眩しい君の隣へ。

初恋

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第10話 君の優しさが染み込んで。

カウンターでラーメンをすすりながら,私は考えていた。
対等に人と話すこと。
それは付き合っているはずの明とも出来ないこと。
明は優しい。
私を好きだと言って,求めてくれる。
お昼に出掛けたいと言えば,出て来てくれる。
だから私も

『私が払うよ』

って,明が求める言葉を使う。
でもそれは違うんだなって,若槻といると見せつけられるみたいで。
すごく嫌だ。
仮初めでもいい。
そのはずなのに,どうしよもなく叫びだしそうになる。
こんなの求めてないって,そんなはずないのに。
私は,明が好き。

「若槻」
「ん?」
「痣のこと,言わなかったんだね」

食べ終わったラーメンの,スープを飲む。
若槻は数秒,何も言わなかった。
私は気になって,特徴的な形のお皿を置く。

「…ぶつけたんでしょ?」
「うん…そうだった」

そんなこと,言ったんだった。
私はもう,取り繕うことなく言いきって,またスープをごくりと飲んだ。

「食べ終わったらゲーセンいこ。夜のゲーセンってドキドキするよ」
「いいよ」

温かい豚骨スープは,若槻の優しさそのものみたいだった
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