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王立研究機関
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エリカがイルワー邸に入り
勇の元へ歩いていく
激しい戦闘が行われたであろう屋敷内部と
倒れてる魔人の姿を見て全て察した
『やったね勇
物理障壁を破ったんだ
相変わらずのバカ力ね!』
ニヤッと笑って勇を見上げる
勇はボロボロのエリカを見て
一瞬驚いた顔したが
エリカの悪戯っぽい笑顔を見て
元気そうであると思い
『ちょっ・・・
力任せにじゃなくて一応頭つかったのよ、もうっ』
怒ったフリをしてクスクスと笑う勇
2人してハイタッチをした時だった
ガタっ!!
階段を上り切ったエントランス部分から
物音が聞こえた
勇とエリカはハッとしてお互いを見た後
急いで階段を上る
その先にはイルワーが腰を抜かして
四つん這いになって逃げようとしていた
『あわわわわ・・・
ま・・・魔人が・・・
フォカロルの奴が負けるなんて』
そして階段を上がって来た勇とエリカを見て
ギョッとした顔をする
『わたっっ・・・私は悪くないぞ
全部、あの魔人がやったんだ!
私は脅されてだな!!!
しかっ、仕方なくなんだ
やりたくはなかったが
魚人を使って商船を襲ったり
お金に変えたりなんて
私は、脅されてだ
魔人が怖くて仕方なかったんだ
なっなっ
ここは見逃してくれないか?』
必死に懇願するイルワー
その姿をジッと見ていたエリカは
『悪党らしくよく喋る・・・』
ため息をつくエリカ
勇はイルワー見て
『ほえー
こんな漫画みたいな事言う人いるんだねー
見逃してくれって
悪い事してましたって言ってるようなもんなのに』
思わず感心して声に出てしまった
イルワーは半笑いで持っていたお金を出した
『ほらっ
とりあえず手持ちはこんだけある
後でもっと渡してやるから
今はこれで、なっ!』
その姿を見たエリカはイラッとし
札束を持ったイルワーの手を蹴り飛ばした
『ヒィィィィィ
ごめんなさい、ごめんなさい』
腰を抜かした状態で土下座をするイルワー
勇は軽くため息ついた
そしてイルワーに本来の目的を尋ねる
『イルワーさん
人魚姫さんはどこにいるの?』
勇は笑顔で拳を握ってハァっと息を吹きかける
本当の事言わないとぶん殴っちゃうよ?
そう言わずとも見て取れる仕草だ
イルワーは相変わらず半笑いの涙目で
『人魚姫だと
はっハハハ
残念だったなぁ
あれはもうここにいないぞ
いい値段で売れたんだ』
イルワーはなぜか急に勝ち誇った顔をする
勇達が残念がる事が嬉しくてたまらないようだ
エリカはイルワーのその顔を見て魔法を発動しそうになった
それを見た勇は
『エリカ!ダメダメ
本気でやったら死んじゃうって!!!』
勇はエリカをなだめる
そのやりとりでまたビビってしまったイルワー
おかげで人魚姫の事を聞きやすくなった
勇はイルワーに詳細を尋ねた
『売ったっていつ?どこに?
それは買い戻せるの??』
イルワーは勇からの質問に意気消沈した様子で
素直に答えた
いろいろと諦めたのだろう
『あのモンスターは
王国の研究機関に売った
いい値段で買い取ってくれたよ』
それを聞いたエリカは驚く
『研究機関に!?』
エリカは驚き
勇はエリカが焦っているのを感じ取った
エリカは勇に研究機関の説明を始めた
『王国の研究機関ってのがあってね
魔物や危険な動物なんかの
弱点やその攻撃方法
また討伐するのに有効な方法などを
研究してる所なんだけどね
実際の魔物や動物を解剖したり
薬で動けなくして
どれだけダメージを与えて耐えれるかとか
ギリギリの所まで耐えた後の
再生能力とか
その結果を一般市民や冒険者なんかに
幅広く情報公開をしているのよ
それを元に狩りや討伐なんかが
行われてるわけだから
民衆からの支持も高いんだけど
あの人たち
その・・・
少しマッドサイエンティストというか
狂気じみているというか
魔物をわざと痛めつけ殺さず生かさずの状態で
苦痛を与え続けたり・・・
生きたまま解剖したり・・・
気を失ったら目覚めさせ
また気を失わせとか
そんなギリギリの状態を嬉々として
楽しんでいる感じがあってね
やりすぎでは?という意見もある』
エリカは少し困った顔をして勇に説明をした
勇はその話を聞くと
『そんな所に人魚姫さんが連れて行かれたら・・・
イルワーさん!!人魚姫さんはいつここから?
どっちへ行ったの?』
イルワーが勇達がここを訪れる少し前に
研究機関に人魚姫を差し出したと言うと
勇は急いで追いかけようとしたがエリカが止めた
『待って勇!!
あいつらは人魚姫を簡単には返してくれないわよ
お金ではまず無理
強奪したら私たちは王国から追われる身になるわよ
覚悟はあるの?勇?』
勇はエリカの問いかけに迷いはないと
深く頷いたのだが
自分はこの世界の人間ではない
だから追われる身になったとしても
なんとでもなりそうだった
しかしエリカの事を考えると
追われる身、その言葉の重みは変わってくる
エリカを置いていこうと思ったが
おそらくエリカはそれを許さない
勇は少し考えて閃いた
『ねっ王国の機関なら
姫様のマリーから頼んでもらったらどうかな?』
いい案だった
しかしエリカは首を振る
『たしかに姫様から頼めば人魚姫は戻ってくるわ
ただし、その時すでに生きてはいないでしょうね
王国政府から打診して研究機関が承諾するまで
数日を要するとして
その間に研究者達はやりたい事を全部やっちゃうでしょうね』
勇はエリカの言う事がすぐ理解できた
異世界でなくても
勇がいた元の世界だったとしても
何かしらの申請や承認には
時間がかかってしまうからだった
立場が高くなればなるほど
その期間は長くなる傾向がある
だからと言って諦められる訳にはいかない
勇は一瞬考えたが時間が惜しかった
『えーい!!
エリカ、とりあえず行ってみよう!!
ここで考えてても仕方ないよ
マリーに迷惑がかかるかもしれないけど
まずは人命優先で!!』
エリカはヤレヤレという表情をしたが
勇の意見には賛成だった
『人じゃないけど
命の優先には賛成ね!』
そう言って2人はイルワー邸を出て行こう
と思った時だった
エリカはピタッと止まって
イルワーの元に戻り
『こいつはこのままって訳にはいかないので・・・』
魔法の縄で拘束してから一発ぶん殴って気絶させた
そして2人は人魚姫の後を追った
続く
勇の元へ歩いていく
激しい戦闘が行われたであろう屋敷内部と
倒れてる魔人の姿を見て全て察した
『やったね勇
物理障壁を破ったんだ
相変わらずのバカ力ね!』
ニヤッと笑って勇を見上げる
勇はボロボロのエリカを見て
一瞬驚いた顔したが
エリカの悪戯っぽい笑顔を見て
元気そうであると思い
『ちょっ・・・
力任せにじゃなくて一応頭つかったのよ、もうっ』
怒ったフリをしてクスクスと笑う勇
2人してハイタッチをした時だった
ガタっ!!
階段を上り切ったエントランス部分から
物音が聞こえた
勇とエリカはハッとしてお互いを見た後
急いで階段を上る
その先にはイルワーが腰を抜かして
四つん這いになって逃げようとしていた
『あわわわわ・・・
ま・・・魔人が・・・
フォカロルの奴が負けるなんて』
そして階段を上がって来た勇とエリカを見て
ギョッとした顔をする
『わたっっ・・・私は悪くないぞ
全部、あの魔人がやったんだ!
私は脅されてだな!!!
しかっ、仕方なくなんだ
やりたくはなかったが
魚人を使って商船を襲ったり
お金に変えたりなんて
私は、脅されてだ
魔人が怖くて仕方なかったんだ
なっなっ
ここは見逃してくれないか?』
必死に懇願するイルワー
その姿をジッと見ていたエリカは
『悪党らしくよく喋る・・・』
ため息をつくエリカ
勇はイルワー見て
『ほえー
こんな漫画みたいな事言う人いるんだねー
見逃してくれって
悪い事してましたって言ってるようなもんなのに』
思わず感心して声に出てしまった
イルワーは半笑いで持っていたお金を出した
『ほらっ
とりあえず手持ちはこんだけある
後でもっと渡してやるから
今はこれで、なっ!』
その姿を見たエリカはイラッとし
札束を持ったイルワーの手を蹴り飛ばした
『ヒィィィィィ
ごめんなさい、ごめんなさい』
腰を抜かした状態で土下座をするイルワー
勇は軽くため息ついた
そしてイルワーに本来の目的を尋ねる
『イルワーさん
人魚姫さんはどこにいるの?』
勇は笑顔で拳を握ってハァっと息を吹きかける
本当の事言わないとぶん殴っちゃうよ?
そう言わずとも見て取れる仕草だ
イルワーは相変わらず半笑いの涙目で
『人魚姫だと
はっハハハ
残念だったなぁ
あれはもうここにいないぞ
いい値段で売れたんだ』
イルワーはなぜか急に勝ち誇った顔をする
勇達が残念がる事が嬉しくてたまらないようだ
エリカはイルワーのその顔を見て魔法を発動しそうになった
それを見た勇は
『エリカ!ダメダメ
本気でやったら死んじゃうって!!!』
勇はエリカをなだめる
そのやりとりでまたビビってしまったイルワー
おかげで人魚姫の事を聞きやすくなった
勇はイルワーに詳細を尋ねた
『売ったっていつ?どこに?
それは買い戻せるの??』
イルワーは勇からの質問に意気消沈した様子で
素直に答えた
いろいろと諦めたのだろう
『あのモンスターは
王国の研究機関に売った
いい値段で買い取ってくれたよ』
それを聞いたエリカは驚く
『研究機関に!?』
エリカは驚き
勇はエリカが焦っているのを感じ取った
エリカは勇に研究機関の説明を始めた
『王国の研究機関ってのがあってね
魔物や危険な動物なんかの
弱点やその攻撃方法
また討伐するのに有効な方法などを
研究してる所なんだけどね
実際の魔物や動物を解剖したり
薬で動けなくして
どれだけダメージを与えて耐えれるかとか
ギリギリの所まで耐えた後の
再生能力とか
その結果を一般市民や冒険者なんかに
幅広く情報公開をしているのよ
それを元に狩りや討伐なんかが
行われてるわけだから
民衆からの支持も高いんだけど
あの人たち
その・・・
少しマッドサイエンティストというか
狂気じみているというか
魔物をわざと痛めつけ殺さず生かさずの状態で
苦痛を与え続けたり・・・
生きたまま解剖したり・・・
気を失ったら目覚めさせ
また気を失わせとか
そんなギリギリの状態を嬉々として
楽しんでいる感じがあってね
やりすぎでは?という意見もある』
エリカは少し困った顔をして勇に説明をした
勇はその話を聞くと
『そんな所に人魚姫さんが連れて行かれたら・・・
イルワーさん!!人魚姫さんはいつここから?
どっちへ行ったの?』
イルワーが勇達がここを訪れる少し前に
研究機関に人魚姫を差し出したと言うと
勇は急いで追いかけようとしたがエリカが止めた
『待って勇!!
あいつらは人魚姫を簡単には返してくれないわよ
お金ではまず無理
強奪したら私たちは王国から追われる身になるわよ
覚悟はあるの?勇?』
勇はエリカの問いかけに迷いはないと
深く頷いたのだが
自分はこの世界の人間ではない
だから追われる身になったとしても
なんとでもなりそうだった
しかしエリカの事を考えると
追われる身、その言葉の重みは変わってくる
エリカを置いていこうと思ったが
おそらくエリカはそれを許さない
勇は少し考えて閃いた
『ねっ王国の機関なら
姫様のマリーから頼んでもらったらどうかな?』
いい案だった
しかしエリカは首を振る
『たしかに姫様から頼めば人魚姫は戻ってくるわ
ただし、その時すでに生きてはいないでしょうね
王国政府から打診して研究機関が承諾するまで
数日を要するとして
その間に研究者達はやりたい事を全部やっちゃうでしょうね』
勇はエリカの言う事がすぐ理解できた
異世界でなくても
勇がいた元の世界だったとしても
何かしらの申請や承認には
時間がかかってしまうからだった
立場が高くなればなるほど
その期間は長くなる傾向がある
だからと言って諦められる訳にはいかない
勇は一瞬考えたが時間が惜しかった
『えーい!!
エリカ、とりあえず行ってみよう!!
ここで考えてても仕方ないよ
マリーに迷惑がかかるかもしれないけど
まずは人命優先で!!』
エリカはヤレヤレという表情をしたが
勇の意見には賛成だった
『人じゃないけど
命の優先には賛成ね!』
そう言って2人はイルワー邸を出て行こう
と思った時だった
エリカはピタッと止まって
イルワーの元に戻り
『こいつはこのままって訳にはいかないので・・・』
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そして2人は人魚姫の後を追った
続く
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