Look Like an Orc? 〜オークそっくりと言われる少女は神々の運命を変える女神〜 ◇その少女は、世界で一番醜いと言われた。

優陽 yûhi

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第27話 オークに見える女性の絵

「お~い、お前ら。食ってばかりいないで、
 俺の相手もしろよ。俺を空気にするな。
 それに、スイーツばっかり、こんなに注文して、k
 どうすんだよ?食べ切れるのか?」
「だって、このスイーツ、
 どれもこれも、エスティアには無いものだもの……
 せっかく来たんだから、全部食べてみたいじゃない?
 メアリーと、一口ずつ食べるから、残りは貴方が食べて。
 そんな大きな体をしているのだから、楽勝でしょ?」
「俺、甘いもの苦手なんだけど……」
「お任せください!私、甘いもの大好きです!」
「「「確かにそんな顔してる……」」」
「え~~~~」
「「「ハハハハッ……」」」
「私、こんなに楽しく……
 そして落ち着いた時間を過ごすのは、
 生まれて初めてです」
 アンカーが、少し照れながら微笑む。
「神様が下さったこの時間を、
 一生忘れないでしょう」
「何を言うのよ?
 最強エル姉がいる限り、
 いつでもこんな時間作れるわよ?ね、エル姉」
「もちろん!」
 にやりと笑う。
「貴方達の為なら、
 全世界を敵に回してもかまわない……
 なんなら、全世界、壊滅させてやるわ?」
「例えに聞こえないところが恐ろしいぞ?エルフィー」


「オークなの?趣味悪~」
 どこからかそんな会話が聞こえて来た。
「エル姉、認識阻害、失敗してない?
 醜く見えるのとは、違うって言ってたのに……」
「そう?そんなはずはないんだけど?」
「いや、違うぞ?お前達の事じゃない」
 視線を向けると――
「なんか絵を見て話してるみたいだぞ?」
「あそこの壁に飾ってある絵のことね。
 私、ちょっと見てくるわ」

  満開の花畑の中――
 風に長い髪をなびかせる、一人の女性。
 静かで、どこか儚い――
 けれど確かに美しい肖像画だった。

「……どこがオークよ?
 普通に綺麗な人じゃない」
「だよな?なんか以前のお前みたいな、
 呪いか魔法かなんか掛かってないかこれ?」
「絵に?……うーん」
 エルフィナは目を細める。
「……感じないわね。
 魔力的な違和感は無いわよ?」
「じゃあ……モデルの方か?」
「分からないけど……」
 じっと見つめる。
「なんかこの人、すごく気になる……」
「この絵のモデルを知ってるとか?」
「う~ん……知らない人ね……何で気になるんだろ?」
「オークとか言われてたからか?」
「それもあるかも?私と似た境遇なのかしら……」

「あの……お姉さん、すみません」
 店員に声をかける。
「この絵、いつからここにあるんですか?」い
「私が3年前、
 この店で働き出した時は、既に有りましたよ。
 何でも10年前にオープンした時に、
 インテリアの業者さんが、
 一緒に持ち込んだそうです。
 この絵は、異国の割と有名な、
 若い画家の絵だって聞きましたけど」
「そうなんですか?ありがとうございます。
 ところで、貴方は、この絵の女性の事、
 どう見えます?」
「綺麗な方ですよね」
「ですよね……
 さっきオークみたいとか言っていた人がいて……」
「あっ……不思議な事に、
 そう見える人がいるみたいで、
 〝何でこんな絵を飾ってるのか?
 食事が不味くなるだろ!〟
 ってクレームつける方が、
 稀にいるんですよ?不思議だわ」
「そうなんですね……色々教えて下さり、
 ありがとうございます」
「いえ、また何かあれば、ご遠慮なく」

「姉上。その絵なんですが……
 多分同じ画家の、同じモデルの絵が、
 私の離宮に有りますよ?」
「えっ?本当に?」
「はい、多分同じだと思います。
 生前、母が使っていた部屋に、飾ってあります。
 ご覧になりますか?もし何か気になる様でしたら、
 お持ち帰り頂いても構いませんので、
 調べてみてはいかかですか?」
「良いの?アンカー」
「もちろん構いません」
「お母様の形見とか、大切なものでは?」
「いえ、そういったものではありませんから。
 ご遠慮なく」
「ありがとうアンカー。
 調べたらちゃんと返すからね」
「いえ、何でしたら、
 差し上げても構わないのですが……」
「だめよ」
 きっぱりと言う。
「お母様の大切にしていたものかもしれないじゃない?」

ーーーー

「それじゃあアンカー。色々お世話になりました」
「お世話になったのは、こちらです姉上。
 メアリー、そしてマックス兄上」
「またすぐ会えるのを楽しみにしてますアンカー。
 近々ご挨拶に来てくれるんでしょ?」
「うん、少し後始末が終わったら、
 お邪魔させていただきます。メアリー」
「何かあったら、いつでも頼ってくれアンカー」
 マックスが肩を叩く。
「うちは小国ではあるが、必ず助けになるからな?」
「小国だなんて……」 アンカーが苦笑する。
「エルフィナ姉上が居る限り、
 あっという間に追いつき、
 追い越されるのは目に見えています」
「どんな状況になるかは分からないが、俺達は家族。
 上も下もなく助け合おうぜ!」
「はい、よろしくお願いします。マックス兄上!」

「アンカー。神獣の、この子達と私は、
 念話で通じてるみたいでしょ。
 だから訓練したら、
 この子達を通して念話魔法が使えると思うの。
 そしたら遠くても、
 連絡が取れる様になると思うけど。
 それ迄は、これを持っててくれない?」
「あれ?そのペンダント……」
 メアリーが首元を押さえる。
「昔、司祭様から、神の加護があるからって、
 もらった私のとそっくり。ほら、これ」
「何なのですかこのペンダント?」
「メアリーのペンダントとこれーー魔石は一緒よ?
 それね、万が一、貴方に危機が迫った時、
 私のこの、ついのペンダントが、
 光って教えてくれるのよ」
「え~!エル姉も同じの持ってたんだ?
 これそんな付与が付いてたの?
 もしかして私のこれも、
 アンカーに渡したそれも、
 エル姉が付与して作ったの?」
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