眩しい君の隣へ。

アイスの森

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第3話 友達ってなんだろう。

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「ねぇ,どこいくの」

自転車を何処かに置いてきたらしい若槻が,私に尋ねる。

「どこでも」

私は短く答えた。
放課後に誰かといる。
それは,中学の頃,憧れていたことだった。
もうそんなことは思っていないけれど,形だけの友達でもいいから,叶えたかった。

「じゃあ,公園近いし,あそこのクレープでも食べる? んまいよ」
「彼氏みたいなこと言うんだね。私別にデートがしたい訳じゃないんだけど」

だから王子様なんて夢みられるんだよ。
あぁ,私,そんな形のデート,したことないや。

「そんなつもりじゃなかったんだけど。一花さんはいや?」
「一花で良い。美味しくなかったら文句言うけど」
「じゃ,いこ」

若槻が選んだのはバナナチョコで,私はイチゴチョコだった。
無難かと思ったから。
人気の無い公園のベンチはがら空きで。
私達を待っていたかのように,そこにあった。

「うまいでしょ?」

若槻が自慢げに言う。
私はそれを一瞥して

「初めて食べたけど,まぁ」

そう答えた。
甘いものは苦手じゃない。
ケーキもお菓子も大好き。

「あのさ,友達って何?」

口の端の生クリームを親指で拭いながら,高槻は言った。
納得も出来てないのに着いてくるなんて,予想通りのお人好し。

「知らない。ただ放課後一緒に出掛ける,そうゆうのに興味があっただけ」

どんなものか,答えはでなかったけど。
暇を感じなくて,いいんじゃないかと思う。
クレープの味を知った。
それだけでいい。
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