能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました

御峰。

文字の大きさ
19 / 102
一章

第18話 準備万端ですか?

しおりを挟む
 ヴァレン町にある全てのゴミを収集した。

 大型ゴミは今まで収集出来なかったけど、ここ三日かけて走り回って、全て収集した。

 これも全て、町の人達のおかげだね!


 遂にリグレットさんが来てくれた。

 最初来たとき、綺麗になった町に物凄く驚いていた。

 今では、掃除も頑張っているし、皆『クリーン』で綺麗になっているので、ゴミの町の面影すらなかった。



 ◇



 アースさん、マイケル爺さん、僕、アイリスちゃん、そして、戦闘能力を持っている大人三名のハリスさんとミドルさん、グリップさんが集まっていた。

 シーマくんを助けるべく集まった。

 情報を持って来てくれたリグレットさんが口を開けた。

「現在、シーマくんが捕らえられているのは、予想通り、ギャザー町の領主、アブ・ノルマルの隠れ屋敷だったよ」

 ギャザー町の領主?

「ギャザー町は大きいからね、ここら辺一帯の領主様なのじゃ」

 ああ~そういう事か。

「ただ、どうやらシーマくんが特殊な能力を持っているのは分かっているけど、それが何なのかは知らないみたいで、まだ監禁させたままにしているみたいね」

「それは好都合だ、シーマくんが酷い目にあってなければ良いが……」

「取り敢えず、隠れ屋敷で無事は確認されているから、ただあまり悠長には出来ないわね」

「ああ、こちらはリグレットの予想通り、アレクがしっかり強く・・なっている。助けられるはずだ」

 その言葉でリグレットさんが僕を見つめた。

「はい、しっかり強くなりました。シーマくんを……絶対に助け出します!」

「そうかい、分かった。アースがそこまで言うのなら間違いないだろう。今回の件、私にも落ち度はあるから、最後まで手伝うよ」

「なっ!? リグレット、本当に良いのか? 相手は――」

「はーん、関係ないさね。それに、最悪な場合、私もこの町で住むさね。何だか綺麗になっているし」

 アースさんとリグレットさんってどういう関係なんだろうね?

 シーマくんの救出が終わったら、今度聞いてみよう。


 そして、僕達はとある作戦を決めた。

 闇夜に紛れ、ギャザー町に潜んだ。



 ◇



 僕の役目は、かく乱係りになった。

 僕が使えるスキルを使えば、最高のかく乱になるからね。
 
 僕は相棒のアイリスちゃんと一緒に、時がくるまで待機していた。


「ねえ、アレク」

 まだ時間まで数十分あるので、のんびり待っている僕にアイリスちゃんが声を掛けてきた。

「ん?」

「今回の戦いで、もしかしたら――私の能力、使わないと行けないかも知れないの」

 そう言えば、アイリスちゃんの能力、聞いた事なかったね。

「その……もし私が能力を使っても……嫌いに…………」

 アイリスちゃんが俯いた。

「なる訳ないでしょう。アイリスちゃんがどんな能力でも、僕は気にしないよ。だって僕の能力だってそうじゃん」

「ふふっ、でもアレクの能力は凄いじゃない」

「最初はあんなに笑ってたのにね」

「だって、名前が凄いから」

「でもちゃんと受け入れてくれた」

「うん。アレクはアレクだもの」

「アイリスはアイリスだよ」

「――――そっか」

 何もない僕を受け入れてくれたヴァレン町。

 そこで出会った人達。

 友達。

 親友。

 ――家族。

 もう失いたくないんだ。

 だから、シーマくんを絶対に助け出したい。

 でも……。




 ピエルくん……。

 君は今頃、何を思って、何をしているんだろうか……。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

最強付与術師の成長革命 追放元パーティから魔力回収して自由に暮らします。え、勇者降ろされた? 知らんがな

月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
旧題:最強付与術師の成長革命~レベルの無い世界で俺だけレベルアップ!あ、追放元パーティーから魔力回収しますね?え?勇者降ろされた?知らんがな ・成長チート特盛の追放ざまぁファンタジー! 【ファンタジー小説大賞の投票お待ちしております!】  付与術のアレンはある日「お前だけ成長が遅い」と追放されてしまう。  だが、仲間たちが成長していたのは、ほかならぬアレンのおかげだったことに、まだ誰も気づいていない。  なんとアレンの付与術は世界で唯一の《永久持続バフ》だったのだ!  《永久持続バフ》によってステータス強化付与がスタックすることに気づいたアレンは、それを利用して無限の魔力を手に入れる。  そして莫大な魔力を利用して、付与術を研究したアレンは【レベル付与】の能力に目覚める!  ステータス無限付与とレベルシステムによる最強チートの組み合わせで、アレンは無制限に強くなり、規格外の存在に成り上がる!  一方でアレンを追放したナメップは、大事な勇者就任式典でへまをして、王様に大恥をかかせてしまう大失態!  彼はアレンの能力を無能だと決めつけ、なにも努力しないで戦いを舐めきっていた。  アレンの努力が報われる一方で、ナメップはそのツケを払わされるはめになる。  アレンを追放したことによってすべてを失った元パーティは、次第に空中分解していくことになる。 カクヨムにも掲載 なろう 日間2位 月間6位 なろうブクマ6500 カクヨム3000 ★最強付与術師の成長革命~レベルの概念が無い世界で俺だけレベルが上がります。知らずに永久バフ掛けてたけど、魔力が必要になったので追放した元パーティーから回収しますね。えっ?勇者降ろされた?知らんがな…

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

タブレット片手に異世界転移!〜元社畜、ダウンロード→インストールでチート強化しつつ温泉巡り始めます〜

夢・風魔
ファンタジー
一か月の平均残業時間130時間。残業代ゼロ。そんなブラック企業で働いていた葉月悠斗は、巨漢上司が眩暈を起こし倒れた所に居たため圧死した。 不真面目な天使のせいでデスルーラを繰り返すハメになった彼は、輪廻の女神によって1001回目にようやくまともな異世界転移を果たす。 その際、便利アイテムとしてタブレットを貰った。検索機能、収納機能を持ったタブレットで『ダウンロード』『インストール』で徐々に強化されていく悠斗。 彼を「勇者殿」と呼び慕うどうみても美少女な男装エルフと共に、彼は社畜時代に夢見た「温泉巡り」を異世界ですることにした。 異世界の温泉事情もあり、温泉地でいろいろな事件に巻き込まれつつも、彼は社畜時代には無かったポジティブ思考で事件を解決していく!? *小説家になろうでも公開しております。

微妙なバフなどもういらないと追放された補助魔法使い、バフ3000倍で敵の肉体を内部から破壊して無双する

こげ丸
ファンタジー
「微妙なバフなどもういらないんだよ!」 そう言われて冒険者パーティーを追放されたフォーレスト。 だが、仲間だと思っていたパーティーメンバーからの仕打ちは、それだけに留まらなかった。 「もうちょっと抵抗頑張んないと……妹を酷い目にあわせちゃうわよ?」 窮地に追い込まれたフォーレスト。 だが、バフの新たな可能性に気付いたその時、復讐はなされた。 こいつら……壊しちゃえば良いだけじゃないか。 これは、絶望の淵からバフの新たな可能性を見いだし、高みを目指すに至った補助魔法使いフォーレストが最強に至るまでの物語。

コストカットだ!と追放された王宮道化師は、無数のスキルで冒険者として成り上がる。

あけちともあき
ファンタジー
「宮廷道化師オーギュスト、お前はクビだ」  長い間、マールイ王国に仕え、平和を維持するために尽力してきた道化師オーギュスト。  だが、彼はその活躍を妬んだ大臣ガルフスの陰謀によって職を解かれ、追放されてしまう。  困ったオーギュストは、手っ取り早く金を手に入れて生活を安定させるべく、冒険者になろうとする。  長い道化師生活で身につけた、数々の技術系スキル、知識系スキル、そしてコネクション。  それはどんな難関も突破し、どんな謎も明らかにする。  その活躍は、まさに万能!  死神と呼ばれた凄腕の女戦士を相棒に、オーギュストはあっという間に、冒険者たちの中から頭角を現し、成り上がっていく。  一方、国の要であったオーギュストを失ったマールイ王国。  大臣一派は次々と問題を起こし、あるいは起こる事態に対応ができない。  その方法も、人脈も、全てオーギュストが担当していたのだ。  かくしてマールイ王国は傾き、転げ落ちていく。 目次 連載中 全21話 2021年2月17日 23:39 更新

【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!

まにゅまにゅ
ファンタジー
平均レベルの低い底辺パーティ『龍炎光牙《りゅうえんこうが》』はオーク一匹倒すのにも命懸けで注目もされていないどこにでもでもいる冒険者たちのチームだった。 そんなある日ようやく資金も貯まり、神殿でお金を払って恩恵《ギフト》を授かるとその恩恵《ギフト》スキルは『拡大解釈』というもの。 その効果は魔法やスキルの内容を拡大解釈し、別の効果を引き起こせる、という神スキルだった。その拡大解釈により色んなものを回復《ヒール》で治したり強化《ブースト》で獲得経験値を増やしたりととんでもない効果を発揮する! 底辺パーティ『龍炎光牙』の大躍進が始まる! 第16回ファンタジー大賞奨励賞受賞作です。

異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~

夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。 しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。 とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。 エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。 スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。 *小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み

外れスキル【削除&復元】が実は最強でした~色んなものを消して相手に押し付けたり自分のものにしたりする能力を得た少年の成り上がり~

名無し
ファンタジー
 突如パーティーから追放されてしまった主人公のカイン。彼のスキルは【削除&復元】といって、荷物係しかできない無能だと思われていたのだ。独りぼっちとなったカインは、ギルドで仲間を募るも意地悪な男にバカにされてしまうが、それがきっかけで頭痛や相手のスキルさえも削除できる力があると知る。カインは一流冒険者として名を馳せるという夢をかなえるべく、色んなものを削除、復元して自分ものにしていき、またたく間に最強の冒険者へと駆け上がっていくのだった……。

処理中です...