能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました

御峰。

文字の大きさ
26 / 102
一章

第25話 決別……です

しおりを挟む
「みんな、先に帰ってください」

 僕の言葉に、アイリスちゃんは「絶対に帰って来てよ」と小さく呟いて、みんなと一緒にヴァレン町に帰って行った。


「よう、シーマが奪われたと聞いて、アレクの仕業だと分かったよ」

「そっか」

「…………アレク、俺と戦ってくれ」

 ピエルくんは覚悟を決めた瞳をしていた。

「俺は、お前らを裏切った…………だから、俺と戦ってくれ」

「……そうか、でも今なら――」

「それはダメだ」

 ピエルくんは一つ息を深く吸い込んで、口を開いた。



「俺はな――――アイリスが好きだ。でも、お前が現れてから変わってしまった。お前を見るアイリスを…………それを見る度にお前が消えて欲しいと何度も思った。お前から友達だと言われる度に、友達ならアイリスの隣から消えて欲しいと……ずっとそう思っていた。
 あの日……お前が死んだら……俺はアイリスと一緒になれると思った。だから……だから! あの日、俺はお前を助けなかった! どうだ、アレク! 俺と戦え! 俺はお前を倒して、アイリスを手に入れる!!」

「ピエルくん………………そうだったのね……気づいてあげれなくてごめん…………でも、もっとごめん。アイリスちゃんを……君には絶対に渡さない」

「そうかよ! 力づくでも奪ってやる!!」

 ピエルが剣を抜いて、僕に飛びかかって来た。

 僕はすぐにピエルの前方に石材ゴミを召喚した。

 彼は驚くも、石材ゴミを避け、回り込んで走ってきた。

 しかし、それを読んでいた僕は、ピエルが回り込む直前に『デッドゴミ』を投げつけていた。

 顔を出した瞬間、ピエルに『デッドゴミ』で命中し、吹き飛ばされた。



「あ、あはは……強いなアレクは…………俺なんかよりも、ずっと……」



 僕は、泣いているピエルを置き去りにして、その場を後にした。

 ――「もう……二度とお前らの前には現れないよ……」

 ――「ああ…………アイリスちゃんは物じゃない。彼女が生きたいように僕は応援したいと思う」

 ――「そうか……俺は……最後まで最低だったな…………」



 ◇



 ギャザー町の響く悲鳴を後に、僕はヴァレン町に帰って来た。

 ヴァレン町では、また宴会が開かれていた。

 遠くからも、宴会の楽しさが伝ってくる。


 入口付近の大きな岩に、人影が見えた。

 その人影は、僕を見つけると、こちらに全力で走って来た。

 そして、その人影から、有無を言わさずに胸に飛び込まれた。


 ――彼女は僕の胸で「心配……したんだから……ばか」と言っていた。


 彼女の柔らかい肌の感触が、ピエルとの戦いをますます現実だと、実感させてくれた。



 ◇



 ◆アレクが屋根の上で刺されて落ちた日◆

 アレクが何者かに刺されて、屋根の上から落ちる姿を見た。

 俺は……一体何をしているんだ。

 今すぐアレクを助けに…………、屋上に見える影がシーマを連れて行った。

 ああ……あの影は自分では到底叶う相手じゃないと悟った。


 それから俺は親と共に、領主の屋敷に招かれ、報奨金をたんまり貰った。

 両親は初めて得た大金に喜び、領主様からの勧めで空き家に案内される事となった。


 俺は、その隙にアレクが落ちた所に戻って来た。

 ゴミの山がまだ残っていて、大通りから既に野次馬達が噂をしている。

 俺は急いで、アレクを探した。

 落ちたと思われるゴミの山を覗くと、その中に気絶しているアレクを見つけた。

 刺されたと思っていたのに、何処にも傷跡は見えない。

 服には痛々しい穴が空いてるのに――。


 そして、俺はアレクを人がいない所に運んだ。

 でも、俺にアレクと一緒にいる資格なんてない……。

 そんな事を思っていると、足音が聞こえて、俺は身を潜めた。

 もしもの時は……俺がアレクを……守る。


 現れた青年は、どうやらアレクを知っているようだった。

 彼がアレクを担いでいるのを、俺は隠れて見つめていた。



 アレクの無事も確認出来たので、俺は決着を付けるべく、親が入れられた空き家に来た。

 ――――しかし。

 空き家の前には既に多くの人で一杯だった。

 ――――ああ、そういう事だったのか。

 あのクソ領主が…………報奨金なんて出すはずもないのに……両親は………………。



 あれから俺は町の中で物乞いとして潜んでいた。

 既に十日以上経っている。

 そんな中、町のはずれにある屋敷がゴミだらけになったと噂が流れた。

 ――――ゴミ。

 恐らく、アレクの仕業だろう。



 俺は、決着を付けるため…………いや、俺なんか忘れさせるため、アレクの元に向かった。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

辺境追放された「植物魔導師」の領地開拓 ~枯れ果てた死の大地は、俺の魔力で聖域(楽園)へと変貌する~

リーフレット
ファンタジー
​「植物魔法? ああ、農作業にしか使えないあの地味な魔法か」 ​帝国騎士団の専属魔導師だったアルトは、無能な二世皇太子レオンによって、一方的に追放を言い渡された。 アルトがどれほど魔導植物を駆使し、帝国の食糧難を裏から支えていたかを知らぬまま、彼は「戦闘に役立たない役立たず」という烙印を押されたのだ。 ​帝国を出て行き着いた先は、魔物が跋扈し、草一本生えないと言われる最果ての荒野。 死を待つだけの地。しかし、アルトは絶望するどころか、晴れやかな顔で笑っていた。 ​「やっと、気兼ねなく『植物』を愛でられる。……よし、ここを世界一の庭(楽園)にしよう」

A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる

国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。 持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。 これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。

僕だけレベル1~レベルが上がらず無能扱いされた僕はパーティーを追放された。実は神様の不手際だったらしく、お詫びに最強スキルをもらいました~

いとうヒンジ
ファンタジー
 ある日、イチカ・シリルはパーティーを追放された。  理由は、彼のレベルがいつまでたっても「1」のままだったから。  パーティーメンバーで幼馴染でもあるキリスとエレナは、ここぞとばかりにイチカを罵倒し、邪魔者扱いする。  友人だと思っていた幼馴染たちに無能扱いされたイチカは、失意のまま家路についた。  その夜、彼は「カミサマ」を名乗る少女と出会い、自分のレベルが上がらないのはカミサマの所為だったと知る。  カミサマは、自身の不手際のお詫びとしてイチカに最強のスキルを与え、これからは好きに生きるようにと助言した。  キリスたちは力を得たイチカに仲間に戻ってほしいと懇願する。だが、自分の気持ちに従うと決めたイチカは彼らを見捨てて歩き出した。  最強のスキルを手に入れたイチカ・シリルの新しい冒険者人生が、今幕を開ける。

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。

克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作 「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位 転生者のブルーノは絶大な力を持っていたが、その力を隠してダンジョンの荷役として暮らしていた。だが、教会の力で勇者を騙る卑怯下劣な連中に、レットドラゴンから逃げるための生贄として、ボス部屋に放置された。腐敗した教会と冒険者ギルドが結託て偽の勇者パーティーを作り、ぼろ儲けしているのだ。ブルーノは誰が何をしていても気にしないし、自分で狩った美味しいドラゴンを食べて暮らせればよかったのだが、殺されたブルーノの為に教会や冒険者ギルドのマスターを敵対した受付嬢が殺されるのを見過ごせなくて・・・・・・

神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました

向原 行人
ファンタジー
 僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。  実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。  そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。  なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!  そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。  だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。  どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。  一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!  僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!  それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?  待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ! ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

処理中です...