男同士で番だなんてあってたまるかよ

だいたい石田

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5、感じたくない

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目を覚ますと、身体の節々がだるく痛かった。なぜそんなことになっているのか考えたくもない。のどの痛みと渇きを覚えたが、飲み物を探すことすらおっくうで、布団の中にもぐりこんで丸くなった。
「もう、やだ。」
異世界に来ているらしいことはまだいい。もう二度と元の世界に戻れないことは……よくないがこの際は脇においておく。
何よりもショックなのは、シンに抱かれたいと思ってしまうことだ。
生まれてきて18年間。同性に惹かれたことはなかった。中高と男子校だったから、じゃれあいが親密だったことはある。同級生や先輩・後輩にカップルがいたことも知っている。
それでも、自分は別だと思っていた。大学に入って女子と付き合うと思っていた。性欲の対象だって女子で、エロ本やエロ動画で抜いたことだってある。
それなのに、このざまだ。
心と体は相反する状態でどうしたらいいのかわからない。
それなのに、シンがそばにいると抱かれたくてたまらなくなる。
「っ……」
温かく暗い布団の中で唇をきつく噛みしめた。

どれくらい時間がたったのだろう。さすがに、喉の渇きは多少我慢できても、トイレにいきたいという生理的欲求がこみあげてきて布団から出ずにはいられなくなった。
この部屋にトイレはあっただろうか。
むくりと身体をうごかし、のろのろと布団をはねのけた。ベッドから降りて部屋の中を歩き回ると2つドアがあった。一つはお風呂で、もうひとつはトイレだ。お風呂はなぜか見覚えのある気がしたが、一刻も早く用を足したくてトイレに向かった。トイレは、洋式のものだった。「トイレは変わらないのか。」やや安心しながらトイレに向かった。

すっきりするともう一つ、ずっと我慢していた欲求が顔をだす。
「喉、かわいたしおなかすいた。」
ベッドのそばの小テーブルに、結露のついた水差しとコップが置かれていた。きっとこれを飲んでもいいということなのだろう。
見知らぬ場所でだれに用意されたとはわからなかったが、ややためらった末に水差しに手を伸ばしコップに水を注いだ。
一口飲んで確かめる。少しぬるくはなっているが、普通の水だ。喉が渇ききっているせいかやけにうまく感じる。すぐにのみほすとまた水を注いで飲みほした。
「はあ。」
喉の渇きが癒され落ち着くと、ため息がもれた。
「だれも、いないのかな。」
そういえば、部屋の外からはでていない。
部屋のドアは、ベッドからやや離れた遠いところにある。
「あそこから出られるのか……」
なんとなく足音を忍ばせてドアへ近づいた。そっと金色の金属製のドアノブはやけに冷たく感じた。音を出さないようにそっとドアノブを回し、引いてみる。
動かない。
引いてだめなら押してみろ、と思い押してみる。
動かない。
どうやら外からカギがかけられているようだった。がちゃがちゃとドアノブを回していたが、この音で、シンやほかのだれかに悟られてはまずいと思いドアから離れた。
窓はあるから窓から脱出できるか、と思い、薄いカーテンをめくると、窓の下は崖。それも下は海だ。窓を椅子かテーブルで割ることは可能だが、外に出ることは無理だ。
となれば、ドアを壊して脱出するしかないんだろう。
そこまで考えて、迷いが生じた。
ここのことは何も知らない。目が覚めたらベッドにいて、シンがいて。それからはこの部屋からは出ずに過ごしてしまっている。シンの話によるとこの世界は元いた世界と違うようだが、全部信じていいのかわからない。見たところ、トイレやお風呂は見覚えがあるし、異世界だったらそれらも違うかもしれない。
……まて、お風呂。
さきほど、トイレにいきたくて飛ばしていたがお風呂。
なぜだか見覚えがある気がしたんだっけ。
お風呂へと向かい、中をのぞくと女子の好みそうな白い猫足のバスタブ。縁は金色に塗られていて、かわいらしさと同時に高級感も感じる。
大きさは一人だと十分だけれど、大人2人入るにはやや狭い……
大人2人だとやや狭い……
そうだ、ここに俺は……シンと2人で入ったんだ。
記憶が怒涛のように流れ込んできた。

目覚めるとシャワーの音がしていた。
お互いの精液やら汗やらでどろどろになっていた身体をシンが洗ってくれているようだ。ただ、目覚めてしまったタイミングが悪いとしかいいようがなかった。
ちょうど、シンが行っていたのは、徹の菊門から精液をかき出しているときだった。
意識を失っていればただの作業ですんだはずだった。けれど、意識を取り戻してしまった以上、欲を覚えてしまった身体はそれを作業だとは感じなかった。
「あっ……んっ」
身体を洗ってくれているのだから眠ったふりを続けてごまかしたかった。けれど、浅ましい肉体はそんな思いとは裏腹に与えられる刺激を快楽だと伝えてくる。
「やっ……んっふぅ……」
ただ洗ってくれているだけだ、と言い聞かせてもだめだった。それに、あくまでもシンの行っているのは精液をかきだすための作業。作業ゆえに、迅速に行われた。ゆるく中をこすられ温かいお湯がながれこみ白濁がお湯とまざってこぼれおちる。
もどかしい。もっと強く擦ってくれればもっと気持ちよくなれる。
眠ったふりなどとっくの昔にばれていた。シンは気付かないふりをしてくれていた。
足りない。何か硬く太いモノで突いてほしい。
「あうっ……」
シンの指先が、徹の感じるところをかすめた。隠しようのないほどの嬌声が浴室に響いた。
徹は、目をあけるとシンの身体にすがりついた。
「気持ち良くして。」
かすれた声だったけれど、やけに大きく聞こえた。シンがどう答えたのか、答えなかったのか。それはよく覚えていない。
ただ、すぐにシンは行動にうつした。ためらうことなく左胸を口にふくんだ。甘噛みをし、ちゅくちょくと音を立てて吸い上げると敏感なそこはぷっくりと膨れていた。それからも執拗に左の乳首だけを攻め立てる。右はたまに指でこすられるだけ。どうしようもない切なさが熱を帯びてこみあげてくる。
「やだっ……右もっ……」
「右をどうされたいんだ?」
「左と同じっ……ああっんっ……ようにっ…して……」
「左と同じって?」
「あっ……噛んでっ……」
「わかったよ。」
さんざん嬲った左乳首を最後に惜しむようにぺろりと舐めあげた後で、右乳首を舌でつんつんとつつきやや痛くなるほどに噛みついた。その瞬間に背筋にぞくぞくとした感覚が走り抜けた。痛いはずなのに、痛みだとは認識できなかった。待ちわびた刺激は気持ちよすぎてどうにかなってしまいそうだった。
「ひゃああっ……シンっ……ああああぅ……」
乳首をいじられ噛まれただけなのに、貪欲な身体はずくりとうずき、さらなる愉悦を待ちわびていた。
「シンっ……もっと……」
「まだ乳首を触ってほしいのか?」
「ちがっ……奥にほしっ……ほしい!!」
男を何度も受け止めた穴は、シンが精液をかき出している間から中を埋めるものを待ち望んでいた。指だけでは足りない。太く硬くたくましいモノに貫かれたい。
徹はすっかりそのことだけしか考えられなくなっていた。
シンは悪戯を思いついたような笑みを浮かべると、徹にバスタブのふちに手をかけさせ尻をシンのほうに突きださせた。
徹は与えられる快楽のことを思い素直に従った。

誘うように蠢いている淫穴に、指を突きいれた。人差し指1本では足りなさそうにきゅうきゅうと肉襞がしめつけてくる。
「あっ……ああっんっ」
求めている刺激に足りないとはいえ、敏感な身体は貪欲に受け入れた。
中指もナカへと差し込んだ。まだ足りないというように誘うように蠢動され薬指も突きいれた。3本の指をばらばらにうごかして、柔らかな通路を犯し開く。
「ああ、はああっ、ああんっ、」
徹は少し舌足らずな言葉で快楽に打ち震えた。何度もあえいだ声はすっかり枯れてしまっている。それでも、嬌声を出さずにはいられない。
徹のいいところをかすめたのか、喘ぎ声が大きくなった。
「ここがいいんだな。」
強めにこすりあげると、徹の身体がびくびくと震え精をはなった。
徹の精液を指にぬりたくると中へ押し込んだ。のめりを借りてさきほどよりも早く深く指は中を擦りあげていく。
「あああっ……はああっ……シ、シンっ……あっあああっ」
指だけでの刺激は足りないのだろう。ねだるような響きが混ざっている。
指を抜くと、先端をあてがった。解されて蕩けきった穴は抵抗するどころか悦んで迎え入れた。
ゆっくりと奥へ進めていく。肉襞が嬉しそうに食んでくる。奥まで到達していないのに、油断するとここで達してしまいそうだった。
「ああっ…あんっ、シン、もっと……もっと。」
甘えるように名前を呼ばれて一層焦りが募った。先ほどまで無理をさせた身体を乱暴にしたくないからと時間をかけていたのに、当の本人から急かされてしまうとは。
徹の声に答えるように、ぐっと奥へすすめ、一気に腰へ力を入れた。
「ああっ……ああああああああああああっ」
悲鳴でも上げるかのようなに徹は嬌声を挙げた。狭い淫穴を余すところなくシンの肉棒で満たされていた。最奥まで届いたと感覚でわかり、徹の腰をぐっとつかんだ。
シンは大きく腰を律動させ、最奥をがしがしと突いた。優しくしなければいけないとわかっていたけれど、徹の痴態に我慢の限界だった。
「はっ、あ、あああっ、やああああんっ」
与えられる刺激のあまりの大きさに、 逃げようとする徹の腰を両手でさらに強く押さえつけた。逃げられるとは思っていない。だが、逃げようとするようなその動きが許せなかった。
勢いこんでぐぐっと腰を押し付けたシンは、そのまま奥で欲望を吐き出した。
徹は与えられる熱い飛沫を貪欲に飲みこんで、また意識を飛ばした。

意識はすぐに戻った。気がつくと湯船に二人でつかっていた。大人一人で浸かるにはほどよい大きさだが、2人で浸かるにはやや狭い。そのためか、徹の身体はシンに抱きかかえられるようになっていた。徹の背中はシンの胸にあずけられるような形になっていた。
「無理をさせてすまない。」
さきほどの濃厚な情事のやや残る艶っぽい声が耳朶をうった。疲労困憊の身体だというのに、ずくりとうずきかけたことに慌てた。
「だ、大丈夫だから。」
感じかけていることを悟られるまいと乱暴に答えた。
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