手に落ちました
応援要請の手紙が隼にて届きました
内容は・・・』
アンデットの大群と一進一退でしたが
やつらの中にドラゴンゾンビが出現
全力を持ってこれを討伐したのですが
我が軍に多大なる被害が発生しました
こちらの戦力低下に伴い
レミス村がアンデットの手に落ちてしまいました
アンデット軍の後方で指揮を取っていたリッチが
動き始めたのですが
やつの魔力は想像以上に強大で
こちらの神官では止める事ができず
また腐敗の範囲魔法を破る事ができない為
やつに攻撃を当てる事すら不可能
多大なる被害を出した上に
泣き言を言うようで
大変申し上げにくいのですが
どうか姫様のお力をお借りできないでしょうか?
( 魔術師組合マスター ラシエル=リュフト)
『と言った内容です、姫様』
マリーへの支援要請だったが
顔つきが浮かない
『私・・・ですか・・・
今の私が行っても
お力になれるかどうか・・・』
マリーは魔力の全てを勇者召喚の儀に
使った為、未だ全開していない状態だった
マジックポーションで随分と回復はしたのだが
戦場でしかも前線に立ったとして
現状を打破する事ができるほどではなかった
『ラシエル殿ですら
手を焼く相手に
今の私では力不足かもしれませんが
私を頼ってくださったのです
微力だとしても期待に応えましょう』
マリーはレミス村へ行く決意をしたのだが
レイをはじめとする家臣達が
マリーの決断に反対した
『姫様そのような状態で
行かれてはいけません
まだお体が本調子ではないのに
戦場に行くなど・・・』
家臣達とマリーが言い争いを始めた
マリーの性格からすると
行くと絶対無理をしてしまう
皆にはそれが分かっていたのだ
戦えない事はない
だが相手はかなり危ない相手だ
戦場でもし倒れたら
取り返しのつかない事になる
それこそ国の一大事だ
家臣達の思いはマリーにも分かっている
しかしレミス村の人達はすでに犠牲者が出ている
となるとマリーとしてはほってはおけない
マリーと家臣達で意見が別れ
どちらも引かない為、言い争いになっている
勇はマリーと家臣達の言い争いに
割って入った
『あの~私行きましょうか?
それこそ役に立つかどうかですけど・・・』
魔人を撤退させた勇者なら、と
皆の期待が膨らむのは当然であった
レイと含め家臣達は大喜び
だがマリーが反対した
『勇には少し相手が悪いかもしれません
アンデットに対して素手というのは・・・
遠距離、もしくは魔法攻撃が有効手段と
されています
勇が強いのは分かっていますが
相性がよくありません
しかもリッチがいるうえに
魔術師組合のマスターですら
手を焼く高い魔力を持っているようですし・・・』
アンデットに対して素手、接近戦は
あまりお勧めではないらしい
勇の場合敵との相性は不利な状態になっている
という事が話の流れから推測される
勇は家臣達の勇者に対する期待と希望
そして姫様を行かせたくないという思いを
到底無視できなかった
というか空気読めば勇しかいなかった・・・
もちろん戦いなんて無い方がいいのだが
それでも
今この空気は私しかいないよな~
と思っていた
みんなの視線が痛い
『あの~リッチってお金に物言わすタイプの人ですか?』
全員が?となったが
勇の知識の中には
リッチ=お金持ち
だった
マリーとレイ、家臣達は質問の意味が
分からなかったが
レイは勇の質問に対してそのままの返答をする
『いや、どうでしょう・・・
お金、持ってるんですかね??
見た目はそんなお金持ってなさそうですが・・・』
それを聞いた勇は
『ふむ、なるほど・・・
自分に投資しないタイプの人か?
もしくは倹約家?いやそれはないか・・・
そういうのはリッチとは言わないもんな・・・』
話が噛み合ってそうでなさそうな会話が続いた
結局家臣達全員の説得により勇が行く事になった
マリーは自分も行くと言って暴れた
勇がなだめて渋々納得する
『ゆう~~~お願いだから気をつけてね、グスン
絶対無茶したらダメだからね・・・グスン』
勇は半泣き状態のマリーの頭をナデナデして
『大丈夫、無理はしないよ』
そう言って出発の準備にかかる
騎士団を数名
レミス村奪還後の教会復興に
神官と新兵を1名ずつ
そして勇を数台の馬車で移動する事になった
街門の外で物資を搬入している間
勇はレイの説明受ける
馬車でレミス村まで2日かかるそうだ
勇は2日もかかると暇だな~と思ったが
スマホや本があるわけでもないので
どうやって時間潰すかな・・・と悩んでいた
街門前でそんな事を考えて馬車の到着を待っていると
マリーが勇の馬車を特別使用の物にしてくれた
しかし、それは王族のしかも姫様仕様
『アハハ、マリーこれはちょっと・・・
これじゃあシンデレラだよ~
目立ちすぎてちょっと恥ずかしいかな、アハハ』
せっかくの好意だったが
土下座して普通の馬車に変えてもらった
レイがあちらに隼を飛ばしておきますと言って
1羽の鳥をカゴから出した
クルック~~~
『鳩じゃん・・・・』
どっからどうみても鳩だった
手紙つけて空に放った瞬間
高速でビューンと飛んで行った
『おおう、鳩、やるな
すごい出世した感じがする』
しかも認識阻害の魔法がかかっており
天敵などに見つかる事はないそうだ
日本でも伝書鳩っているもんな~
レースもあるっていうし
あの鳩なら優勝だな
とか思いながら鳩を見送り自身も出発をする
『それじゃ行ってきます』
泣いているマリーに手を振って
街を後にする
数時間後馬車の適度な揺れに
気持ちよくなって
よだれを垂らして寝ていた勇
外から大きな声が聞こえてきた
少し目を覚ましかける勇
そして馬車のドアが叩かれる
『勇様!勇様!!
大変失礼いたします!!
豚です!豚がでました!
ぜひお力をお借りしたいのですが!』
ここで完全に目が覚めた
『ひゃい!?はぃ起きてます!!!
え?え?
ぶ・・・豚???
野生の豚?
え?食べるの?
捕まえるの??』
勇は寝起きまぶたを擦りながら
馬車のドアを開けた
そこで見た光景に驚いたのだった
続く
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