心とは何か

千夜 すう

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前編

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私は物心が着く時から変だと思う。

最初は自覚せずに、自分が普通と違うと認識していなかった。

私の最初の記憶は母と父の幸せそうな笑顔だった。
植物好きの母が庭で沢山の花を植えていた。
綺麗な花を見ながらのお茶の時間はお気に入りで安心する

母の傍には、1つの茎に、下を向いて沢山の細長くぷっくりとしてて、先端がドレスのフリルを纏ってるかのような花があった。
全体的に青紫の色をしてて、先端に近い部分で少しのグラデーション薄紫と先端のフリルの白が愛らしい。
一見では葡萄に見えてしまうお花。


父の傍には、茎の部分周辺には細長く、上に向かって広がって、咲くか咲かぬのか中途半端な真っ白な花があった。


私はそれらを眺めながら家族と過ごす時間を楽しんでいた。


これが私の中での1番の古い記憶。


何の変哲もない普通の家族の団欒だ。




中学2年の時、学校の行事で自然教室に行く事になった。

都会暮らしで自然にあまり触れた事ない若者を、自然一杯の田舎に放り込むイベントだ。


ある者は、新鮮な空気に感動。
ある者は、虫を嫌いうんざりしてる。
   
 
私は母のガーデニングの趣味で、花に付く虫、葉に付く虫、土に隠れる虫を取り除く作業を見て育ってる為に慣れている。


家の庭に育てる花も数も種類も沢山あるけど、やはり自然の中だと比べる間でもなく、沢山の花が咲いていて、見かけない花もあった。
       

こういう学校の行事は、日常の学校生活以上に集団行動が多い。


私は特に一人ぼっちの生活をしてきた訳ではない。
 
 
普通に友達は居る。  


ただ、その友達とは真の友達かと聞かれると迷ってしまう。


同じ学校で平穏に過ごせる為に、似たような趣向の人と関わっていると感じる。


何故ならば、私は人と少し違うのだと自覚してきたからである。


親しくしてバレるのを避けたい。


誰とも関わらないのは、学校という小さな会社では不利になってしまうから、ある程度でしか人と関われない。


2人組ペア、6人にグループを作る集団行動の推奨は苦手だ。


グループに入れてもらえる位には人と関わるが、そのグループの中でも気が合う人同士で喋ったりする。


私も人並みに喋ってもらえるが、紛い物だと思ってしまうのは、熱量が違うからだ。


自分で望んだけども苦い気持ちになる。


その自然教室の行事の中で自然に触れ合う為に、配られた地図で確認して、散りばった先生の所に行き、配られた紙にスタンプを押さなければならない。


男の子3人、女の子3人の計6人グループで動く。


凄く面倒臭いなと思った。


私以外の女子2人は、虫が苦手みたいでギャーギャーと煩く騒ぐ。


虫嫌だ

虫来ないであっち行って


こんな森の中で、そんな無茶なって思いながら先へ進む。


男子2人は虫が平気みたいだ。


寧ろ、それらを掴んで遊んでる節がある。 


男子1人は虫が苦手なのであろう。


怖がってるが、その姿を見せずに、果敢に2人の女子を守ろうとしてる。


男子だなと私は感じながら、地図を確認して近くにいる先生に向かう。


お花が沢山咲いていた。


茎に伸びる花は根元がキュッとしてぷっくりと膨らむ様に細長く先端の花びらが星の様に広がって咲いていた。
白色に紫の縁を彩って素敵。



5枚の花びらが左右対称で線の模様がある花が咲いていた。
雌しべ雄しべが緑色だから、遠目に見れば真ん中が緑で、花びらが白色で可憐だ。


元気が出てくる黄色の花が咲いていた。
形が長方形からの先端に切込みを入れたような花びらの形をしていてオシャレな感じがする。


私は、家で育ててない花を見るのを楽しみながら行事を乗り切った。


夕飯まで自由時間で、歩き回ってクタクタに疲れた体をソファーに身を委ねて休んでる頃に、先ほど同じグループのメンバーに呼び出される。


何か用かしら?と疑問に思った後に気づく。

1人の女の子が足りない...と。


1人の男子が言うには、もう1人の男子が今居ない子が好きで告白をしたいと言っている。


私からすれば勝手にすればいいじゃないか?と思ったが、1人で告白する勇気が出ないと宣う。


正直に興味のない青春で、どうでもいいと思ってるが仕方ない。


一緒に行かねば、私の学校生活の日々が終わってしまう。


私は本心を隠して、快く引き受ける姿勢を見せた。


あちこちと歩き回って気づいたらしいが、綺麗な沢山の花が咲いている場所があったらしい。


そこで、ロマンチックに告白をするのらしく、私達は隠れて見守って欲しいと頼まれた。   


告白場所に着いていく、学校が指定した宿泊かられ程離れておらずに安心し、聞いていた通りに花が沢山に咲いていて圧巻だった。


私も辺りを見渡してお花を観察していたのに気づかなかったのは、中々に悔しい事だ。


見守る組の私達は、現れるであろう2人の場所から、気づかれないだろう位置に隠れる。


何もする事も無く、ただ見守るという名の出歯亀をすれば良い状態だ。


数分待ってる内に2人がやってきた。


告白する側の男子は緊張してた。


見守る組の私以外の人も緊張しているが、告白する男子と違う所は、隠せない好奇心が混じって居る事だ。
私は暇潰しに花を観察していた。

花びらが繋がっていて押し出す様に咲いてるお花。
花びらは白くて真ん中にピンクの線が入っていた。

葉がハートの形をしてて、白い花びらに先端がピンク色に咲いていてまるでドレスの様な形と色合いだった。



男子はついに口にした。

緊張で震える声だったが、きちんと伝えたい事をシンプルに、しっかりと言えていた。

そんな男子の傍にある花は、真ん中に白の円が薄らとあって、全体的にピンク色のハートの形をした花びらが咲いていた。

告白をした瞬間に告白された側は泣いて喜んでいた。

女子は連れて来られてからは、どこかしらに期待を含む感情を抱いていた。


その期待を裏切らずに嬉しい意味で予想していた通りで涙が溢れていたのである。


そんな女子の傍にあった花は、5枚の別れた花びらは真ん中に同色の色の1つの線の模様があった。
赤と白の2つの花が咲いていた。
  

告白の成功に気づいた男子は、喜びで隠しきれない喜びの叫びを上げて、拳を握ってガッツポーズした後に、彼女を抱きしめる。


その後に、成功した事で興奮を抑えきれない見守り組によって、私達が告白の場面を見守っていた事に女子に気づかれた。


私は周りと温度差が違う事を悟られない様に演技をする。


女子は幸せいっぱいだと笑顔を見せた。


男子は告白が成功したと誇り気に、嬉しそうに照れくさそうに、はにかんでいた。


先生に抜け出してる事をバレない様に戻った。


運が良くて、バレずに済んで良かったと心に思うと同時に、安全性として生徒を見張りきれない先生に、どうなの?と思ったりもする。




現在、高校生の私は、母のガーデニング好きが影響で、私自身も花が好きで趣味がガーデニングとなった。


そして、部活で園芸部に入ったのである。


高校生になっても人との関わり方が変わる事はなかった。


適度な距離での付き合い方。


その中でも同じ部活の人とは比較的に話す様になった。


1年生の新入部員は私を入れて5人だけだった。

2年が5人、3年が3人と少なめの人数部員だ。


人気のない部活だが、やる事は沢山ある。


誰でも見に行けるビニールハウスがあって、そこで私達園芸部が丁寧に育てた花を、生徒や教師に見てもらえるのだ。


それ以外にも正門と裏門の花壇、校内の休憩スポットの花壇があって育てる事に忙しく、活動に置いて需要のある部活だ。


同じ部活で同級生の1人は、私も巻き込まれた中学生の時に告白をされた女子である。


女子は、花が沢山咲いてる所で告白された事から、その素敵な思い出と共に花に興味を持ち、高校では園芸部に入った。


あの時の男子とは高校も一緒で今でも付き合っている。


そして、男子も同じく園芸部に入っていた。


男子は女子と違って、別に花や植物に興味を持ったわけではなかった。


ただ、彼女となった女子と同じ時間を過ごしたいだけの理由だった。


2人の他にも同じ部活の人の1人目は、花が大好きって事が分かる位に植物に対しての知識が豊富で、丁寧に優しく愛しい様に扱う地味な男子。 

2人目は、幼い頃から母親が家庭菜園をしていたから興味を出して園芸部に入り、知識と経験で育てる糸目な男子。


地味な男子は部活の3人の中で、同レベルに花の会話が出来る為に1番良く話す。

糸目な男子は少し苦手である。何を考えてるか分からなくて胡散臭いからである。


私達は比較的に普段の学校生活の時に一緒に過ごす事が多い。


私が3年になった頃、非常に微妙な気持ちであった。

  

何故ならば、女子が男子と付き合っているにも関わらず、地味な男子を恋という意味で気になっていたからだ。


理由としては、女子が本格的に花や植物に対して興味を示したからである。


男子は依然として、花や植物に対して興味を持たずに、女子との緩い部活生活を望んでいた。


そして、2人の温度差は付き合う事に対して、影響を与えていた。

 
一生懸命に花を育てる女子は、よく地味な男子に知識を聞く機会が多かった。


聞けば聞くほどに、興味をそそられる世界に踏み入った感覚になって行き、果てには学校に留まらずに家でも花を育てて、将来は花に囲まれた職業に就きたいと思うまでになった。


興味のない男子は熱の入らずに、花や植物に対して雑な扱いをする事が多いのだ。


それを幾度と見てきた女子は気持ちが離れていく。
  

同じく、花や植物が好きで知識は抜群で、丁寧に愛情を注いで育つ地味な男子。

一方、興味の欠片も無くて、知識も蓄える努力もせずに、花や植物に興味を示さない男子。

  
運命かな。2人を繋げたのが花なのに、2人の関係にひびを入れたのも花だった。


ある一日、いつも通り花壇の手入れをする。


女子の傍にあった花は、八重の花びらが捻れるような咲き方の美しきバラに似てる花が咲いていた。
もう1つ、真ん中の黄色と緑を混ぜた様な色が円の模様をして、濃い紫から紫にグラデーションになって、花びらの半分からは薄ピンクである。 
花びら1枚ハートの様な形で咲いている事


男子の傍にあった花は、黄色の八重咲きで女子のよりかは緩やかな花の咲き方で、繋がれた茎1つに花束が出来たかのようにふんわりとフリフリして咲いてる。


地味な男子の傍にあった花は、黄色の八重咲きで女子よりかは固めで凛と一輪の花が咲いている。


最初は地味な男子は私との方が話す事が多かった。   

 
だけど、段々と私よりも女子と話す事が多くなってきた。


自分の好きな事でキラキラした目で訊ねられ、答えたら凄いって大袈裟に褒められ、尊敬な目を向けられば嫌な思いはしないのだろう。


その様子を見てた男子は2人の様子に切ない思いを抱いてきた。


1年が経つ頃には男子は地味な男子を嫌った。


理由は簡単だ。
彼女の心は地味な男子に移っていた事を知ってるからである。


それ故に大変な事が起きた。


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