眩しい君の隣へ。

アイスの森

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第9話 たぶん違うって分かってる。

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「おはよ! 一花今日空いてる?」

そんなことを,廊下のど真ん中で若槻が言うから。
その場にいた全員が,大きく反応した。
呆れて,私は数秒,答えずにいる。

「空いてるけど」

多分。

「じゃあ,ラーメン行こうよ,豚骨」
「いいよ」
「いいの?!」

もう無いと思ってたし,無くて良いと思ってたけど。
こんなところで断ったら,私の学校生活にもまた支障がありそうだ。

「その後もどっかいこうよ」
「いいけど」

私の時間は,人よりきっと多い。
勉強くらいしか,することがない。
持て余す時間をいくら人に取られたからって,なんの問題もない。

「んじゃあ俺がラーメン奢るよ」
「…そう」

明の愛は,たぶん違うって分かってる。
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