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6.若くして老獪、そしてタヌキ野郎
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明日は久しぶりの休みだ。
とはいっても。独り身で趣味と呼べるモノもない俺には、単なる休養の時間でしかない。
「やぁ! 赤川君、お疲れ」
報告書を上げて。さて帰るかと立ち上がった俺の肩をぽん、と叩く奴がいた。
振り返らなくても分かる。上司であり。俺とそう変わらない年齢で、この興信所の所長の比丘尼 大五郎だ。
「ども」
一応振り返りはしたが極力目を合わせず、最低限の挨拶しかしない。
何故なら俺は、こいつが苦手だからだ。
能力的な所は認めるが、なんせ絡み方がウザい。
この前、俺が不機嫌だったのもほとんどこいつが原因なんだからな。
人のプライベートを対して不必要な揶揄を入れたり、とにかくデリカシーというものが欠落した野郎だ。
重ねて言えば、こんな奴に俺がゲイだと知れた日には何を言われるか分かったもんじゃない。
だから俺はこの男とは仕事の話以外はしたくねぇんだ。
「赤川君、そんな急いで帰るなんて。もしかしてこれからデート?」
「いえ」
……急いでねぇよ。ただ仕事が終わったら帰りたいだけだ。
あぁ、あとアンタの顔をこれ以上長時間見たくねぇからな。
だが一応上司なもんで、辛うじて表情を崩すこと無く保つことに尽力する。
「でもボク見ちゃったんだよねぇ。君の恋人」
「……」
軽薄な笑みを浮かべ、俺の胸板を軽く叩くその手の指を2、3本程へし折りたくなった。
「何をご覧になったのか知りませんが……」
「すごく美人さんだったね」
……この好奇心が服を着て歩いているような奴だ。
そうじゃなきゃ、こんな他人の秘密を暴いて回るような仕事をわざわざ立ち上げたりしないのかも知れんが。
「単なる知り合い、ですよ」
美人ってのが誰のことを言っているのやら。考えられるのは、元嫁である梨花か。
しかし彼女とはここ最近、あの喫茶店でしか顔を合わせていない。
もしや変装でもして、店内に居たのだろうか。この男ならやりかねん。
「知り合い、ねぇ」
腹の探り合いのような真似は俺の性にあわない。しかしここで白黒はっきり付ける意味もない。
俺のプライベートをわざわざいけ好かない相手に晒すほど、俺は飢えてないからな。
「話が無いならこれで」
未だに何か言いたげにニヤつく彼に一瞥もくれず、会釈して通り過ぎる。
一気に胸クソ悪くなっちまった、と内心舌打ちすると。
「あ、これ。あのポストに入れてといて」
「……」
背中に掛けられた声に、嫌な顔を隠さずに振り返って差し出された封書を受け取る。
おおよそ上司に、しかも直接の雇い主に対する態度ではないだろう。しかしこの男はそんな事問題にもしていない顔だ。
相変わらず飄々とした笑みを浮かべて『よろしくね』とさっさと行ってしまう。
「チッ……あのタヌキ野郎め」
既に老獪のような顔しやがる。
こういう所も俺はあいつが気に食わねぇ。封書をくしゃくしゃにしない程度に手で弄びながらの舌打ちと悪態が、事務所の廊下に響いた。
――― 比丘尼 大五郎という男には数々の拘りがある。
一つ一つは大したことない。
やれ靴を履いたら先に左足から踏み出す、とか靴下と下着は数十年間ずっと同じメーカーの同じ色のみ着用してるとか(これは本人が無理矢理教えてきた)。スナック菓子は箸でしか食べられない、素手なんか以ての外、とか。
しかしその数が膨大で、いちいちそれらに支配されるように生きているらしい。
本人は不自由を感じてなさそうだし、それを他人に強制したりとかの迷惑行為はないから別に構わねぇんだが。
しかし、見ていて気味が悪くなる時がある。
「くそっ……めんどくせぇ」
この封書もこだわりの一つだ。
必ず決まった場所のポストに入れなければならない。
出先であろうが遠かろうが関係ない。
彼が託した封書を入れるポストは決まっているのだ。
しかもそれが事務所から微妙に遠い。自宅とも方向が別だし、なんの基準でここを選んだのかさえ分からない。
これだけは正直迷惑だ。
いつもなら自分で行くのだが、今日はなんの気まぐれか俺に押し付けやがった。
……別に暇してるから良いだろってことなんだろうか。
職場のある裏路地を抜けて表通りへ。そこから駅に向かって歩き電車に乗る。
三駅目の何故かここだけ駅員のいない無人駅に降りる。
小さく、一見寂れたその駅を利用する者は少ない。
恐らく駅前には特に何も無く、どうしてここだけこんな駅が存在しているか分からない程の中途半端な距離と立地だからじゃないだろうか。
……ともあれ。その駅から更に5分程歩き、ようやく見えてきたポストに投函する。
このポストも奇妙なもので、他のモノと比べてやけにボロボロだ。
落書きもされてるし、所々錆も浮いている。
もう旧いとかボロいとかそう言うのを通り越して、禍々しい気配すら漂うこのポストを好んで利用するあの男。
やっぱり頭おかしいんじゃねぇかって思う。
「遼太郎!」
なるべくポストそのものに触れないように封書をぶち込み、帰ろうとした時だった。
自分の名を呼ぶ声。しかも聞き覚えのあるそれに俺は当然の如く振り返る。
「蓮」
やはりそうだ。駅の方から走ってくる小柄(俺より)な身体。柔らかそうなくせっ毛。
ふむ、今日も可愛いじゃねぇか。って、おっと……俺はナチュラルに何考えているんだ。
緩みそうになった表情を引き締め、しかも少し視線を逸らして彼を迎える。
「……奇遇だね!」
「奇遇、か?」
悪いがこれは偶然でない事くらい俺は知っている。
「お前、前の駅から尾けて来たな」
「えっ!?」
舐めないで欲しいものだ。
俺だって一応探偵事務所の捜査員だぜ。あれくらいの尾行、気がつかないわけがない。
途中で迷って慌てて走ってきた、って所か。
息を切らせつつ、どう言い訳しようか迷っているこの悪ガキを俺は見据えた。
「おい、どうなんだ?」
「……」
「まぁいい。なんの用だ、今日も悪いがお前を買っては……」
「違うってば。前も言ったけど、僕達友達だろ。だから」
「お前は友達を尾行すんのか」
「うっ」
たじろぐ蓮を俺は鼻で笑う。
めんどくせぇガキだ。しかしまぁ可愛い……いやいや違う。
「で、要件を言え」
小遣いせびりなら、と言いかけると彼は不貞腐れた顔で一言。
「恋愛相談、させてよ」
「あ?」
俺に恋愛相談だと?
こいつ俺をなんだと……ってあぁ、友達か。
「好きな人、振り向かせたいんだもん。全然、僕のこと眼中にないし」
「それはお前がガキだからだろ」
「若いって言ってよ! 若い子の方がいいでしょ、男って」
「あのなぁ」
いっぱしの女みてぇな口きいてんじゃねーぜ。いきがった小娘かよ。
俺は浅くため息をつく。
「来いよ。恋愛相談なら、俺より良い相手知ってるぜ」
そう言って着いてくるよう促し、さっさと歩き出した。
「えっ、あ、うん! 待ってよ」
「早く歩け、チビ」
「遼太郎が巨人なんだよ! ウドの大木ってやつ」
そんな憎まれ口叩く、年下の友達を俺は眩しいような気分で眺める。
あぁ若い。若くて可憐で、きっとこの手に抱きしめるには過ぎた存在だ。
……って何考えてるんだ、俺は。ガキに本気になる訳にいかねぇし、なったとしてもこいつが俺に靡くなんて想像つかない。
だいたい、蓮には好きな奴がいるんだ。大人である俺が出来るのは、せいぜい若い奴の健全なる遊び相手になるくらいだろう。
だからこそ恋愛相談なんて無理だな。
「もうっ、ほんと遼太郎って足速すぎ。こういうのデリカシーがないって言うんだよ!」
「ふん、ガキに言われたくねぇぜ」
「ガキじゃないもん、高校生だし!」
「泣いてる時は逆のこと言ってただろ」
「あ、あれはっ……」
真っ赤になって言い返そうにも、言葉が思いつかないのか口をぱくぱくさせるのがなんとも。
これ以上押し問答してたら俺の方がヤバい。
だからその小さな頭を鷲掴みにして髪を乱すように撫で回してやった。
するとまた、何すんだ! とキーキー怒ったものだから口角が上がるのを必死で耐えて言う。
「ほら。早く行くぞ……クソガキ」
とはいっても。独り身で趣味と呼べるモノもない俺には、単なる休養の時間でしかない。
「やぁ! 赤川君、お疲れ」
報告書を上げて。さて帰るかと立ち上がった俺の肩をぽん、と叩く奴がいた。
振り返らなくても分かる。上司であり。俺とそう変わらない年齢で、この興信所の所長の比丘尼 大五郎だ。
「ども」
一応振り返りはしたが極力目を合わせず、最低限の挨拶しかしない。
何故なら俺は、こいつが苦手だからだ。
能力的な所は認めるが、なんせ絡み方がウザい。
この前、俺が不機嫌だったのもほとんどこいつが原因なんだからな。
人のプライベートを対して不必要な揶揄を入れたり、とにかくデリカシーというものが欠落した野郎だ。
重ねて言えば、こんな奴に俺がゲイだと知れた日には何を言われるか分かったもんじゃない。
だから俺はこの男とは仕事の話以外はしたくねぇんだ。
「赤川君、そんな急いで帰るなんて。もしかしてこれからデート?」
「いえ」
……急いでねぇよ。ただ仕事が終わったら帰りたいだけだ。
あぁ、あとアンタの顔をこれ以上長時間見たくねぇからな。
だが一応上司なもんで、辛うじて表情を崩すこと無く保つことに尽力する。
「でもボク見ちゃったんだよねぇ。君の恋人」
「……」
軽薄な笑みを浮かべ、俺の胸板を軽く叩くその手の指を2、3本程へし折りたくなった。
「何をご覧になったのか知りませんが……」
「すごく美人さんだったね」
……この好奇心が服を着て歩いているような奴だ。
そうじゃなきゃ、こんな他人の秘密を暴いて回るような仕事をわざわざ立ち上げたりしないのかも知れんが。
「単なる知り合い、ですよ」
美人ってのが誰のことを言っているのやら。考えられるのは、元嫁である梨花か。
しかし彼女とはここ最近、あの喫茶店でしか顔を合わせていない。
もしや変装でもして、店内に居たのだろうか。この男ならやりかねん。
「知り合い、ねぇ」
腹の探り合いのような真似は俺の性にあわない。しかしここで白黒はっきり付ける意味もない。
俺のプライベートをわざわざいけ好かない相手に晒すほど、俺は飢えてないからな。
「話が無いならこれで」
未だに何か言いたげにニヤつく彼に一瞥もくれず、会釈して通り過ぎる。
一気に胸クソ悪くなっちまった、と内心舌打ちすると。
「あ、これ。あのポストに入れてといて」
「……」
背中に掛けられた声に、嫌な顔を隠さずに振り返って差し出された封書を受け取る。
おおよそ上司に、しかも直接の雇い主に対する態度ではないだろう。しかしこの男はそんな事問題にもしていない顔だ。
相変わらず飄々とした笑みを浮かべて『よろしくね』とさっさと行ってしまう。
「チッ……あのタヌキ野郎め」
既に老獪のような顔しやがる。
こういう所も俺はあいつが気に食わねぇ。封書をくしゃくしゃにしない程度に手で弄びながらの舌打ちと悪態が、事務所の廊下に響いた。
――― 比丘尼 大五郎という男には数々の拘りがある。
一つ一つは大したことない。
やれ靴を履いたら先に左足から踏み出す、とか靴下と下着は数十年間ずっと同じメーカーの同じ色のみ着用してるとか(これは本人が無理矢理教えてきた)。スナック菓子は箸でしか食べられない、素手なんか以ての外、とか。
しかしその数が膨大で、いちいちそれらに支配されるように生きているらしい。
本人は不自由を感じてなさそうだし、それを他人に強制したりとかの迷惑行為はないから別に構わねぇんだが。
しかし、見ていて気味が悪くなる時がある。
「くそっ……めんどくせぇ」
この封書もこだわりの一つだ。
必ず決まった場所のポストに入れなければならない。
出先であろうが遠かろうが関係ない。
彼が託した封書を入れるポストは決まっているのだ。
しかもそれが事務所から微妙に遠い。自宅とも方向が別だし、なんの基準でここを選んだのかさえ分からない。
これだけは正直迷惑だ。
いつもなら自分で行くのだが、今日はなんの気まぐれか俺に押し付けやがった。
……別に暇してるから良いだろってことなんだろうか。
職場のある裏路地を抜けて表通りへ。そこから駅に向かって歩き電車に乗る。
三駅目の何故かここだけ駅員のいない無人駅に降りる。
小さく、一見寂れたその駅を利用する者は少ない。
恐らく駅前には特に何も無く、どうしてここだけこんな駅が存在しているか分からない程の中途半端な距離と立地だからじゃないだろうか。
……ともあれ。その駅から更に5分程歩き、ようやく見えてきたポストに投函する。
このポストも奇妙なもので、他のモノと比べてやけにボロボロだ。
落書きもされてるし、所々錆も浮いている。
もう旧いとかボロいとかそう言うのを通り越して、禍々しい気配すら漂うこのポストを好んで利用するあの男。
やっぱり頭おかしいんじゃねぇかって思う。
「遼太郎!」
なるべくポストそのものに触れないように封書をぶち込み、帰ろうとした時だった。
自分の名を呼ぶ声。しかも聞き覚えのあるそれに俺は当然の如く振り返る。
「蓮」
やはりそうだ。駅の方から走ってくる小柄(俺より)な身体。柔らかそうなくせっ毛。
ふむ、今日も可愛いじゃねぇか。って、おっと……俺はナチュラルに何考えているんだ。
緩みそうになった表情を引き締め、しかも少し視線を逸らして彼を迎える。
「……奇遇だね!」
「奇遇、か?」
悪いがこれは偶然でない事くらい俺は知っている。
「お前、前の駅から尾けて来たな」
「えっ!?」
舐めないで欲しいものだ。
俺だって一応探偵事務所の捜査員だぜ。あれくらいの尾行、気がつかないわけがない。
途中で迷って慌てて走ってきた、って所か。
息を切らせつつ、どう言い訳しようか迷っているこの悪ガキを俺は見据えた。
「おい、どうなんだ?」
「……」
「まぁいい。なんの用だ、今日も悪いがお前を買っては……」
「違うってば。前も言ったけど、僕達友達だろ。だから」
「お前は友達を尾行すんのか」
「うっ」
たじろぐ蓮を俺は鼻で笑う。
めんどくせぇガキだ。しかしまぁ可愛い……いやいや違う。
「で、要件を言え」
小遣いせびりなら、と言いかけると彼は不貞腐れた顔で一言。
「恋愛相談、させてよ」
「あ?」
俺に恋愛相談だと?
こいつ俺をなんだと……ってあぁ、友達か。
「好きな人、振り向かせたいんだもん。全然、僕のこと眼中にないし」
「それはお前がガキだからだろ」
「若いって言ってよ! 若い子の方がいいでしょ、男って」
「あのなぁ」
いっぱしの女みてぇな口きいてんじゃねーぜ。いきがった小娘かよ。
俺は浅くため息をつく。
「来いよ。恋愛相談なら、俺より良い相手知ってるぜ」
そう言って着いてくるよう促し、さっさと歩き出した。
「えっ、あ、うん! 待ってよ」
「早く歩け、チビ」
「遼太郎が巨人なんだよ! ウドの大木ってやつ」
そんな憎まれ口叩く、年下の友達を俺は眩しいような気分で眺める。
あぁ若い。若くて可憐で、きっとこの手に抱きしめるには過ぎた存在だ。
……って何考えてるんだ、俺は。ガキに本気になる訳にいかねぇし、なったとしてもこいつが俺に靡くなんて想像つかない。
だいたい、蓮には好きな奴がいるんだ。大人である俺が出来るのは、せいぜい若い奴の健全なる遊び相手になるくらいだろう。
だからこそ恋愛相談なんて無理だな。
「もうっ、ほんと遼太郎って足速すぎ。こういうのデリカシーがないって言うんだよ!」
「ふん、ガキに言われたくねぇぜ」
「ガキじゃないもん、高校生だし!」
「泣いてる時は逆のこと言ってただろ」
「あ、あれはっ……」
真っ赤になって言い返そうにも、言葉が思いつかないのか口をぱくぱくさせるのがなんとも。
これ以上押し問答してたら俺の方がヤバい。
だからその小さな頭を鷲掴みにして髪を乱すように撫で回してやった。
するとまた、何すんだ! とキーキー怒ったものだから口角が上がるのを必死で耐えて言う。
「ほら。早く行くぞ……クソガキ」
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