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5〜恋と傷跡〜
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自転車は坂を登りながら、キイキイとひしゃげるような音を立てる。
俺の悲鳴を代弁するかのように、甲高い音。俺は最早愚痴をこぼす気力もなく、歯を食いしばり、坂を登った。
もう二度と夜更かししてゲームはしないと言ったな? ありゃ嘘だ。残念ながら俺は今日もバッチリ寝不足である。
だって、面白いゲームが悪いんだもん! 俺悪くないもん!
というわけで俺は絶賛体調不良を起こしている。それでもスミレを学校に連れていってやるのは、兄としての意地だった。
スミレは我が妹ながら可愛いからな。もし放っておいたら、ここぞとばかりに悪い狼が群がってくるやもしれん。それだけは避けたい。
坂を登り切る。突然軽くなったペダルに足を引っ掛けそうになり、慌ててギアチェンジをする。
スミレは俺の腰に手を回している。危険だからそうやっているのだろうが、腹をギュッと締め付けられると朝食をリバースしてしまいそうで正直キツい。
「……ねえ、おにい」
「な、何……?」
「おにいってさ、陽影さんのこと好きなんでしょ?」
「は?」
突然尋ねられ、俺は束の間答えに窮する。
「そ、それは、お前の方なんじゃねえの。陽影にあんだけ熱い眼差し送ってたくせにさ」
陽影を家に泊めるように言ったのはアオイだが、スミレもノリノリだったじゃねえか。
「スミレはもちろん陽影さんのこと好きだよ。でもそれは憧れっていうか……幼稚園の先生が初恋になる、みたいな。パパと結婚したがる女の子みたいな。そういうのだから。恋とは違うよ」
「でも、好きなんだろ」
「そうかもしれないけど、それだったらスミレ、おにいのことも……」
「へ?」
スミレが俺の腹を強く押す。やめろ。吐き気が悪化する。
「ねえ、おにい」
スミレはいつになくか細い声で言う。
「スミレ、本当はモデルになったこと、ちょっと後悔してたんだ」
耳を疑った。スミレは俺達の家族の中で唯一、スカウトじゃなく事務所に入ったからだ。姉ちゃん達みたいなモデルになりたい。その一心でオーディションを受け、中学生でありながら大人に混じって仕事をするようになった。
俺はスミレの努力も、その気持ちも知っていたから、まさかモデルになったことを後悔していると言われるとは思いもしなかった。
「もちろんモデルのお仕事は好きだよ。大変なこともあるけど、それが逆に、今モデルになれてるんだって実感にもなるし。仕事自体は好きなの。だけど……ほら、スミレとお兄ちゃんって似たもの同士だったでしょ」
「似たもの同士?」
「……劣等感を抱いてたもの同士」
ぐさ、と胸を刺されたような気持ちだった。
「人気者を家族に持つと大変だよね。おねえ目当てで近づいてくる人もいるし、コネ目当ての芸能界志望者も、有名人と知り合いになりたいって人もたくさんいて。普通の友達を作るのも怖くなっちゃって。
そんなスミレの気持ちをおにいだけは分かってくれた。スミレの愚痴、いつも聞いてくれたよね。モデルになりたいって打ち明けた時も、応援してくれたよね。おねえの家で暮らすように説得してくれたのもおにいだった」
泣いているスミレを慰めたこともあった。逆に俺の愚痴をスミレに聞いてもらうこともあった。俺達の間には、確かに他の二人にはない特別な絆があった。
だから、スミレがモデル事務所に合格したと聞いた時、「置いていかれた」気持ちになったのは嘘じゃないし、あれ以来姉ちゃん達が載ってる雑誌もまともに見れなくなってしまった。
でも、応援したい気持ちも嘘じゃねえ。
俺は羨ましかったんだ。自分の好きなものに打ち込める姉ちゃん達が、羨ましくて、惨めで、でも誇らしくもあった。
ゼロか百で全てを決められたら楽なのにな。姉ちゃん達を恨む気持ちも尊敬する気持ちも同時にあって、俺はみんなを嫌いになりきれない。完全に好きだとも言えない。
「事務所に入った時に決めたんだ。おにいがスミレを応援してくれた分だけ、スミレもおにいを応援するって。だから、素直になりなよ、おにい」
ぎゅうぎゅうと腹を締め付けられる。喉元を競り上がってくるのは朝食ではなく、ドロドロとした、他の人には見せられない俺の醜い部分だ。
つーか、マジで吐きそう。
「おにいと陽影さん、お似合いだよ」
「……っはは。男同士でお似合いなんざ言われても嬉しくねえな」
校門に辿り着く。スミレは軽い身のこなしで自転車を降り、俺に向き直る。
「おにい、朗報です」
「何?」
「おにいの奴隷生活は今日でおしまい! おねえ達と話し合って、そろそろウチにもハウスキーパーを雇うか、分担で家事をしようってなったの。スミレの送迎も今日でおしまいだよ。スミレ、本当はちゃんと一人で学校行けるもん」
「……はあ?」
急にそんなこと言われても、現実味がない。
スミレはクスッと微笑むと、背伸びをして、俺の頭を撫でる。
「今までスミレのワガママを聞いてくれてありがとうね、おにい」
そう言って、学校の中に入っていく。
重い体を引きずり、自転車を押して歩く。日差しを遮るものはなく、直射日光が俺の頭に降り注ぐ。
頭がくらくらした。吐き気と頭痛に苛まれながら、それでも俺は歩いた。
『おにいってさ、陽影さんのこと好きなの?』
『素直になりなよ』
『今までありがとうね、おにい』
体調不良なのは寝不足だけじゃなく、先程スミレに言われた言葉のせいもあるだろう。スミレの優しさは、俺の胃をぐるぐるとかき混ぜる。
「……今更何言ってんだ」
これまでも別に、素直じゃなかったわけじゃない。言うべきことと言わなくてもいいことを分けていただけだ。
ムカついた時は正直に伝えてきたし、そのせいでアヤメとは何度も喧嘩になった。
自分の意見を伝えることの大切さを理解している俺は、だからこそ言わなくてもいいこともあるのだと知っている。
学校で嫌がらせを受けていることも。
やりたいことがない自分に劣等感を抱いていることも。
陽影のことを好きだってことも。
全部、言わなくてもいいことだ。
『楓ちゃんこれ、凜くんから。返さなくてもいいって』
雑誌の中の「陽影凜」は俺が知っているようで、だけど知らない陽影凜だらけだった。
俺は陽影のこんな顔、知らない。俺の方が陽影のいい笑顔を引き出せる。やめろ、そんな顔、俺以外に見せんな。
陽影の知らない一面を見せられて悔しかった。
俺の方が陽影のよさを知っていると思うと、仄暗い喜びが胸に充満した。
ページをめくる度に俺の心と頭はぐちゃぐちゃになる。
認めざるを得なかった。陽影を好きなんだということを。同時に、好きだからこそ迷惑をかけたくなかった。
俺の存在は陽影の足枷にしかならない。友達ならまだしも、恋人だなんて。
『来てたなら上がってけばよかったのに』
これは友達の距離感だ。普通だ。
『家に入ったら襲いたくなるから、入らない』
馬鹿、そんなこと言うなよ。冗談で済ませらんないだろ。
『いつも俺のこと獣みたいな目で見てる癖に、何を今更笑』
『じゃあ、今度会ったらキスしてもいい? 誰にも見られないとこでやるから』
『万が一見られたら、文句言われるのはお前じゃなくて俺なの。そこんとこ、ちゃんと分かっとけよ』
ああ、くそ、クソ、クソッ!
断んなくちゃいけねえのに、俺は馬鹿だ。陽影にこんなことを言われて、嬉しく思っちまうなんて!
視界が真っ白になる。俺は咄嗟にしゃがみ込んだ。自転車が音を立てて倒れる。
やべ、マジで気持ち悪ぃ……。
神様仏様陽影様。マジでごめんってば。今度こそゲームのためにオールしないって誓うから、俺を救っちゃくれませんか。つーか通行人! 何で通り過ぎんだよ。困ってる人がいたら普通助けるだろ。
うう、せち辛え世の中だ……。
「晴中?」
声を掛けられ、肩を揺すられる。
「あ、やっぱり晴中じゃん。こんなとこで朝っぱらから何してんだ?」
背後にあった気配が前に映る。間近で顔を覗き込まれ、俺はそいつが誰なのかを理解した。
元クラスメイトの、俺のことを散々「アッシー」だとか「メッシー」だとか古語を使ってからかってくる、雅な男だ。
「柏木……」
喋りかけて、俺は口元を押さえる。
「はく」
「はく?」
「もう無理。吐く」
「え?……ええええ!?」
クソ。この期に及んで、助けてくれるのがコイツじゃなくて陽影だったらなんて思うとか、マジで終わってるわ、俺。
好きだよ、凜。お前のこと、どうしようもなく好きだ。
俺の悲鳴を代弁するかのように、甲高い音。俺は最早愚痴をこぼす気力もなく、歯を食いしばり、坂を登った。
もう二度と夜更かししてゲームはしないと言ったな? ありゃ嘘だ。残念ながら俺は今日もバッチリ寝不足である。
だって、面白いゲームが悪いんだもん! 俺悪くないもん!
というわけで俺は絶賛体調不良を起こしている。それでもスミレを学校に連れていってやるのは、兄としての意地だった。
スミレは我が妹ながら可愛いからな。もし放っておいたら、ここぞとばかりに悪い狼が群がってくるやもしれん。それだけは避けたい。
坂を登り切る。突然軽くなったペダルに足を引っ掛けそうになり、慌ててギアチェンジをする。
スミレは俺の腰に手を回している。危険だからそうやっているのだろうが、腹をギュッと締め付けられると朝食をリバースしてしまいそうで正直キツい。
「……ねえ、おにい」
「な、何……?」
「おにいってさ、陽影さんのこと好きなんでしょ?」
「は?」
突然尋ねられ、俺は束の間答えに窮する。
「そ、それは、お前の方なんじゃねえの。陽影にあんだけ熱い眼差し送ってたくせにさ」
陽影を家に泊めるように言ったのはアオイだが、スミレもノリノリだったじゃねえか。
「スミレはもちろん陽影さんのこと好きだよ。でもそれは憧れっていうか……幼稚園の先生が初恋になる、みたいな。パパと結婚したがる女の子みたいな。そういうのだから。恋とは違うよ」
「でも、好きなんだろ」
「そうかもしれないけど、それだったらスミレ、おにいのことも……」
「へ?」
スミレが俺の腹を強く押す。やめろ。吐き気が悪化する。
「ねえ、おにい」
スミレはいつになくか細い声で言う。
「スミレ、本当はモデルになったこと、ちょっと後悔してたんだ」
耳を疑った。スミレは俺達の家族の中で唯一、スカウトじゃなく事務所に入ったからだ。姉ちゃん達みたいなモデルになりたい。その一心でオーディションを受け、中学生でありながら大人に混じって仕事をするようになった。
俺はスミレの努力も、その気持ちも知っていたから、まさかモデルになったことを後悔していると言われるとは思いもしなかった。
「もちろんモデルのお仕事は好きだよ。大変なこともあるけど、それが逆に、今モデルになれてるんだって実感にもなるし。仕事自体は好きなの。だけど……ほら、スミレとお兄ちゃんって似たもの同士だったでしょ」
「似たもの同士?」
「……劣等感を抱いてたもの同士」
ぐさ、と胸を刺されたような気持ちだった。
「人気者を家族に持つと大変だよね。おねえ目当てで近づいてくる人もいるし、コネ目当ての芸能界志望者も、有名人と知り合いになりたいって人もたくさんいて。普通の友達を作るのも怖くなっちゃって。
そんなスミレの気持ちをおにいだけは分かってくれた。スミレの愚痴、いつも聞いてくれたよね。モデルになりたいって打ち明けた時も、応援してくれたよね。おねえの家で暮らすように説得してくれたのもおにいだった」
泣いているスミレを慰めたこともあった。逆に俺の愚痴をスミレに聞いてもらうこともあった。俺達の間には、確かに他の二人にはない特別な絆があった。
だから、スミレがモデル事務所に合格したと聞いた時、「置いていかれた」気持ちになったのは嘘じゃないし、あれ以来姉ちゃん達が載ってる雑誌もまともに見れなくなってしまった。
でも、応援したい気持ちも嘘じゃねえ。
俺は羨ましかったんだ。自分の好きなものに打ち込める姉ちゃん達が、羨ましくて、惨めで、でも誇らしくもあった。
ゼロか百で全てを決められたら楽なのにな。姉ちゃん達を恨む気持ちも尊敬する気持ちも同時にあって、俺はみんなを嫌いになりきれない。完全に好きだとも言えない。
「事務所に入った時に決めたんだ。おにいがスミレを応援してくれた分だけ、スミレもおにいを応援するって。だから、素直になりなよ、おにい」
ぎゅうぎゅうと腹を締め付けられる。喉元を競り上がってくるのは朝食ではなく、ドロドロとした、他の人には見せられない俺の醜い部分だ。
つーか、マジで吐きそう。
「おにいと陽影さん、お似合いだよ」
「……っはは。男同士でお似合いなんざ言われても嬉しくねえな」
校門に辿り着く。スミレは軽い身のこなしで自転車を降り、俺に向き直る。
「おにい、朗報です」
「何?」
「おにいの奴隷生活は今日でおしまい! おねえ達と話し合って、そろそろウチにもハウスキーパーを雇うか、分担で家事をしようってなったの。スミレの送迎も今日でおしまいだよ。スミレ、本当はちゃんと一人で学校行けるもん」
「……はあ?」
急にそんなこと言われても、現実味がない。
スミレはクスッと微笑むと、背伸びをして、俺の頭を撫でる。
「今までスミレのワガママを聞いてくれてありがとうね、おにい」
そう言って、学校の中に入っていく。
重い体を引きずり、自転車を押して歩く。日差しを遮るものはなく、直射日光が俺の頭に降り注ぐ。
頭がくらくらした。吐き気と頭痛に苛まれながら、それでも俺は歩いた。
『おにいってさ、陽影さんのこと好きなの?』
『素直になりなよ』
『今までありがとうね、おにい』
体調不良なのは寝不足だけじゃなく、先程スミレに言われた言葉のせいもあるだろう。スミレの優しさは、俺の胃をぐるぐるとかき混ぜる。
「……今更何言ってんだ」
これまでも別に、素直じゃなかったわけじゃない。言うべきことと言わなくてもいいことを分けていただけだ。
ムカついた時は正直に伝えてきたし、そのせいでアヤメとは何度も喧嘩になった。
自分の意見を伝えることの大切さを理解している俺は、だからこそ言わなくてもいいこともあるのだと知っている。
学校で嫌がらせを受けていることも。
やりたいことがない自分に劣等感を抱いていることも。
陽影のことを好きだってことも。
全部、言わなくてもいいことだ。
『楓ちゃんこれ、凜くんから。返さなくてもいいって』
雑誌の中の「陽影凜」は俺が知っているようで、だけど知らない陽影凜だらけだった。
俺は陽影のこんな顔、知らない。俺の方が陽影のいい笑顔を引き出せる。やめろ、そんな顔、俺以外に見せんな。
陽影の知らない一面を見せられて悔しかった。
俺の方が陽影のよさを知っていると思うと、仄暗い喜びが胸に充満した。
ページをめくる度に俺の心と頭はぐちゃぐちゃになる。
認めざるを得なかった。陽影を好きなんだということを。同時に、好きだからこそ迷惑をかけたくなかった。
俺の存在は陽影の足枷にしかならない。友達ならまだしも、恋人だなんて。
『来てたなら上がってけばよかったのに』
これは友達の距離感だ。普通だ。
『家に入ったら襲いたくなるから、入らない』
馬鹿、そんなこと言うなよ。冗談で済ませらんないだろ。
『いつも俺のこと獣みたいな目で見てる癖に、何を今更笑』
『じゃあ、今度会ったらキスしてもいい? 誰にも見られないとこでやるから』
『万が一見られたら、文句言われるのはお前じゃなくて俺なの。そこんとこ、ちゃんと分かっとけよ』
ああ、くそ、クソ、クソッ!
断んなくちゃいけねえのに、俺は馬鹿だ。陽影にこんなことを言われて、嬉しく思っちまうなんて!
視界が真っ白になる。俺は咄嗟にしゃがみ込んだ。自転車が音を立てて倒れる。
やべ、マジで気持ち悪ぃ……。
神様仏様陽影様。マジでごめんってば。今度こそゲームのためにオールしないって誓うから、俺を救っちゃくれませんか。つーか通行人! 何で通り過ぎんだよ。困ってる人がいたら普通助けるだろ。
うう、せち辛え世の中だ……。
「晴中?」
声を掛けられ、肩を揺すられる。
「あ、やっぱり晴中じゃん。こんなとこで朝っぱらから何してんだ?」
背後にあった気配が前に映る。間近で顔を覗き込まれ、俺はそいつが誰なのかを理解した。
元クラスメイトの、俺のことを散々「アッシー」だとか「メッシー」だとか古語を使ってからかってくる、雅な男だ。
「柏木……」
喋りかけて、俺は口元を押さえる。
「はく」
「はく?」
「もう無理。吐く」
「え?……ええええ!?」
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好きだよ、凜。お前のこと、どうしようもなく好きだ。
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