山に登ったら巫女少女と出会ったので遊ぶことにしました

榊空

文字の大きさ
56 / 92

56

しおりを挟む
 お昼ご飯を食べ終えた静人達は二手に分かれる。かなでともみじ、そして桔梗はお菓子作りを始める。もう片方の静人と青藍は物作りについてパソコンで調べることにした。



「おにいさん最初に何を調べたほうがいい?」

「うーん、青藍ちゃんは何か作りたいものってあるかい?」

「私が作りたいもの……、特に思いつかない」

「青藍ちゃんは黙々と物を作るのが好きなんだよね?」

「? うん」

「それならちょっとした小物とか作ってみないかい?」

「小物?」

「そう、小物。机とか椅子とか、本だなとかアクセサリーを入れる箱とかだったり、それに料理を作るときにあったら便利な物とかね。さすがに青藍ちゃんも金属は扱えないよね?」

「金属? 分かんないけど慣れたらいけると思うけど触ったことないからわかんない」

「それもそっか。さすがにそれは教えることは出来ないからそこはみどりさん任せかな。あ、茜さん用の運搬道具も作らないとね」

「おにいさんが図案をかくんだよね?」

「そうだね。うーん、一緒に書き方も見てもらおうかな。自分で書けるようになったらもっと複雑な物も作れるようになると思うし」

「む、めんどくさそう」

「あはは、慣れれば簡単だよ。書き方って言っても本格的な仕様書とかじゃなくてここをこうした方がいいかもってメモを挟みつつ、最終的な形を描くだけだし」

「むむ、難しそう。でも、頑張る」

「うん、頑張ろう」



 初めてのパソコンに四苦八苦する青藍に使い方を教えてたどり着いたいろいろな物を見ながらノートにちょっとした図案を描いていく。



「うんうんそんな感じ。なんとなく作るものの形は見えてきた?」

「うん。でも、もうちょっと絵を綺麗に書けるようにならないと分からなくなるかも」

「他の人にはわからなくてもいいけど自分だけは分かってないとね。さすがに自分以外の人に頼む場合はそれじゃだめだけどね? それじゃあ茜さんに作る運搬道具は今回の図案で行こうか」

「自分で書いたからいつもよりも細かいところまで確認しなくても作れると思う」

「確かに今までは小さい部分は確認しないといけなかったからね。自分で書いた方が楽じゃなかった?」

「うーん、でもおにいさんが描く図案も分かりやすいよ?」



 青藍は一緒に書いていた静人の見本用の図案を見て首を横に振る。そんな青藍に静人は頬をかきながら苦笑いを浮かべる。



「今はまだそこまで複雑なものは作ってないから大丈夫だけど、複雑な物を作るときは少しのずれとか細かいところが違うだけで大変なことになるからね。今のうちに覚えて欲しかったんだよ」

「なるほど、確かにあれ以上細かいのは分かりにくくなるかも? でも、あれよりも細かいものってあるの?」

「僕は知らないけどこれから先どんどん作ることになるし今のじゃ満足できなくなったらあれ以上に細かいものになるんじゃないかな?」

「たしかに? まぁ今はいいや。お兄さん他に何か調べることないかな?」



 考えることを一旦やめることにした青藍はパソコンをまた操作しながら静人に尋ねる。静人は考える素振りを見せた後先ほどまでの会話から金属のことを思い出す。



「うーん、あ、さっきも言ったけど金属製品を見てみようか。さすがに調理道具の包丁とか鍋とかは無理かもしれないけど」

「む、流石に設備的に無理かな? 設備があっても簡単には無理だと思う」

「そうだよね。まぁ、時間はあるから興味があるならみどりさんに頼めばいいんじゃないかな。それに青藍ちゃんが包丁とか作れるようになったら村づくりの方でも助かるからね」

「助かるの?」

「助かるというか、そうだね。例えばだけど料理するときに使う包丁が使えなくなったら困るでしょ? かといってそういうのができる人を新しく用意するのも色々大変だから」

「なるほど、さすがにこれ以上人が増えるのは今のところやめておいた方がいいよね。それならちょっとやってみようかな?」

「まぁ、そこらへんはみどりさんとも相談しようか。今日来るだろうし」



 静人もそんな設備については用意できないからかみどりに任せることにした。そうしてしばらく他の図案を描いたりしていたが青藍がふと口を開く。



「今日のご飯は何作るの?」

「あはは、まだ時間あるよ? そうだなー、正月らしくは無いけど久しぶりにオムライスでも作ろうかな。前にも作ったことあったよね?」

「卵焼いたのでご飯くるんだやつ?」

「そうそう。あー、お魚は刺身でも買ってこようかな?」

「おさかな!」

「あはは、ホントにお魚好きだね。明日はちょっと時間かかるけどサーモンとブールブランソースでも作ろうかな。一回作ったことあるけどお魚にあって美味しかったよ」

「おー、食べてみたい!」

「それじゃあ明日はそうしようか。あ、ちょっと待っててね」



 静人は青藍に一言断ってからかなでのもとに向かう。オーブンで何かを焼いているのかもみじと桔梗はオーブンの前から離れようとはせず、そんなオーブンから少し離れたところでかなでがもみじ達を見ていた。



「かなで、買い物に行きたいんだけどいいかな? 刺身を買って来ようと思って。あ、夕ご飯はオムライスにしようかと思ってるんだけどいいかい?」

「もちろん! 買い物はそうね。しず君に任せちゃおうかな。よろしくね!」

「うん。それじゃあ行ってくれるね。グラさんたちは明日来るんだよね?」

「ええ、来るのは明日になりそうって言ってたわよ?」

「そうかい? それならよかった。他に勝ってくるものはあるかい? そういえば何だけどグラさん達って食べれないものとかあったりするのかな?」

「うーん、今のところは無いかしら。食べれないものかー。聞いたことないかな。基本的に何でも食べる人たちだし」

「一応聞いてもらっていいかな? 食べれないものを使うわけにもいかないからね」

「そうね。連絡入れておくわ」

「よろしくね。それじゃあ買い物に行ってくるね。青藍ちゃん、ちょっと出かけてくるから自由に調べてていいからね。使い方が分からなかったらかなでに聞いてね」

「分かった。行ってらっしゃい」

「うん、いってきます」



 もみじと桔梗は熱心にオーブンの中身を見ていて気が付く様子はなく、真剣に見ているもみじ達を邪魔するのもどうかと思った静人は声をかけずに買い物に出かけていった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  お気に入り・感想、宜しくお願いします。

異世界ママ、今日も元気に無双中!

チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。 ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!? 目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流! 「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」 おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘! 魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...