眩しい君の隣へ。

アイスの森

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第7話 次なんてないよ。

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若槻が懐かしいと言う駄菓子屋に行ってみたりして,私達は放課後の時間を潰した。

「そう言えば,門限何時? 女子だから,あんまり遅いと何か言われるんじゃない?」

それは,夕飯の誘いだった。
ついでにどっか寄ろうという。

「お母さんなら,帰ってこないよ」

ほんのたまに,睡眠をとりに帰るだけ。
お母さんの家なのに,住んでいるのは私みたい。
今はどこで遊んでるんだろう。
まだ仕事かな。 

「お父さんは,とっくに離婚してる」

だから。

「ラーメン,食べたいかも」
「しょうゆ?」

若槻が気を使うように笑った。

「豚骨の方がすき」
「そっちのが近いし,行くか。今からだと丁度良い。」

私も素直に答えて,若槻はそう言ってくれる。
よし行こうと行き先を決めて,再び歩き出したとき。
私の電話がなった。

「あ……ごめん若槻,私帰る」
「え? ……出なくていいの,電話」
「うん,大丈夫。多分彼だから」

私の電話番号を知っているのは,お母さんと彼と学校だけ。
お母さんは未だ1度もかけてきたことがない。
人前で出るわけにはいかないから,私はメッセージをいれる。

『今日は家?』

既読がついて,返ってこないから。
家で良いんだな。
私はスマホを鞄にしまった。

「電番…LINEでもいいけど,教えてよ」
「え?」
「友達,でしょ?」
「…いいけど,LINEはやってない」
「え?」

若槻って,驚いてばかり。
私ってそんなに変?
口頭で電話番号を伝えて,若槻の電話番号を自分のスマホに登録する。
3人だけの寂しい一覧が,いつもより少し多くみえた。

「じゃあ,ありがとう」
「うん,またね」

またね,どこか遠い響き。
本当に今日だけで良かったんだから。
次,なんてないよ。
若槻。
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