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思いがけない配属③
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40代後半と見受けられる人事課長を相手に、なるべく感情を抑えて伝えるつもりだったが、話をしている間に気持ちが昂ってきた。
「高嶺さんね。ええ、確かにそうなんだけど……」
言いにくそうに口ごもりながら、チラチラと人事部の奥の方を見ている。いったいそちらに何があるのだろうと思っていると、奥から先程人事発表をしていた人事部長が出てきた。
「人事部長の和田です」
「……新入社員の高嶺です」
「話は聞こえたよ。申し訳ないが、一度決まった人事は変更できないんだ」
「ですが、ここまで希望と異なるのは……!」
「それでも、これが会社の決定なんだ。今年の受付には君が選ばれた」
選ばれた? 選んでほしくなど全くないのに!
「新入社員の人事は、人事部長の私だけでなく、取締役会の意向も反映している。一度決まったことを私一人の権限で覆すことはできない。それに、一般的には本社受付は会社の顔だ。今まで選ばれて断る人なんていなかったんだよ。君と同じように希望の部署とは違ってもね。皆喜んで受け入れていたよ」
「私は……困ります」
「ハァ……」
困ったなぁ……と人事部長はため息をつくが、私も納得できないので引き下がることはできない。
「とりあえず一年、受付をやってくれないか? 今、君の希望を受け入れたとして、次に選ばれる女性はどうしても2番目というレッテルを貼られる。それはちょっと気の毒じゃないか?」
さも2番目という立場に私がしたような言い方だ。そんなこと、私は全く望んでないのに。
「まあ、一級建築士の合格が取れたらまた言ってきてよ。うちは院卒も多い。院卒で入社する者は1級か2級、必ず持ってるよ? それでこそ実務経験が積めるってものだ。それに比べたら……ねぇ」
「……」
それを言われたらどうしようもない。技術職は確かに院卒が多くて、私の経歴など大したことないんだもの。
「だからね、一年やってみて、どうしてもというなら年末に転属願を出すといい。でも正直贅沢だよ。地方の小さな支店から新生活が始まる者も多いんだ。君は本社からスタートだというのに」
まったく、我儘もいい加減にしてくれと言わんばかりに両手を大げさに上げ、人事部長は去っていった。
「……と、いうことなので申し訳ないんだけど、このまま受付をお願いできるかしら?」
「……」
「高嶺さんね。ええ、確かにそうなんだけど……」
言いにくそうに口ごもりながら、チラチラと人事部の奥の方を見ている。いったいそちらに何があるのだろうと思っていると、奥から先程人事発表をしていた人事部長が出てきた。
「人事部長の和田です」
「……新入社員の高嶺です」
「話は聞こえたよ。申し訳ないが、一度決まった人事は変更できないんだ」
「ですが、ここまで希望と異なるのは……!」
「それでも、これが会社の決定なんだ。今年の受付には君が選ばれた」
選ばれた? 選んでほしくなど全くないのに!
「新入社員の人事は、人事部長の私だけでなく、取締役会の意向も反映している。一度決まったことを私一人の権限で覆すことはできない。それに、一般的には本社受付は会社の顔だ。今まで選ばれて断る人なんていなかったんだよ。君と同じように希望の部署とは違ってもね。皆喜んで受け入れていたよ」
「私は……困ります」
「ハァ……」
困ったなぁ……と人事部長はため息をつくが、私も納得できないので引き下がることはできない。
「とりあえず一年、受付をやってくれないか? 今、君の希望を受け入れたとして、次に選ばれる女性はどうしても2番目というレッテルを貼られる。それはちょっと気の毒じゃないか?」
さも2番目という立場に私がしたような言い方だ。そんなこと、私は全く望んでないのに。
「まあ、一級建築士の合格が取れたらまた言ってきてよ。うちは院卒も多い。院卒で入社する者は1級か2級、必ず持ってるよ? それでこそ実務経験が積めるってものだ。それに比べたら……ねぇ」
「……」
それを言われたらどうしようもない。技術職は確かに院卒が多くて、私の経歴など大したことないんだもの。
「だからね、一年やってみて、どうしてもというなら年末に転属願を出すといい。でも正直贅沢だよ。地方の小さな支店から新生活が始まる者も多いんだ。君は本社からスタートだというのに」
まったく、我儘もいい加減にしてくれと言わんばかりに両手を大げさに上げ、人事部長は去っていった。
「……と、いうことなので申し訳ないんだけど、このまま受付をお願いできるかしら?」
「……」
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