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決意の結果
強敵
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俺の耳にこの世のものとは思えない大きな声が響いた。
グオォォォ!
なんだよ、これは?!まさか『オロチ』の二つ目の技ってこれのことか!ヤマタノオロチを具現化させるなんてとんでもない能力だ。
「覚悟するのね、ミナト!これは、私の切り札と言っても過言ではないわ。だからこそ、ここであなたは死ぬ!」
「ちっ!」
ヤマタノオロチが大きな爪を振り上げた。
ドガ!
たった一撃で道を破壊する。当たれば即死だ。慎重に行く必要があるな。幸いミナミやエミリアからは距離がある。まず襲われることはないだろう。
だが、この巨体をどうするかだな。適当に切ったところで致命傷を与えるに及ばないだろう。なんせ命懸けだ。致命傷を与えられなければ、こちらにあの爪や八つの頭が襲いかかってくるに違いない。
「ははっ…せいぜい頑張るのね。勝てるとは思わないけど。」
「こんなやつ余裕さ。」
強がってはみるが、正直厳しい。
と、俺はあることに気がついた。アリアが剣を持っていないのだ。すなわち、無防備な状態ということだ。これはチャンスではないか?剣が具現化しているのだから、持っていなくて当然だ。
俺はアリア自身を狙うことに決めた。きっと、あのヤマタノオロチはアリアの意識の有無で動けるかどうか決まるのだ。
狙いが決まったのなら、あとは簡単だ。その狙いを重点的に攻めるまでだ。
タン!
そして、俺は高く跳び上がる。『エリート武芸者』のおかげで大分補正がかかり、高く跳べた。
「『全斬一閃』!」
まずこれで少しの間だけでいい。ヤマタノオロチの動きを止めるつもりだ。
ヤマタノオロチの体に無数の刀傷が残る。が、ヤマタノオロチはその傷を諸共せず、八つの頭の内の一つで噛みちぎろうとしてくる。
しかし、想定内だ。今度は『蜘蛛切り』でその頭全てに一撃を食らわす。
やっとヤマタノオロチの動きが止まった。そして、その後ろにいたアリア目掛けて、一太刀を振るう…
しかし、アリアと俺の間に突然何かが割り込んできた。
尻尾だ。
ドン!
それに直撃した俺は、側の壁に叩きつけられた。俺がぶつかった壁はひび割れ、見るも無惨な姿となったが、今は関係ない。爪よりはまだマシってところか。
まさか、尻尾が出てくるとは思わなかった。頭と爪に加え、尻尾まで攻撃できるとは勝てるやつがいるかどうかも疑わしい。
だが、俺がここで殺されれば、ミナミやエミリア、ましてコウを助けることは絶対にできないだろう。俺は四つ目の技を使うことにした。
「『髭切』召喚。」
すると、左手にもう一本剣が現れる。これは『髭切』という宝剣で、『膝丸』とセットで用いられるべき剣である。が、二刀流となってしまい、少々重くなり、動きにくいのが難点だ。さらに、俺自身二刀流は使いづらいと感じているのも理由の一つだ。しかし、ここで使わなければ、殺される恐れもある。召喚したことに悔いはない。
「さあ、行くぞ!アリア!第二ラウンドの始まりだ!」
「たかが、細い剣一本増えたところで何が変わるのよ?!私のヤマタノオロチに勝てるわけないじゃない!」
「それはどうかな?」
再び高く跳躍する。ヤマタノオロチの概形をとらえるためである。縦20メートル、横30メートルといったところか。そして、俺は心で念じる。
『髭切』『膝丸』よ。断て。
すると、一瞬でヤマタノオロチの体が三等分される。これは、髭切と膝丸が合わさり、かつ使用者の願望の度合いによって、もたらされる効果が変わる技だ。簡単にいうと、イメージの鮮明さで決まるということだ。つまり、イメージが鮮明でなければ攻撃は行われない。『髭切』を召喚したときからいつでも使える状態であり、これは、技の五つ目中には含まれず、『髭切』召喚の際の付随効果のようなものだ。
グガァァァァァ!
八つの頭が一斉に叫んだ。再生に時間がかかるらしい。
もらった!
俺はヤマタノオロチを跳び越し、横から襲ってくる尻尾を切り裂きながら、アリアのもとへと跳ぶ。
アリアの顔は醜いくらい歪んでいた。せっかくの美貌が台無しだな、と思いながら、一瞬で間合いを詰め、耳元で俺は囁いた。
「俺の勝ちだ。アリア。」
俺が膝丸を横に薙いだ。
スーッ
アリアの胸から血が滴り落ちる。そして、アリアは意識を失った。
グオォォォ!
なんだよ、これは?!まさか『オロチ』の二つ目の技ってこれのことか!ヤマタノオロチを具現化させるなんてとんでもない能力だ。
「覚悟するのね、ミナト!これは、私の切り札と言っても過言ではないわ。だからこそ、ここであなたは死ぬ!」
「ちっ!」
ヤマタノオロチが大きな爪を振り上げた。
ドガ!
たった一撃で道を破壊する。当たれば即死だ。慎重に行く必要があるな。幸いミナミやエミリアからは距離がある。まず襲われることはないだろう。
だが、この巨体をどうするかだな。適当に切ったところで致命傷を与えるに及ばないだろう。なんせ命懸けだ。致命傷を与えられなければ、こちらにあの爪や八つの頭が襲いかかってくるに違いない。
「ははっ…せいぜい頑張るのね。勝てるとは思わないけど。」
「こんなやつ余裕さ。」
強がってはみるが、正直厳しい。
と、俺はあることに気がついた。アリアが剣を持っていないのだ。すなわち、無防備な状態ということだ。これはチャンスではないか?剣が具現化しているのだから、持っていなくて当然だ。
俺はアリア自身を狙うことに決めた。きっと、あのヤマタノオロチはアリアの意識の有無で動けるかどうか決まるのだ。
狙いが決まったのなら、あとは簡単だ。その狙いを重点的に攻めるまでだ。
タン!
そして、俺は高く跳び上がる。『エリート武芸者』のおかげで大分補正がかかり、高く跳べた。
「『全斬一閃』!」
まずこれで少しの間だけでいい。ヤマタノオロチの動きを止めるつもりだ。
ヤマタノオロチの体に無数の刀傷が残る。が、ヤマタノオロチはその傷を諸共せず、八つの頭の内の一つで噛みちぎろうとしてくる。
しかし、想定内だ。今度は『蜘蛛切り』でその頭全てに一撃を食らわす。
やっとヤマタノオロチの動きが止まった。そして、その後ろにいたアリア目掛けて、一太刀を振るう…
しかし、アリアと俺の間に突然何かが割り込んできた。
尻尾だ。
ドン!
それに直撃した俺は、側の壁に叩きつけられた。俺がぶつかった壁はひび割れ、見るも無惨な姿となったが、今は関係ない。爪よりはまだマシってところか。
まさか、尻尾が出てくるとは思わなかった。頭と爪に加え、尻尾まで攻撃できるとは勝てるやつがいるかどうかも疑わしい。
だが、俺がここで殺されれば、ミナミやエミリア、ましてコウを助けることは絶対にできないだろう。俺は四つ目の技を使うことにした。
「『髭切』召喚。」
すると、左手にもう一本剣が現れる。これは『髭切』という宝剣で、『膝丸』とセットで用いられるべき剣である。が、二刀流となってしまい、少々重くなり、動きにくいのが難点だ。さらに、俺自身二刀流は使いづらいと感じているのも理由の一つだ。しかし、ここで使わなければ、殺される恐れもある。召喚したことに悔いはない。
「さあ、行くぞ!アリア!第二ラウンドの始まりだ!」
「たかが、細い剣一本増えたところで何が変わるのよ?!私のヤマタノオロチに勝てるわけないじゃない!」
「それはどうかな?」
再び高く跳躍する。ヤマタノオロチの概形をとらえるためである。縦20メートル、横30メートルといったところか。そして、俺は心で念じる。
『髭切』『膝丸』よ。断て。
すると、一瞬でヤマタノオロチの体が三等分される。これは、髭切と膝丸が合わさり、かつ使用者の願望の度合いによって、もたらされる効果が変わる技だ。簡単にいうと、イメージの鮮明さで決まるということだ。つまり、イメージが鮮明でなければ攻撃は行われない。『髭切』を召喚したときからいつでも使える状態であり、これは、技の五つ目中には含まれず、『髭切』召喚の際の付随効果のようなものだ。
グガァァァァァ!
八つの頭が一斉に叫んだ。再生に時間がかかるらしい。
もらった!
俺はヤマタノオロチを跳び越し、横から襲ってくる尻尾を切り裂きながら、アリアのもとへと跳ぶ。
アリアの顔は醜いくらい歪んでいた。せっかくの美貌が台無しだな、と思いながら、一瞬で間合いを詰め、耳元で俺は囁いた。
「俺の勝ちだ。アリア。」
俺が膝丸を横に薙いだ。
スーッ
アリアの胸から血が滴り落ちる。そして、アリアは意識を失った。
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