30 / 52
暇な休日のあとには波乱万丈
しおりを挟む
休みだからって予定が詰まっている訳でもない。
まして恋人がいるわけでもない陰キャ男子高校生の休日は本当に味気のないもので。
「勉強……って気分でもないしなぁ」
伊織は惰性でするゲームを前に独り言をつぶやく。
特に上手いわけではないが、かと言って特別下手くそという訳でもなく。まあまあ楽しめるレベルといったところか。
オンラインのアクションゲームはもはや作業感満載の時間なわけだが。
「……」
――そろそろ飽きてきたなぁ。
ため息をついて終了。ベッドにそのまま倒れ込んだ。
「ああああ」
暇になればなるほど余計な考えが頭をよぎる。
――まず恭弥くんのこと……。
透龍があんな足ざまに彼のことをいうのはかなり腹が立ったが否定できないのも事実で。
「でも別に悪い人じゃないし!」
思わず小声でつぶやくのは本音だ。
しかしそこで気付いてしまった。
自分が彼の何も知らないことを。
噂では色々聞いている。家柄が良くて金持ちだとか、なのにどうしてこんな市立高校に通っているかというと有名私立中学 (もちろん金持ち御用達のところだ)で理事長の孫娘だかに手を出して問題になったとか。
または以前、オメガを同時進行で数人孕ませたがそれを金とコネで揉み消しているだとか。
果ては高校生にして私生児が二桁を超えているだとか。
荒唐無稽ともいえる噂話だけがまことしやかに流れている。
こんなクラスの端っこにいる陰キャ三軍男子の耳に入るくらいだ。もっとえげつない話は腐るほどあるのだろう。
――それでも。
盲目になるのはやはり自分に向けられる不器用だが優しい眼差しを知っているから。
でもそれは過去の女の子たちに対するものとは決定的に違うというのも。
だって自分は男だしベータだからだ。
「……オメガ、かぁ」
もし自分がオメガだと診断されたら、と想像を巡らせる。
きっと定期的にくる発情期や飲まなければいけない抑制剤は大変だろう。
――でも。
布団の上で寝返りをうつ。
「僕なら幸せかも……」
いくら遊ばれたとしても好きな人の子どもを産めるなら。それは所詮男として生きてきた彼の浅はかで幼稚な考えなのだろうが。
それくらい恋愛に対して臆病で諦めたくて、それでいてどこかでは欲しくて仕方なかったのだ。
――でも口にさえしなきゃ友達くらいではいられるよね?
初恋は目の前で嘲笑されぐちゃぐちゃに目の前で踏みにじられたからなのだろう。
イジメの発端は小学校から仲良くしていた親友に、自分の性的嗜好と好きな人がクラスメイトの中にいるということを恥じらいながら打ち明けた事だった。
次の日にはまたたく間にその話があることないことの尾鰭を付けて広まり、親友はイジメの首謀者になって嫌がらせを始めたのだ。
このことは伊織の心に確実に傷を残しており、だからこそ恭弥のあからさまな態度にも気付かずそれどころか嫌われることを恐れている。
――このままが幸せなんだ。
病院になんていきたくない。姉はこの件に対してまったく何も口にしなかった。
デリケートな事だから機会をうかがっているのか、それとも彼女もまた懐疑的なのか。
かと言ってこちらから切り出す勇気もなく。
――なんか……どうすればいいかわかんないや。
どうもしたくないが、どうにかしなきゃいけない気もする。そんなモヤモヤとしたモノが胸の中に広がった。
そうしてふと、伊織は枕元から綺麗に折りたたまれたハンカチを取り出す。
「……」
それに顔を寄せて小さく呼吸をすると、鼻腔をくすぐる香りに目を閉じて感じ入った。
――いい匂い……恭弥くんに知られたら絶対に嫌われるだろうけど……。
あの時受け取ったハンカチはやはり心の安定剤代わりとなっていた。
特にほのかに感じる匂いになんとも心が安らぐのだ。
あまりずっと嗅いでいると安らぎを通り越して胸がドキドキしてなにやら妙な気分になるのだが。
「そろそろ洗濯しなきゃなぁ」
誰に言うともなく独りごちた。
洗ったらきっと匂いは消えてしまうだろう。それはとても寂しいが、薄汚れてしまうのも嫌だった。
――もっと……匂いの強い……服とか……。
欲しい、と心の中で呟いた途端。
「!?」
スマホが着信を知らせて飛び上がった。
「わっ、わっ、わっ!?」
慌てるあまりスマホの持ち方さえ忘れそうになりつつ、なんとか画面を覗き込んだ。
「……へ?」
それはさっきまで思い描いていた相手で。
一気に襲ってくる罪悪感と羞恥心にすべて放り出して頭を抱えてしまいそうになる、が気を振り絞って通話に出た。
「もしもし」
『っうぉ!! お、おう!?』
「え?」
電話の向こうもなにやらテンパっている様子。それでようやく少しこちらは冷静になってくる。
「あ、あの。恭弥くんだよね?」
『……ソウダ』
「ええっと、どうしたのかな」
『イマ、イイカ』
今度は棒読みだしカタコトだしで挙動不審なのが電話越しでも伝わってきた。伊織はいよいよ頭をかしげつつ。
「恭弥くんどうしたの、大丈夫?」
なんて優しく声をかけてみた。
すると向こうでなにか盛大にひっくり返すような、だれかがすっ転ぶような音がしてからすぐに。
『伊織ちゃん元気ぃ~?』
と元気な声が響いて驚いた。
「ま、稀美さん!? なんで……」
とここで胸がグッと詰まる。
――そりゃそっか。
この二人が一緒にいるなんて不思議でもなんでもない。
自分は嫉妬する権利さえないんだと思い知らされて自嘲の笑いさえする気にならなかった。
しかしそんな伊織の胸の痛みなんて知りもしない、天真爛漫な彼女の声が耳に入っていく。
『えっとね~! 明日は空いてる?』
「明日? 空いてる、けど」
『良かった!! じゃあ迎えに行くね!』
「……へ?」
――ムカエニイクネ???
言葉がうまく頭に入ってこない。
思考停止しているうちに稀美の流暢に話す言葉だけが流れてきて、やっと拾った内容によると。
『明日、以前から言ってた映画に行くから迎えに行くね!』
ということらしい。
「映画……」
そういえば少し前に山口も言っていたのを思い出す。
とある漫画原作アニメ化済みの実写映画をみんなで見に行きたいという事だった。
そのために事前準備として漫画にアニメに履修に余念がなかったとか。
時間も告げられたが、伊織は辛うじてそれだけは頭に叩き込んで。
「あ、うん。わかった」
とだけ答えた。
稀美はまだなにか言ってたが通話の向こうでなにやらトラブルがあったらしい。ガタガタと耳障りな雑音の後に。
『俺が! 迎えに行くからな! 絶対に! 逃げるなよ!!!』
とデジャブのようなことを叫んだのは恭弥だった。音割れするわひどい音質なのに、彼の声というだけで嬉しくなる自分がひどく滑稽だった。
『……稀美ッ、ふざけんなスマホ返せ! ……くそっ、お前らふざけんなよ! 離せッ、おい!!! 伊織ぃぃぃぃ!!!』
ドタバタと騒音が聞こえて最後には何故か遠くなっていく声。でも確かに彼の名前を呼んだ後ですぐ稀美が電話口に出る。
『というわけで明日お迎えにあがりまーす♡』
で電話が切れた。
「???」
――なんだこれ。
まったく状況がつかめない中、まるでひどいイタズラ電話を受けたような気分で伊織はしばらく呆然とベッドに座り込んでいた。
ともあれ明日の予定は決まったらしい。
まして恋人がいるわけでもない陰キャ男子高校生の休日は本当に味気のないもので。
「勉強……って気分でもないしなぁ」
伊織は惰性でするゲームを前に独り言をつぶやく。
特に上手いわけではないが、かと言って特別下手くそという訳でもなく。まあまあ楽しめるレベルといったところか。
オンラインのアクションゲームはもはや作業感満載の時間なわけだが。
「……」
――そろそろ飽きてきたなぁ。
ため息をついて終了。ベッドにそのまま倒れ込んだ。
「ああああ」
暇になればなるほど余計な考えが頭をよぎる。
――まず恭弥くんのこと……。
透龍があんな足ざまに彼のことをいうのはかなり腹が立ったが否定できないのも事実で。
「でも別に悪い人じゃないし!」
思わず小声でつぶやくのは本音だ。
しかしそこで気付いてしまった。
自分が彼の何も知らないことを。
噂では色々聞いている。家柄が良くて金持ちだとか、なのにどうしてこんな市立高校に通っているかというと有名私立中学 (もちろん金持ち御用達のところだ)で理事長の孫娘だかに手を出して問題になったとか。
または以前、オメガを同時進行で数人孕ませたがそれを金とコネで揉み消しているだとか。
果ては高校生にして私生児が二桁を超えているだとか。
荒唐無稽ともいえる噂話だけがまことしやかに流れている。
こんなクラスの端っこにいる陰キャ三軍男子の耳に入るくらいだ。もっとえげつない話は腐るほどあるのだろう。
――それでも。
盲目になるのはやはり自分に向けられる不器用だが優しい眼差しを知っているから。
でもそれは過去の女の子たちに対するものとは決定的に違うというのも。
だって自分は男だしベータだからだ。
「……オメガ、かぁ」
もし自分がオメガだと診断されたら、と想像を巡らせる。
きっと定期的にくる発情期や飲まなければいけない抑制剤は大変だろう。
――でも。
布団の上で寝返りをうつ。
「僕なら幸せかも……」
いくら遊ばれたとしても好きな人の子どもを産めるなら。それは所詮男として生きてきた彼の浅はかで幼稚な考えなのだろうが。
それくらい恋愛に対して臆病で諦めたくて、それでいてどこかでは欲しくて仕方なかったのだ。
――でも口にさえしなきゃ友達くらいではいられるよね?
初恋は目の前で嘲笑されぐちゃぐちゃに目の前で踏みにじられたからなのだろう。
イジメの発端は小学校から仲良くしていた親友に、自分の性的嗜好と好きな人がクラスメイトの中にいるということを恥じらいながら打ち明けた事だった。
次の日にはまたたく間にその話があることないことの尾鰭を付けて広まり、親友はイジメの首謀者になって嫌がらせを始めたのだ。
このことは伊織の心に確実に傷を残しており、だからこそ恭弥のあからさまな態度にも気付かずそれどころか嫌われることを恐れている。
――このままが幸せなんだ。
病院になんていきたくない。姉はこの件に対してまったく何も口にしなかった。
デリケートな事だから機会をうかがっているのか、それとも彼女もまた懐疑的なのか。
かと言ってこちらから切り出す勇気もなく。
――なんか……どうすればいいかわかんないや。
どうもしたくないが、どうにかしなきゃいけない気もする。そんなモヤモヤとしたモノが胸の中に広がった。
そうしてふと、伊織は枕元から綺麗に折りたたまれたハンカチを取り出す。
「……」
それに顔を寄せて小さく呼吸をすると、鼻腔をくすぐる香りに目を閉じて感じ入った。
――いい匂い……恭弥くんに知られたら絶対に嫌われるだろうけど……。
あの時受け取ったハンカチはやはり心の安定剤代わりとなっていた。
特にほのかに感じる匂いになんとも心が安らぐのだ。
あまりずっと嗅いでいると安らぎを通り越して胸がドキドキしてなにやら妙な気分になるのだが。
「そろそろ洗濯しなきゃなぁ」
誰に言うともなく独りごちた。
洗ったらきっと匂いは消えてしまうだろう。それはとても寂しいが、薄汚れてしまうのも嫌だった。
――もっと……匂いの強い……服とか……。
欲しい、と心の中で呟いた途端。
「!?」
スマホが着信を知らせて飛び上がった。
「わっ、わっ、わっ!?」
慌てるあまりスマホの持ち方さえ忘れそうになりつつ、なんとか画面を覗き込んだ。
「……へ?」
それはさっきまで思い描いていた相手で。
一気に襲ってくる罪悪感と羞恥心にすべて放り出して頭を抱えてしまいそうになる、が気を振り絞って通話に出た。
「もしもし」
『っうぉ!! お、おう!?』
「え?」
電話の向こうもなにやらテンパっている様子。それでようやく少しこちらは冷静になってくる。
「あ、あの。恭弥くんだよね?」
『……ソウダ』
「ええっと、どうしたのかな」
『イマ、イイカ』
今度は棒読みだしカタコトだしで挙動不審なのが電話越しでも伝わってきた。伊織はいよいよ頭をかしげつつ。
「恭弥くんどうしたの、大丈夫?」
なんて優しく声をかけてみた。
すると向こうでなにか盛大にひっくり返すような、だれかがすっ転ぶような音がしてからすぐに。
『伊織ちゃん元気ぃ~?』
と元気な声が響いて驚いた。
「ま、稀美さん!? なんで……」
とここで胸がグッと詰まる。
――そりゃそっか。
この二人が一緒にいるなんて不思議でもなんでもない。
自分は嫉妬する権利さえないんだと思い知らされて自嘲の笑いさえする気にならなかった。
しかしそんな伊織の胸の痛みなんて知りもしない、天真爛漫な彼女の声が耳に入っていく。
『えっとね~! 明日は空いてる?』
「明日? 空いてる、けど」
『良かった!! じゃあ迎えに行くね!』
「……へ?」
――ムカエニイクネ???
言葉がうまく頭に入ってこない。
思考停止しているうちに稀美の流暢に話す言葉だけが流れてきて、やっと拾った内容によると。
『明日、以前から言ってた映画に行くから迎えに行くね!』
ということらしい。
「映画……」
そういえば少し前に山口も言っていたのを思い出す。
とある漫画原作アニメ化済みの実写映画をみんなで見に行きたいという事だった。
そのために事前準備として漫画にアニメに履修に余念がなかったとか。
時間も告げられたが、伊織は辛うじてそれだけは頭に叩き込んで。
「あ、うん。わかった」
とだけ答えた。
稀美はまだなにか言ってたが通話の向こうでなにやらトラブルがあったらしい。ガタガタと耳障りな雑音の後に。
『俺が! 迎えに行くからな! 絶対に! 逃げるなよ!!!』
とデジャブのようなことを叫んだのは恭弥だった。音割れするわひどい音質なのに、彼の声というだけで嬉しくなる自分がひどく滑稽だった。
『……稀美ッ、ふざけんなスマホ返せ! ……くそっ、お前らふざけんなよ! 離せッ、おい!!! 伊織ぃぃぃぃ!!!』
ドタバタと騒音が聞こえて最後には何故か遠くなっていく声。でも確かに彼の名前を呼んだ後ですぐ稀美が電話口に出る。
『というわけで明日お迎えにあがりまーす♡』
で電話が切れた。
「???」
――なんだこれ。
まったく状況がつかめない中、まるでひどいイタズラ電話を受けたような気分で伊織はしばらく呆然とベッドに座り込んでいた。
ともあれ明日の予定は決まったらしい。
40
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】番になれなくても
加賀ユカリ
BL
アルファに溺愛されるベータの話。
新木貴斗と天橋和樹は中学時代からの友人である。高校生となりアルファである貴斗とベータである和樹は、それぞれ別のクラスになったが、交流は続いていた。
和樹はこれまで貴斗から何度も告白されてきたが、その度に「自分はふさわしくない」と断ってきた。それでも貴斗からのアプローチは止まらなかった。
和樹が自分の気持ちに向き合おうとした時、二人の前に貴斗の運命の番が現れた──
新木貴斗(あらき たかと):アルファ。高校2年
天橋和樹(あまはし かずき):ベータ。高校2年
・オメガバースの独自設定があります
・ビッチング(ベータ→オメガ)はありません
・最終話まで執筆済みです(全12話)
・19時更新
※なろう、カクヨムにも掲載しています。
思い出して欲しい二人
春色悠
BL
喫茶店でアルバイトをしている鷹木翠(たかぎ みどり)。ある日、喫茶店に初恋の人、白河朱鳥(しらかわ あすか)が女性を伴って入ってきた。しかも朱鳥は翠の事を覚えていない様で、幼い頃の約束をずっと覚えていた翠はショックを受ける。
そして恋心を忘れようと努力するが、昔と変わったのに変わっていない朱鳥に寧ろ、どんどん惚れてしまう。
一方朱鳥は、バッチリと翠の事を覚えていた。まさか取引先との昼食を食べに行った先で、再会すると思わず、緩む頬を引き締めて翠にかっこいい所を見せようと頑張ったが、翠は朱鳥の事を覚えていない様。それでも全く愛が冷めず、今度は本当に結婚するために翠を落としにかかる。
そんな二人の、もだもだ、じれったい、さっさとくっつけ!と、言いたくなるようなラブロマンス。
三ヶ月だけの恋人
perari
BL
仁野(にの)は人違いで殴ってしまった。
殴った相手は――学年の先輩で、学内で知らぬ者はいない医学部の天才。
しかも、ずっと密かに想いを寄せていた松田(まつだ)先輩だった。
罪悪感にかられた仁野は、謝罪の気持ちとして松田の提案を受け入れた。
それは「三ヶ月だけ恋人として付き合う」という、まさかの提案だった――。
【bl】砕かれた誇り
perari
BL
アルファの幼馴染と淫らに絡んだあと、彼は医者を呼んで、私の印を消させた。
「来月結婚するんだ。君に誤解はさせたくない。」
「あいつは嫉妬深い。泣かせるわけにはいかない。」
「君ももう年頃の残り物のオメガだろ? 俺の印をつけたまま、他のアルファとお見合いするなんてありえない。」
彼は冷たく、けれどどこか薄情な笑みを浮かべながら、一枚の小切手を私に投げ渡す。
「長い間、俺に従ってきたんだから、君を傷つけたりはしない。」
「結婚の日には招待状を送る。必ず来て、席につけよ。」
---
いくつかのコメントを拝見し、大変申し訳なく思っております。
私は現在日本語を勉強しており、この文章はAI作品ではありませんが、
一部に翻訳ソフトを使用しています。
もし読んでくださる中で日本語のおかしな点をご指摘いただけましたら、
本当にありがたく思います。
『アルファ拒食症』のオメガですが、運命の番に出会いました
小池 月
BL
大学一年の半田壱兎は男性オメガ。壱兎は生涯ひとりを貫くことを決めた『アルファ拒食症』のバース性診断をうけている。
壱兎は過去に、オメガであるために男子の輪に入れず、女子からは異端として避けられ、孤独を経験している。
加えてベータ男子からの性的からかいを受けて不登校も経験した。そんな経緯から徹底してオメガ性を抑えベータとして生きる『アルファ拒食症』の道を選んだ。
大学に入り壱兎は初めてアルファと出会う。
そのアルファ男性が、壱兎とは違う学部の相川弘夢だった。壱兎と弘夢はすぐに仲良くなるが、弘夢のアルファフェロモンの影響で壱兎に発情期が来てしまう。そこから壱兎のオメガ性との向き合い、弘夢との関係への向き合いが始まるーー。
☆BLです。全年齢対応作品です☆
ビジネス婚は甘い、甘い、甘い!
ユーリ
BL
幼馴染のモデル兼俳優にビジネス婚を申し込まれた湊は承諾するけれど、結婚生活は思ったより甘くて…しかもなぜか同僚にも迫られて!?
「お前はいい加減俺に興味を持て」イケメン芸能人×ただの一般人「だって興味ないもん」ーー自分の旦那に全く興味のない湊に嫁としての自覚は芽生えるか??
【完結】君の手を取り、紡ぐ言葉は
綾瀬
BL
図書委員の佐倉遥希は、クラスの人気者である葉山綾に密かに想いを寄せていた。しかし、イケメンでスポーツ万能な彼と、地味で取り柄のない自分は住む世界が違うと感じ、遠くから眺める日々を過ごしていた。
ある放課後、遥希は葉山が数学の課題に苦戦しているのを見かける。戸惑いながらも思い切って声をかけると、葉山は「気になる人にバカだと思われるのが恥ずかしい」と打ち明ける。「気になる人」その一言に胸を高鳴らせながら、二人の勉強会が始まることになった。
成績優秀な遥希と、勉強が苦手な葉山。正反対の二人だが、共に過ごす時間の中で少しずつ距離を縮めていく。
不器用な二人の淡くも甘酸っぱい恋の行方を描く、学園青春ラブストーリー。
【爽やか人気者溺愛攻め×勉強だけが取り柄の天然鈍感平凡受け】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる