異世界召喚されたけど必要ないと言われて魔王軍の領地に落とされた私は『魔物使い』の適性持ちですよ?

はむ

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「だはははぁ!魔王様、嬢ちゃんが固まってるぞ。ちゃんと説明してやれよ」

「ふふっ、イタズラが過ぎたかな。ごめんね?実は…」



魔王様は突然の利用する発言に固まってしまった私を横目に、先日人間の国王から届いたという手紙を手渡してきた。



手紙の封は既に開いていたので中身を取り出し、手紙の内容を見てみると…



「首は俺が獲る」
とだけ書いてあった。



「…あの、魔王様…これ本当に人間の王様からの手紙なんですか?蛮族からの脅迫状じゃ…」

「ふふ、それは人間の王からの手紙だよ。あいつは口下手でね。そこに書いてある言葉の意味は、『次の"運動会"でガラナ教団の首を撮るのは俺だ』って意味だね」



人間の王よ。口下手が過ぎますよ!

脅迫状と受け取られても文句言えない内容の手紙なのに、魔王様は手紙の言葉の意味を理解している。本当に仲良しだな。



「あの、それで、この手紙と私を利用するということにどんな関係が?」

「そうそう!あいつは今回勝つって言ってるけど、ウチには君が新しく入ったでしょ?だから、今回は僕たちに勝ちを譲ってもらおうと思って!」



どうやら、魔王様は新人の私に"運動会"の宴を楽しんで欲しくて勝とうとしているらしい。

まぁ確かに。宴の準備も楽しそうだけど、ろくに美味しいもの食べられないだろうし…

よし、決めた!



「魔王様!その話ノります!絶対に勝ってやりましょう!」



私と魔王様は互いに熱い視線を交えながら硬い握手を交わした。





一方その頃ハイオーガさんといむは…



「いむ、この紅茶うめぇな」

「(コクコク)」



優雅なティータイムを満喫していた。


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