能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました

御峰。

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四章

第76話 始めまして、勇者様ですか?

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 『ヴァレンシア』の立派な砲台が、勇者軍に向けられている。

 ヘルドさん曰く、「クソ勇者が暴れると面倒だ。けん制用に砲台でも向けておけ」との事。

 勇者様って……一体どんな人なんだろう。


 野営地で準備を終えた勇者様と隣に綺麗な金髪の別嬪さん、何人かの兵士達が『ヴァレンシア』の前を訪れた。

 僕とアイリス、ヘルドさんの三人で出迎えた。


「なっ!? 貴様はヘルド!? 今すぐ成敗してや――「おう、あの砲台が見えないか?」――クソ!! この卑怯者!!!」

 あ……はい。

 何となく、今の台詞でどんな性格か分かった気がした。

「一先ず、助けてくださってありがとうございますだろう? クソ勇者」

「な、なっ!? ふ、ふざけるな! 貴様のようなやつに」

 ヘルドさんが右手人差し指で砲台を再度指した。

「く、くっ…………あ…………と……ま……た」

「ん? 聞こえないなー、あのクソ勇者クラフト殿は先程の戦いて喉でもやられたのかな~?」

 ヘルドさん、絶対楽しんでいるよね!?

 二人の漫才みたいなやり取りを見ていると、隣にいた別嬪さんが二人の間に入ってきた。

「ヘルド様。此度の援護、大変助かりました。ありがとうございます」

 別嬪さんは深々とお辞儀する。

 その姿はまるで聖女様のようだ。

「よう、腹黒聖女」

 聖女様なのかよ!!

 しかも、腹黒って何!?

「腹黒だなんて……ヘルド様ったら、意地悪ですぅ……」

 ああ、ちょっと目をうるうるしてて、凄く可哀想です!

 ヘルドさん! ちゃんと謝った方がいいですよ!

「あん? あいつは腹黒だから、自分に害があるやつにはすげぇんだよ。そのうち見れるから楽しみにしとけ」

 へ?

 ま、まあ……いっか。

「それで、何で貴様がここにいて、その……船? は何だ!」

「おう、俺様は俺様の国『自由国』を守る為に、大袈裟な爆発を調査しに来た。それとこの船は『ヴァレンシア』だ」

「は!? お前、国を作ったのか!? しかも、『ヴァレンシア』!? 『ヴァレンシア』って……王国の?」

「ああ、俺様が王国と自由連邦国を滅ぼして作った国なんだぞ」

「は!? 王国を滅ぼした!?!?」

「おう、そんときの戦利品として、この『ヴァレンシア』を手に入れたぜ」

 ヘルドさん……ちょっと嘘入ってませんか?

 『ヴァレンシア』復元させた時は、あんなに狼狽えていたのに……。

 あっ、そんな目で睨まないで!

 事実を述べただけなのに……。


「おい、クソ勇者。先日あった爆発について教えろ」

「は!? 何故貴様に教えねばならないのだ!」

「そりゃ、俺様がお前の国の王様だからな!」

「は!? いつから貴様が俺の王様になった!」

「う~ん、一年くらい前かな?」

「一年も前から!? くっ、納得いかん! 俺の留守中に王国を攻めるなんて、貴様はやはり許せない! 今すぐ成敗――」

 ヘルドさんがニヤニヤしながら、またもや右手人差し指で砲台を指す。

「ぐぎぎ……人質など……最低なやつだ! …………そういや、『ヴァレンシア』の砲って一回撃ったら、暫く撃てないんじゃ?」

 以前の『ヴァレンシア』ならね。

 今の『ヴァレンシア』は、撃ち放題なんですよ~。

「ほう……試してみるか?」

 ドヤ顔のヘルドさんに今一度踏ん切りが付かない勇者様。

「勇者様。ここは一つ、ヘルド様に従いましょう」

 聖女様の意外な言葉に勇者様は驚くも、仕方ないと呟き、ヘルドさんの指示に従おうとした。

 ――その時。


「あら? そちらの彼女さん…………まさか――――――魔女?」

「へ? 私? そうです……けど?」

 アイリスの返答に、聖女様はその可愛らしい目を大きく開いた。

 ――――そして。





「おいクラフト! あのくそ女をいますぐ殺せ!!」

 物凄いしかめっ面の聖女様が叫んだ。
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