能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました

御峰。

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四章

第74話 魔王国に入りましたか?

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 『魔王軍』は、長年人間と戦っていたのだが、『勇者』の出現により大打撃を受けており、進軍を取りやめていた。

 だが、それで『魔王軍』の脅威が消えた訳では無い。

 その脅威に対して元『王国』は、所属している『勇者』を派遣して、『魔王』を倒す事にした。

 それは既に一年以上も前の出来事である。

 本来なら人類最強のヘルドさんをけん制する為に、『勇者クラフト』が対抗するはずだったけど、『大型破壊兵器『ヴァレンシア』で、けん制出来ていたので、勇者は魔王討伐に向かっていた。

 もしかしたら、今回の爆発とも関係しているかも知れないね。


 『ヴァレンシア浮遊移動型船』のテラスから『魔王国』が見え始めた。

 山の上から見下ろせる場所に、要塞のようなモノがある。

 見た目は人間の要塞とあんまり変わらないね。

「ねえねえ、向こうの要塞の上にこちらを見ている人達がいるよ?」

「え? 人?」

 アイリスの言葉に、一瞬ポカーンとしたけど、よくよく見ると要塞の上には確かに人がいた。

 『魔王国』に入って直ぐに戦いになるであろうと思っていただけに、少し拍子抜けたまま、僕達は要塞を目指した。



 ◇



「い、いらっしゃいま……せ?」

 兵士さんの一人がオドオドしている。

 それもそうよね。

 要塞防壁と同じ高さの空飛ぶ船から挨拶しているからね。

 兵士隊長という人が現れ、要塞の中に案内された。

 要塞の奥には、こちらの要塞を取りまとめているという『ハクスラ将軍』という人が待っていた。


「お前は!? へ、ヘルド……」

「ん? ハクスラか、最近戦場で見かけないなと思っていたら、こんな田舎に飛ばされていたか」

「くっ! 田舎ではない! ここは、『王国』を『魔王国』から守っている最後の砦なのだ!」

「ふ~ん、クライン殿から向こう・・・に支援がしたいと言っていた事は、ここを指していたのだな」

「な、何故お前がクライン殿と!?」

「……王国は既に滅んでいるぞ? 既に一年前にな」

「なっ!? そんな馬鹿な! そんなはずがないだろう!」

「どうやらクライン殿は、気に掛けさせたくなかったみたいで、こちらにその連絡を入れてないみたいだな。まあ、今は『自由国』という国が元王国と元自由連邦国を滅ぼして統一させているぞ?」

 ハクスラ将軍が声にならない声で何かを叫んでいる。

「まあ、お前がどう思おうがどうでもいい、俺様は俺様の国の為にここに来ている。お前と戦うつもりもないから安心しろ。取り敢えず、現状を報告しろ」

 既にハクスラ将軍に対して命令口調のヘルドさん……流石です……。

 数十秒考え込んだ将軍は、諦めた顔で現状について話し始めた。


「現状は芳しくない。勇者殿に大きな傷を負った魔王が回復したという噂が回っている。更に、ここ一年間勇者殿の戦いも空しく、魔王軍は未だに戦い続けておる。最近では勇者殿でも手を焼く新しい魔族まで現れたらしくてな……王国にはそのことで応援をお願いするつもりだったが……そうか……王国は既に滅んでいるのか……」

 ハクスラ将軍が肩を落とした。

「ふっ、それなら心配ない。ここに来た我々が『自由国』最強部隊だ。お前が元王国に応援を頼んでもここまで頼りある部隊はこないだろう。それはそれと、先日あった爆発についても教えろ」

「悔しいが……お前が味方になるなら最高の応援なのは納得だ…………そうだな、先日あった爆発は、さっき話した新しい魔族達が中々手強くてな、そいつらが使っている大型破壊兵器のようなモノによるものだよ」

「大型破壊兵器か……それはここから遠いのか?」

「ああ、魔王国の首都近くのはずだ、そこでは今でも勇者殿が戦っておられる」

「そうか、分かった。それでは俺様はそこに向かうとしよう。ハクスラ、お前はこのままクライン殿と連絡を取って、戦後の人員を増やして貰え、俺様の名前を出せば分かるはずだ」

「……ああ、そうさせて貰おう。ヘルド。お前が敵ではないというのなら……勇者殿を手助けしてくれ」

「ふん、俺様は俺様の国を守る為に戦っている。あのクソ勇者の事なんざ、どうでもいい」

 こうして、僕達は更に北に向かって出発した。

 『魔王国』の首都前の前線『カリシュラム平原』に向かって。
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