チートな能力は世界を変える？

全ての始まり

突然の出来事

　「湊、早く寝なさい！」と母親の声が聞こえる。
　「はいはい、寝ますよー。」と答える。
　いつもの俺の家での夜の決まり文句のようなものだ。まあ、今日は少し眠いし、早く寝るとするか。明日は早く起きないとデートにおくれてしまうだろう。それだけは、避けなければ。



　翌朝、目が覚めるとそこには見慣れない天井があった。
「んっ？」
どういうことだ？ここ俺の家じゃねーよな！？まあ、こういう時はまず自分が置かれている状況を確認するべきだよな。うん。

　まず部屋の外に出てみる。長い廊下がのびている。少し年季を感じさせるつくりだ。どこかのホテル、いや、民宿をちょっと大きくしたような印象を受ける。建物の外に出てみようと思った俺は、瞬時にここが抽象的にだがどこか悟った。
中学生の頃、厨二病患者だった俺には簡単なことだ。
　この時点で分かったことがある。
1.ここは俺の住んでいる所ではない。
2.人間ではない生き物が歩いている。
3.俺は選ばれた者だということ！

つまり、今俺は異世界に召喚されたということだ。

　早速、異世界お決まりのステータス画面を呼び出すことにする。
強く念じると、頭の中に浮かんできた。もちろん俺は期待して、見てみる。が、そこで俺は呆然とした。
そこには
　スキル名
　『エリート武芸者』、
　『被授業権の行使権』
とある。
　正直な話、意味わかんねーな。権利の行使権ってなんだよ？使えるから権利っていうんだろ！？わざわざ行使権ってつける意味ねーな。しかも、日本語おかしくね？選ばれた者なのに名前ショボすぎだろ!!
　まあ、でも『エリート武芸者』ってのは妥協できるな。

　ここでのんびり暮らすのもアリかな？と、俺はふと思う。しかし、俺にはとても重大な約束があったことを思い出した。これを破ったらどうなるか分かったものではない。
　そこで俺は決意した。


　俺は、この世界から一刻も早く脱出しなければならない。