能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました

御峰。

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三章

第52話 ヴァレンシアです

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 戦場はもっと酷い状況になっていた。

 その地は真っ黒い炎に飲まれ、全て燃え尽くされた。


「へ、ヘルドさん! 戦場が!!」

「ああ、あれは王国軍の秘密兵器『ヴァレンシア』だ。戦場の怨念を吸って燃料にする最悪の兵器だよ」

「えええええ!? ヘルドさんは知っていたんですか?」

 ヘルドさんが遠い目で、兵器があるであろう方向を見つめた。

「当たり前だ。今日は、あの兵器をぶっ潰しに来たんだ。だから、お前・・を呼んだんだよ」

「僕を……?」

「お前なら、あいつを真っ二つにするがあるだろう?」

 もしかして……斬鉄剣の事かな?

「世の中にデッドリークラップのを綺麗に斬れるのは、そう多くない。お前も出来るんだろう?」

「は、はい……一応出来ますけど……」

「俺様はあれを守ってるガーディアンを相手するから、お前はその力を使って、あの兵器をボコボコにしてくれ、いいな?」

「…………分かりました」

「よろしい。グーニル!」

「はっ!」

「お前はこのまま後方部隊に行って、ダレンの息子を連れてこい」

「はっ!」

 グーニルさんは返答後直ぐに馬に乗り、後方へと走り去った。

「お前らはそっちのスレイプニルに乗れ、魔女はアレクをちゃんと守ってやれ」

「分かってるわよ! アレクは私が守るんだから!」

 残りスレイプニル二匹のうち、一匹にヘルドさんが乗り込み、もう一匹に僕とアイリスが乗った。

 スレイプニルは非常に賢いようで、人の言葉が分かるとの事。

 うちのグレンと同じだね!

 ヘルドさんを追うようにお願いすると、彼の馬の後ろを追いかけてくれた。

 アイリスの背中にしがみつき走っていると、前方から少しずつ兵器とやらが見え始めた。

 大きなお城?

 何だか長くて大きい筒が立派に立っている。

 あの筒から白い煙が立ち上っているから、恐らくあの黒い炎の爆炎はあそこから撃たれたのだろうか。


 大型破壊兵器『ヴァレンシア』。

 その姿が段々と空を埋めるように見えた頃、不思議な丸いモノがこちらに向かって沢山飛んできた。

 大きさは僕の頭くらいの大きさで、羽根もないのに飛んでいる。魔法かな?

 不思議な丸いモノから、魔法のような攻撃が始まった。

「アレク! しっかり掴まってて!!」

 アイリスの言葉に、ぐいっとアイリスに抱き付いた。

 暖かくも頼もしいアイリスの息の音が、身体を伝わってきた。


 激しい魔法の攻撃を、スレイプニルは素早く回避しつつ、アイリスが『魔女ノ衣』で魔法を打ち返した。

 僕も所々のタイミングを見て、丸いモノに向かい『剣の雨』用の刃で攻撃しつつ回収を急いだ。

 スレイプニルが速すぎて、回収が遅れちゃうと回収出来なくなってしまうからだ。


 こうして、僕達は必死に兵器『ヴァレンシア』の元に辿り着いた。

 先にヘルドさんが到着しており、『ヴァレンシア』の前には大きなゴーレムが立ち塞いでいた。


「アレク、あいつが『ヴァレンシアの守護神』だ。あいつは俺様が相手する。お前には本体を任せるぞ」

「分かりました……ヘルドさん。あいつ滅茶苦茶強そうなんで、気を付けてくださいね」

「ふっ、知っているさ。これで三度目の再戦だからな」

 そして、ヘルドさんは愛剣を抜き、『ヴァレンシアの守護神』と対峙した。
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