~狂詩曲~赤い車輪の歌

丸我利伊太

文字の大きさ
上 下
20 / 33

黒い虹

しおりを挟む
ここには光が届かない
地面の上に棒がある
その棒に奇妙な文字が書いてある
ここは始めであり終わりである

誰かが本を読んでいる
口から泡をふいている
一度裏切った奴は
何度でも裏切る

俺が不幸になったのは
お前のせいだ
お前のせいだ

いつのまにか霧につつまれている
その霧の中に黒い虹がかかっている
誰かの悲鳴が聞こえる
昔の女の声に似ている

誰かが俺を見ているような
ふり向いても誰もいない
お前は裏切り続けるんだ
これから永遠に

俺が不幸になったのは
お前のせいだ
お前のせいだ

俺が不幸になったのは
お前のせいだ
お前のせいだ
しおりを挟む

処理中です...