山に登ったら巫女少女と出会ったので遊ぶことにしました

榊空

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 ココアを飲んで体が温まったところで静人とかなでは歯を磨きに洗面台へと向かう。





「うむ? 何をしてるのだ?」



「何って歯磨きだけど……?」



「歯を磨くのだ?」



「うん。ってもしかしてしたことない?」



「初めて見たのだ」



「ちょっとお口あーんってして?」



「うむ? 分かったのだ。あーん」



「見事なまでに白い歯ね。虫歯もないし、歯磨きもしなくていいのね」



「でも、ちょっと興味があるのだ」



「新しい歯ブラシ出すから待ってて。はい、これ。やり方はまぁ歯を磨くだけなんだけど。私がやろうか?」



「歯を磨くのだ。うむ、一回お手本をお願いしたいのだ」



「分かったわ。ちょっと歯ブラシ借りるわね。あ、歯磨き粉ってちょっと苦いのよね。大丈夫かしら」



「うむ、苦いのだ? でも、多分大丈夫なのだ。子供でもないし少し苦いくらいなら我慢できるのだ」



「そう? それじゃあ、お口空けてね」



「うむ。あう!?」



「ど、どうしたの? やっぱり苦かった?」



「苦いというかスース―するというか、でも、それはどうでもいいのだ。どちらかというとこの口の中がくすぐったいほうをどうにかしてほしいのだ」



「あー、どんな感じで磨くのかは分かったかしら?」



「う、うむ。多分分かったのだ。でも、あんなにくすぐったいのだ?」



「人にやってもらうと少しくすぐったく感じるのよ。だから自分でやれば何ともないと思うわ」



「そうなのだ? それならやってみるのだ」



「一緒にやりましょうか。ふふふ」



「あはは、それじゃあ僕は青藍ちゃんともみじちゃんを連れてこようか?」



「そうね。こういうのはみんなでやったほうが続くものね」



「みんなでやるのだ」



「それじゃあ連れて来るね」









「歯磨きするのー?」



「めんどくさそう……」



「普通ならしなかったら虫歯になるわよって脅すところなんだけどね……。まぁ、みんなはしなくても大丈夫そうなのよね」



「青藍ちゃんは一緒にしないの?」





 もみじが青藍のほうを悲しそうな目で見つめると、青藍がたじたじな様子で頷く。





「う、するよ。うん」



「一緒にしようね!」



「うん」



「わしも一緒にするのだ!」





 教える側に静人も加わり子供三人に教える。青藍は口に含んで顔をしかめ、もみじはそこまで気にせずに歯を磨く。青藍と同じように桔梗も顔をしかめる。





「うみゃ、苦いしスース―する」



「そう? そんなに気になるほどじゃないよ?」



「わしも青藍と同じで結構きついのだ」



「子供用の歯磨き粉買ってこようかしら。確か甘いのがあったのよね」



「むむ、子供じゃないのだ。これでいいのだ」



「私は甘いほうがいい。桔梗も無理しないほうがいいよ?」



「む、無理なんてしてないのだ。大丈夫なのだ」



「ふふ、それじゃあ青藍ちゃんには甘いのを買ってこようかしら。桔梗ちゃんも無理はしないようにね?」



「だ、大丈夫なのだ。いつかは慣れるはずなのだ」



「そうだね。慣れると思うよ」





 しばらくして口を漱ぐと口の中がさっぱりしたからか嬉しそうな声で子供達が騒ぐ。





「うむ、歯を磨くとなんか口の中がすっきりして気持ちいいのだ」



「うん。口の中がスース―して気持ちいいね!」



「苦かったけどスース―してすっきりするのは気持ちいいかも」





 はしゃぐ子供たちを洗面所からリビングに連れていきかなでが話し出す。





「それじゃあ一緒に眠りましょうか」



「うむ、みんなで寝るのだ」



「青藍ちゃんも一緒に眠ろうね」



「え、あ、うん。狭いほうが眠るのによさそう」



「みんなでぎゅうぎゅうにして眠りましょう!」



「お兄さんも一緒に眠ろう!」



「僕もかい? 僕も一緒に眠るならリビングで眠ることになるけどいいのかい?」



「うん! 広いお部屋で一緒に眠ろう!」



「それじゃあご飯も食べたしお風呂も入ったから、リビングの机を横によけてスペースを作ろうか」



「はーい」





 気持ちのいい返事を出すもみじ達の手伝いを借り、机を片付けて布団を敷くスペースを作る。押し入れから布団を二つ取り出して敷く。





「久しぶりに布団で寝る気がするわ」



「いつもはベッドだからね。布団はお客さん用だし。二枚ひけば十分かな?」



「そうね。子供三人だし大丈夫なんじゃないかしら。駄目だったらあと一つ敷くってことで」



「まぁ、正直これ以上広くするとなると机とか外に出さないといけなくなるし、大丈夫ならいいかな。あ、僕たちが寝る時っていつも常夜灯って言ってオレンジ色の明かりが付いた状態にしてるんだけど大丈夫かい? こんな感じなんだけど」





 リモコンを操作して常夜灯に変えた静人に対して子供たちは次々に頷き返す。





「うん! 大丈夫! 優しい色だから眠るときも邪魔になる気はしないよ」



「うむ、寝る時ならこの色でも大丈夫なのだ。でも何でこれをつけるのだ?」



「あはは、これがないと夜目が覚めたときに部屋の中が見えなくて危ないからね。躓かれたり踏まれたりされたくないだろう?」



「うむ、わしが静人に踏まれたら痛いのが分かり切ってるのだ。というか今日食べたものだしちゃうかもしれないのだ」



「ふふ、それは困るわね。まぁ、というわけでこの明かりをつけてるってことね」



「なるほどなのだ。納得したのだ」



「それじゃあ一緒に寝ましょうか」



「はーい」





 端に大人組が固まりその横に子供組が引っ付くように布団に入る。青藍は狭いところが好きという自己申告通りに大人組と子供組のちょうど真ん中に入り体を丸めて横になる、そんな青藍の横にもみじが入り一番端に桔梗が陣取る。常夜灯に切り替えてあたりを優しいオレンジ色に包むと、みんな疲れていたのか会話を挟む暇もなく眠りについた。

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